街を歩けば棒に当たる!
地方都市と政治ポスター
Photos by Wataru Yamamoto

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街を歩けば棒に当たる! 地方都市と政治ポスター

雨風にうたれ、苛まれ汚れ果てたとしても、力強くその主張を唱え続けるそのポスターの逞しさ。

政治ポスター。政党、政治家が目指すべき理念を、より多くの人々に訴えかけるべく古くから使用されてきたもの。都心から少し離れた郊外にロケや撮影などで出かけた際、そんなポスターがよく目に付く。今回撮影した地域では、その政党の支持者であろう家の玄関先や壁、地主であれば所有するアパートや農地、駐車場、そしてゴミ捨て場や空き家などに貼られているのが目立つ。

地方都市独特の広く澄み渡った気持ちの良い空間に配される、にっこり、もしくは決意を潜ませた凛々しい表情に力強いメッセージが加えられたポスター。あっぱっれ!と思わず唸りたくなるほどの場所と物との調和が、街を歩く楽しさを思い起こさせ、ただただ、ニヤリ、ニヤリとほくそ笑んでしまう。

また、職業柄か広告ポスターとの対比も頭の中を過る。例えばジャーニ◯ズやシュプリ◯ムなどのポスターは街に張り出せばすぐさま剥がされ、我先にと奪い合うほど人気があるものもあるというのに(わざと剥がされやすく貼っているあざといものもあるが)。などと思う一方で、やはり古き良き(悪しきかはわからないが)日本の政治ポスターの方に愛着を感じてしまったりするから面白い。たとえゴミや廃墟のなか、雨風にうたれ、苛まれ汚れ果てたとしても、力強くその主張を唱え続けるそのポスターの逞しさに、世のため人のため、あれこれ叩かれ、汚れながらも職を全うする政治家先生方のご勇姿が見事にマッチするからだ。きっとそんな政治家先生が明るくゆかいな日本を作ってくれるのだろう。頑張れ政治家先生。