レイプ加害者の許可なくして中絶できないアーカンソー州法

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レイプ加害者の許可なくして中絶できないアーカンソー州法

アーカンソー州では、妊婦の堕胎に関する州法のひとつに、女性は中絶前に性的パートナーから中絶許可を求めなくてはならない、と定めた規定がある。レイプ被害者だろうと、例外は認められずに、被害者は加害者本人と協議する必要がある。

この規定により、〈死亡した胎児〉の遺体は、すでに施行されている〈2009年最終遺体処置権利法(Final Disposition Rights Act of 2009)〉に従って処理されなければならず、中絶された胎児は、いかなる成長段階であっても、亡くなった家族として扱われなければならない。

「2009年最終遺体処置権利法は、故人が生前に自らの遺体の処置に関して具体的な指示を残さなかった場合、遺体をどのように処置するかについて定めたものです」。アメリカ自由人権協会(The American Civil Liberties Union:ACLU)が主宰する <生殖の自由プロジェクト(Reproductive Freedom Project)>副理事であるタルコット・キャンプ(Talcott Camp)は、電話インタビューでこう説明してくれた。

同法案が施行された場合、州内で中絶手術を実施しているふたつの診療所も運営停止になるかもしれないという。というのも、家庭内で死亡した胎児の遺体をどのように処置するかについて、同法案では明文化されていないからだ。中絶用の薬を服用した結果、家庭内で胎児が死亡することはよくある。「この法案には、薬品による中絶を禁止している、とも解釈できる箇所もあります」。〈リトルロック・ファミリープランニングサービス(Little Rock Family Planning Services)〉 の正看護師であるローリ・ウィリアムズ (Lori Williams) は語る。リトルロック・ファミリープランニングサービスは、現在アーカンソー州で唯一、薬による中絶と手術による中絶、双方を実施している診療所だ。

同じくリトルロック・ファミリープランニングサービス に勤めるフレデリック・ホプキンス博士 (Dr. Frederick Hopkins) は、同法案の持つ曖昧さこそが危険だと主張している。州法を遵守しなかった場合、手術する医師が罪を問われる可能性があるため、「中絶や流産の処置などができなくなる」おそれがあるという。

ACLUは、今回の法案に対して6月に訴訟を起こした。最初の聴聞会は7月18日に始まり、7月28日、アーカンソー州の連邦裁判所は、今法案の暫定的な差し止めを命じた。この決定により、訴訟が終わるまで法案は施行されない。

また、ACLUで事務局長を務めるリタ・スクラー(Rita Sklar)も以下のように続けた。