昭和な令和に生きるわたしたちには、本当に正しい権利が与えられているのだろうか。いまだに昭和の影が消えないこの令和に、私たちは沈黙を続けるのか。まずは私たちが声を上げないと、今の政治は〈政治家たちのオナニー〉でしかない。
選挙や政治と聞くと何か難しいイメージがあるかもしれないが、意外と簡単。日本の政治、生活に全然納得がいっていないあなたにぜひ選挙に行ってほしい。国民の不満を政治に届けよう。
Videos by VICE
今回の選挙は何?
2022年7月10日に行われる参議院議員通常選挙は、参議院議員の半数を選ぶための選挙。参議院議員は3年ごとに半数が入れ替わるよう憲法で定められている。なので3年に1回、定数の半分を選ぶことになるのだ。
簡単に説明すると、家に届いた選挙の紙を選挙当日、指定された場所に持ち込み、2枚の紙を受付でもらう。(選挙当日に予定がある場合は期日前投票も可能だ。)一つは選挙区選挙では〈候補者名〉を記載して投票する。もう一つは比例代表選で、〈候補者名〉または〈政党名〉を記載して投票する。それだけだ。
事前に投票したい候補者、そして政党をリサーチしておけばその日の混雑状況にもよるが、滞在時間はたった数分かもしれない。今回私が訪れた投票場では到着してから2分もかからなかった。
候補者や政党等の情報は総務省が公開している各都道府県選挙管理委員会ホームページからも確認することができる。
期日前投票とは?
忙しくて選挙に行けないあなたに朗報。選挙当日に予定がある場合などは期日前投票などができる。その場合は紙に記載されている指定された場所でなく、他の投票場所で投票できることがある。今回の選挙の期日前投票期間は、6月23日(木)〜7月9日(土)だ。それぞれの期日前投票場所で投票期間が異なることがあるので詳細はしっかりと調べて行くのがおすすめ。
海外からも投票ができる?
仕事や留学などで海外に住んでいる場合も、外国から在外投票ができる。在外投票ができるのは、日本に国籍を持つ満18歳以上の有権者で、在外選挙人名簿に登録され在外選挙人証を持っている方。ただし、国外への転出届を出す際に、在外選挙人名簿への登録を申請する必要がある。
選挙権、無駄にしてない?
76年前まで、参政権は男性にのみ与えられていた。女性が初めて参政権を行使した選挙は、1946年に行われた。後に詳しく説明するが、選挙に行かないだけで将来、年間6万円も損をするかもしれない。前回行われた第25回参議院議員通常選挙では48.80%と2人に1人(以上)が投票に行っていないことがわかる。みんなこれで本当にいいの?
選挙権が突然与えられたZ世代
2022年4月1日より、成人年齢(成年年齢)が18歳に引き下げられ、数百万人の日本の若者が一夜にして法的に成人となったと同時に、選挙権が与えられた。少子高齢化が進む日本において、若い世代が選挙権を持つことで政治に新たな流れが生まれることが期待されるからだ。だが、国政選挙で初めて対象になった2016年の参院選では、18、19歳の投票率は46.78%とかなり低い数字となった。
参議院選挙を目前に、VICE Japanの各SNSに〈選挙、行く?〉こんな質問を投げかけてみた。Y世代(現在26歳から41歳)に続いてデジタルネイティブのZ世代(〜現在25歳以下)が高い数字となったが、ソーシャルメディアやインターネットを使いこなしている世代では情報収集がしやすいからだろうか。最も低い数字になったのはX世代(現在42歳〜57歳)だった。
実際に千葉在住、80代の女性に政治に対してどう思っているのかを聞いてみた。彼女はスマホを持っていなく、新聞も取っていない。ある程度のソーシャルな付き合いはあるものの、彼女の情報源は主にテレビと噂話だ。
そんな彼女の意見はこうだ。「選挙には行かない。行っても今の政党に投票するつもり。」理由を聞いてみると、驚くべきものだった。「友人の付き合いよ。あの人に投票してとかそんな電話が友人からかかってくる。新聞は取っていないから、NHKのニュースとラジオを流して聞いている。」人々に必要なのは、〈正しい情報〉と〈情報共有〉なのではないか。
Instagram、Twitterで選挙に行かない理由を、大まかに4つの行かなそうな理由にわけて聞いてみた。この答えを見てもまだ、選挙に行かない?
〈仕組みがわからない〉あなたへ
仕組みがわからないのであればググってみよう。無知は最大の弱点となることを知っておいてほしい。せめて今回の参議院選挙がどういうものかは5分もしないでインターネットで探せることだろう。身近な物で例えるのであれば、〈携帯代〉なんてどうだろうか。2018年夏に当時の菅元首相が掲げた〈スマホ料金値下げ〉。1年足らずで実現され、携帯代の基準が大きく変えられた。そして何を買うにも支払っている〈消費税〉だ。いつからなぜ、消費税が10%になったか覚えてる?身近なものは実は全て政治と紐づいていることを忘れてはいけない。
〈誰に投票すればいいかわからない〉あなたへ
デジタルネイティブなZ世代と生きる中、誰に投票したいかは〈みんなの未来を選ぶためのチェックリスト〉や各自治体の選挙委員会が公開しているサイトなどを参考にすると誰に、どの政党に投票するのがいいか、少しでも答えに近づけるかもしれない。
〈今の生活に不満がない〉あなたへ
今の生活になにも不自由がないスーパーリッチ、スーパーハッピーなあなたも、不満がないからといって(選挙権があり投票できるのにも関わらず)投票に参加しないのは間違っている。例えば消費税について、平成元年の4月からスタートし、 当時は3%だった。 その後、97年4月に5%へ、2014年4月に8%へ引き上げられた。 そして2019年には10%へと更に引き上げられているのだ。不満は本当に、ない?
選挙に行くのが〈だるい、めんどくさい〉あなたへ
知ってた?若者世代の投票率が1%下がると、社会保障費の負担が2万7千円増える。社会保障費を受け取れる額になんと3万3千円の格差ができる。投票に行かないと一人当たり、年間およそ6万円の損をするのだ。投票をしないのは、あまりにも〈もったいない〉。
私が住んでいたドイツ・ベルリンでは、Tinder(恋愛系マッチングアプリ)のプロフィールにも〈政治〉と記入するくらい多くの人が政治の話をしていたし、政治に介入している。それは、政治が生活の一部だと認識してる人が多いからだと感じる。他人事だと思わずに、自分達の生活に密接に関係している政治に参加する、〈選挙に行く〉、結論が出なくても〈話題にする〉ことで日本の生活もより良くなっていくのではないだろうか。
最後に伝えたいのは、〈たかが一票〉なんて思わずに投票に行ってほしいこと、実際はそんなに難しくないということ、選挙に行っている、参加していることがかっこいいということ、知識があることは超魅力的(セクシー)なことに気づいてほしいこと。
ショーンのインスタグラムをフォロー。