このインタビューの前、ジョン・マイクル・ソー(John Mikl Thor)は、地元バンクーバーのジムでトレーニングをしていた。さすがは、ミスターカナダとミスターUSA、両タイトルを勝ち奪った元ボディービル・チャンピオンである。そして彼は、カナダが誇るヘヴィーメタル界のヒーローでもある。彼は、62歳にして、通算18枚目のアルバムとなる『Metal Avenger』をリリースした。このアルバムには、ヘンリー・ロリンズ(Henry Rollins)、TWISTED SISTERのジェイ・ジェイ・フレンチ(Jay Jay French)、 MOTÖRHEADのファースト・エディ・クラーク(Fast Eddie Clarke)、さらにD.O.A.、CHRISTIAN DEATH、PLASMATICS、DEAD BOYSのメンバー、そしてソーが1976年に結成した THOR&THE IMPSの相方フランク・ソーダ(Frank Soda)など、豪華なゲストが多数参加。超久々のツアーも控えている。
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更に波乱万丈なミュージシャン人生を追ったドキュメンタリー映画も間もなく公開だ。 その名も『I Am Thor』。監督のライアン・ワイズ(Ryan Wise)は、15年前にソーと知り合って以来、このカナダの英雄が、何度ぶちのめされても、カムバックする姿を撮り続けてきた。湯たんぽを膨らませて破裂させるという意味不明なパフォーマンスをしていた初期、ハワイのディナーショーで全裸のウェイター役をしていた70年代後半、ヘヴィーメタルB級映画が全盛期を迎えた80年代、そして引退から活動を再開した90年後半まで。ワイズは、誘拐、ノイローゼ、自殺未遂、離婚、脳梗塞などなど、痛ましいエピソードの数々を通して、ソーの半生を辿っている。そして我らが愛するマッチョマンは何度も立ち上がり這い上がってきた。「ここまできたら、もうやりきるしかない」
ドキュメンタリー映画を作ることになったきっかけを教えてください。12年間も音楽の世界を離れていた。この映画で、ミュージシャンとしての復活を賭けている。きっかけは2001年だった。妻と別れ、それまでずっと住んでいたノースカロライナ州のシャーロットからシアトルに戻ったんだが、そこで会った映像作家が俺に興味を持ってくれた。アルバム『Dogz II』リリース後のライブを観に来ていたヤツなんだけど、俺のドキュメンタリーを撮りたがった。とんでもないヤツに首を突っ込んだって、あとで知ることになる(笑)。ソーは90年代後半に復活しましたが、その理由を教えてください。やり残したことがあったんだ。確かにある程度は成功していた。イギリス・チャートで1位を取ったし、B級だけど映画にも出演したが、、ゴールした実感が無かったんだ。俺は、いつでもアンダーグラウンドな存在だった。もっとメジャーになりたかったんだ。『ベビーシッター・アドベンチャー(Adventures in Babysitting )』(1987)という映画のときもそうだった。最後の最後で、ヴィンセント・ドノフリオ(Vincent D’Onofrio)が、俺の役をかっさらった。ヤツは『フルメタル・ジャケット(Full Metal Jacket)』で、「微笑みデブ」を演じた役者だ。俺はキャンセル料を手に入れたが、メジャー映画に出られた方がよっぽど良かった。プラチナムだって欲しかったんだ。だからどうしても、もう一度トライしたかったんだ。まぁ、そのおかげで結婚生活も、ノースカロライナの家も失ったんだ(笑)。強がりに聞こえるだろうが、今は良かったと思っている。新しい映画に、新しいアルバム。興奮してるんだ。現在のあなたは楽観的で、20歳の若者のような野心をお持ちですね。どうしてそのようなマインドになったのですか?まわりは、「おいおい、もうアイツ62歳だぜ、あと何年生きられると思ってんだよ?」なんて笑ってるだろうが、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)だって74歳だ。でも、いまだに3時間ぶっ通しでライヴをやってる。彼はベジタリアンだろ?だから俺も見習おうとしているところだ。シュワルツネッガー(Arnold Schwarzenegger)だって映画に出てる。彼だって68歳だ。昔とは違って、今は年齢なんて関係ない。正しく食べて、正しくエクササイズすれば、長生きできるもんだ。今でも鍛えているんですか?実はさっきまで、ジムでトレーニングしていたところだ。走ったり、筋トレしたり、結構引き締まってきただろ。ツアーが控えているからな。鍛えておかなければ、1時間のショーは乗り切れない。3時間なんて絶対ムリだ。