深夜に東京をドライブすると、風を切るようなスピードで視界を通り過ぎるたくさんの街灯とヘッドランプの光が混ざり合ってぼやけ、まるで夢の中にいるような、非現実的で恍惚とした世界へと連れて行かれる。
まるで幻覚を見ているようなその感覚を、ショートフィルム『Eye Know』に仕立て上げたのは、東京在住のフィルムメイカー、Hiroshi Kondo。映像のバックを彩る激しくも美しいピアノの調べは、作曲・編曲家の谷口彩子によるもの。
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冒頭で街灯とオフィスビルのショットを映した後、ハイパーラプス(※1)効果を使った流れるような映像に切り替わる。それに続き、まるで万華鏡を覗いているかのような、アブストラクトな光と音の壮大なショーが始まる。目を見張るほどの素早い速度で光が複雑な模様へと自在に変形し、花火のように弾け飛ぶ。キューブリックの『2001年宇宙の旅』の世界さながらに、宇宙を旅している気分になる。
もちろん本映像にはCGIが使われているが、もし今度、車の後部座席でうとうとしながら流れ行く高速道路の灯りを眺める機会があれば、そんな気分を味わえるだろう。幻想的な美しさという点では、映像のほうが圧倒的に上回るかも知れないが。
Images: Eye Know
(※1)ハイパーラプス:一定間隔で撮影した写真をつないで動画にした低速度撮影動画。スピード感のある効果が出る。近年とてもポピュラーになってきており、多くのデジタルカメラにもタイムラプス機能が搭載されている。