A Whole Festival attendee touches their chest, and two attendees adjust a leather harness
All photos: Dani d'Ingeo

クィア・テクノフェスティバルの楽園を収めた、歓びに満ちた写真

ホール・フェスティバルは、無秩序のミュージックレイヴ。会場こそドイツの廃墟となった採掘場だが、殺風景とは無縁のフェスだ。
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translated by Ai Nakayama
Tokyo, JP

ドイツの露天採掘場跡地は、無秩序なクィアのテクノミュージックフェス〈Whole: United Queer Festival(ホール・フェスティバル)〉の会場を探しているひとが最初に思い浮かべる場所ではないかもしれない。

5台の巨大な産業用クレーンやマシンがグレンミナー湖の穏やかな青い湖畔にそびえたつフェロポリス。この町で3日間にわたって開催される祭典に、5000人弱の参加者がグリッターやレザー、レースを身につけて集まった。主催者によると、世界最大のクィア・ダンスミュージックフェスティバルとのことだ。

パーティーは永遠

ロンドンを拠点とする写真家、ダニ・ディンジオ(Dani d’Ingeo)は、Instagramでこのフェスを知った。「ロンドンとベルリンのクィアシーンはとても結びつきが強い。だからフェロポリスを象徴するクレーンの写真が私のSNSによく出てきた。そしてその光景に心を奪われた」とダニは回想する。「絶対2020年には参加しようと決めてた。だけど(コロナとパンデミックのせいで)どうなっちゃったかはわかるよね」

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ダニはベルリンの南西に位置する会場へ2時間かけて向かった。会場にはステージが5つ。エリス・ドリュー&オクト・オクタのセットが観られ、プレイルームやクルージングエリアも用意されている。「ひとつはブルータリズムのフェティッシュクラブの内装を模してた」とダニ。「もうひとつはおばあちゃんの家みたい。ソファがあって、ランプシェードがあって、ダサい壁紙で。

ホール・フェスティバルは、予想外のことが起こることを教えてくれる。

雨宿りのために中に入ったひとたちは、ヤったり、おしゃべりしたり、踊ったり、歌ったり。いろんなことをしてるひとたちが入り乱れてた。たくさんのヤバいことを目撃したけど、他言無用!

日中、参加者たちはテントやキャンピングカー、車から出てパーティーを楽しんだり、湖畔の砂浜で日光浴や水泳を楽しんだりしていた。「ほとんどのひとが裸で、水浴びをして楽しんでた。あんなにも多くのクィアの裸体、特にトランスジェンダーの裸体を私は人生で初めて見た」とダニは語る。「すごくうれしかったし、癒された。私たちが自由でいられる世界が絶対に可能だって思えた週末だった」

以下に、ダニが撮影したホール・フェスの写真を掲載。

Two Whole Festival attendees kiss
A Whole Festival attendee on the lake
A topless Whole Festival attendee claps
A Whole Festival attendee emerges out of a tent
A Whole Festival attendee throws a hand up
Three Whole Festival attendees talk
A Whole Festival attendee takes a break on a sun lounger
Two Whole Festival attendees talk to each other
A Whole Festival attendee with an umbrella
A Whole Festival attendee adjusts someone else's boot
Two Whole Festival attendee laugh and smile
Two Whole Festival attendees climb into a bin
A Whole Festival attendee in a fur hat poses in the lake
A Whole Festival attendee in a red tank top
Whole Festival attendees dance on stage