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現代美術作家イ・ブルの新作『Via NegativiaⅡ』。永遠に続く迷宮について語る

今回、The Creators Projectからお伝えするのは、ソウル在住、アジアを代表する女性現代美術作家イ・ブル(※1)について。彼女は今年の5月ニューヨークの<Lehmann Maupin>ギャラリーにて4回目となる個展を開催し、新作『Via ...
11.8.14

今回The Creators Projectからお伝えするのは、アジアを代表する女性現代美術作家イ・ブル(※1)について。彼女は今年の5月ニューヨークの<Lehmann Maupin>ギャラリーにて4回目となる個展を開催し、新作『Via NegativiaⅡ』を発表した。本映像では、大規模なインスタレーションとして表現した新作について、イ・ブル本人に語ってもらった。

本作のテーマは「自己認識」だ。

「私たちは、鏡に映る自分の姿を見て、ためらいもなく自分だと認識しているけど、その意識が生まれる前は、どうだったのかしら?」

この作品を発表する際に彼女が投げかけていた疑問。ブル氏はこれまでにも建築的かつ理論的に人類の未来をイメージさせる作品を多数発表してきている。今回、より人間の本質的な部分をテーマとし、壮大なビジョンを『Via NegativiaⅡ』へと映し出している。

フランス人哲学者ジャック・ラカン(※2)は、幼児が鏡に映る自分の姿を自分だと認識するようになる段階を「ミラーステージ」と呼び、このとき幼児の中に自我が芽生え、自己と他者、主体と対象を区別するようになるのだと説明している。

ラカンが説明したような「ミラーステージ」を大人になった私たちが再び体験することは難しい。けれどこのブル氏の作品を通して、幻想とリアリティが錯乱し「自己認識」が崩れていく一瞬のゆらぎを体験することが出来るのではないか。

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ブル氏の作品を人は「観るものをどこにもない世界=ユートピアへと誘う“引力”がある」と例える。本作品の持つ引力に身を任せた先で、どんな景色を見ることが出来るのだろうか。2012年、森美術館にて「イ・ブル展:私からあなたへ、私たちだけに」を行っている。また日本に新作展示会を開いてくれることを期待したい。

Monster Black (1998-2011)

Untitled Sculpture

Untitled Sculpture

Sternbau No. 4, 2007

イ・ブル オフィシャルサイト