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元カレ 元カノと友人関係を続けたがるナルシシスト サイコパス

「ナルシストは失敗、敗北を嫌います。そのため、自ら終わらせる意思のなかった関係については、関係継続のために何でもします」
Photo by BONNINSTUDIO via Stocksy

元カレ、元カノと友だちでいるなんて、どれだけおかしいんだ、と思ったことはないだろうか? 実は、ナルシシズム、不誠実、サイコパスなど、性格特性における暗い特徴の強い個人ほど、別れた恋人と関係を続ける傾向にある理由を探った研究がある。2016年、論文「Staying friends with an ex: Sex and dark personality traits predict motivations for post-relationship friendship」として発表された。

実際、元恋人と友人でいるなんて、考えられなくて当然だ。心理学専門誌『Psychology Today』でも、一度別れた恋人とは友人としても付き合わないほうがいい、と推奨されている。なぜなら「彼らは感情面でサポートしてくれないし、救いの手を差し伸べてもくれないし、信頼感も薄いし、他人の幸福に無関心」だからだという。

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上記論文の著者、米国オークランド大学(Oakland University)の研究者、ジャスティン・モギルスキ(Justin Mogilski)博士とリサ・ウェリング(Lisa Welling)博士は、被験者861名に、元恋人と関係を続ける動機をリストアップさせた。『Daily Mail』の記事によると、ふたりはさらに、暗い特徴を持つ被験者を特定するための調査も実施したという。同記事によると、「過去の研究では、暗い特徴のスコアが高い個人ほど、戦略的な理由で友人を選ぶ傾向があり、また、短期の付き合いを好むことがわかっている」そうだ。元恋人との付き合いにも、その傾向が当てはまるかを調べたのが、モギルスキ、ウェリング両博士だ。

両博士は、元恋人と関係を保っている理由を、重要度に応じて被験者にランク付けさせた。すると、元恋人のことを「頼れる、信用できる、情がある」という理由で、友人関係を保っている被験者が最も多かった。しかし、暗い特徴が強い被験者が元恋人と友人でいるのは、「実用的、性的理由」とも確認された。

ナルシシズム研究の専門家トニー・フェレッティ(Tony Ferretti)博士は、暗い特徴の強い個人、特にナルシシストが、破局後にも元恋人と関係を保とうとする理由を説明してくれた。「ナルシストは失敗、敗北を嫌います。そのため、自ら終わらせる意思のなかった関係については、関係継続のために何でもします。パートナーから拒絶されても、なかなか諦められず、傷が癒えないと、ナルシシスト特有の心の痛みを感じます」

恋愛関係は心の健康にとって重要だ、とフェレッティ博士。さらに、親密な絆には、たくさんの利点がある。「一般的に、緊密で健康的な関係を築けていれば、肉体的にも活発で、社会とのつながりも深く、長生きするし、身体的にも健康でいられます」と同博士。さらに、パートナーのいる個人は、喫煙率が低く、健康にも気を配るらしい。「パートナーと深く、親密で、健康的な関係性を築いている個人は、幸福度が高い傾向にあります」。このような長所があるとすれば、かつてのパートナーと親密な関係を続ける、もしくは、かつて共有した心的要素を取り戻したくなったとしても、不思議ではない。

しかし、フェレッティ博士によると、ナルシシストにとって、恋愛関係から生まれるメリット、終わった恋人に固執する動機は他にもある。例えば、ナルシシストは、パートナーのおかげで自らの社会的地位や身分が高まっているように感じるそうだ。自己愛の強い人間が〈トロフィー・パートナー〉を求めるのはそのためであり、それは、ナルシシストにとって、自己価値や自信の向上のためにある、とフェレッティ博士は指摘する。「ナルシシストのプライドはとてつもなく高く、自分の元恋人が誰かと付き合うなんて、受け入れられないんです」

モギルスキ博士とウェリング博士の研究結果については、フェレッティ博士も同意する。暗い性格特性の人々は、恋愛関係がもたらす実利に強い関心を持ち、「価値ある〈リソース〉を手に入れるために、元恋人との関係を続ける場合があります。また、自分が知っている元恋人の傷や弱みを悪用し、相手を操り、自らの権力や支配力を意識できます」と博士は付け加えた。