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太陽光でコミュニケーションを、対話型デジタル・ディスプレイ『Lightbyte』

MIT Media Labで研究を行う、インタラクティブ・デザイナーのSheng-Ying Paoは、太陽光を利用した対話型ディスプレイを作る装置Lightbyteを発明した。光と影によって、絵柄やメッセージを壁面に映し出すシステムだ。

太陽光を利用した対話型デジタル・ディスプレイ

MIT Media Lab、アメリカ・マサチューセッツ工科大学内に設置された研究所。主に表現やコミュニケーションに関わるデジタル技術の研究を行っている。ここへPhD candidate(博士課程学生)として在籍する、インタラクティブ・デザイナーのSheng-Ying Pao(以下、Pao)は、新たな発明を発表した。その内容とは、自然界にあるものと、デジタル技術を結びつけたインスタレーション。太陽光でコミュニケーションをとれるという装置、対話型のデジタル・ディスプレイ「Lightbyte」だ。

『Lightbyte』は2枚の壁から構成されている。1枚の壁には、木製のパラパラと開くパネルを装備。ここへ届いた信号の通りに太陽光を通したり、遮ったりして形をつくりメッセージを作成する。そして正面に設置されたもう1つの壁には、正面のパネルから放たれるメッセージ、光と影によって形が映し出されるという仕組み。メッセージとなるパネルの動作はすべてデジタル機器・信号によるテキストメッセージやスケッチなどで反応する。下記でみれる、『Lightbyte』のデモンストレーション映像では、接続されたペンを通してスケッチを壁に投影したり、携帯電話で受信中したメールを壁に映す様子が見られる。

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これは光の模様を様々な形状に変えるだけでなく、部屋の光と影を2Dや3Dアニメーション、さらに4Dアニメーションに変える可能性すら秘めている。

LightByte: Animate the Inanimate

iFコミュニケーションデザイン賞を受賞

Paoは、『Lightbyte』をエンターテインメントや宣伝、職場のコミュニケーションに活用できると考えている。

世界で広く注目されているデザイン賞で知られる、iF Design(※1)でも、この『Lightbyte』に可能性を見いだしている。同組織が主催するオンラインエキシビションで、このインスタレーションは2014年「iFコミュニケーションデザイン賞」を受賞し、このニュースが各国で注目された。

「太陽光を使う省エネの『Lightbyte』は、ネオンサインに代わる存在となるかもしれない。少なくとも、普通のホワイトボードよりは断然おもしろい」とも語られている。

iFデザインで紹介された『Lightbyte』の記事リンクはこちらから

脚注:

(※1)iF Design:インダストリー・フォーラム・デザイン・ハノーバー(iF Design)。1953年にドイツで設立された、デザイン振興を目的とした国際的組織。同組織が毎年主催するiFデザイン賞は、世界で広く注目されている大賞の一つ。また、iFマークは高品質の証として世界中で認められてる。