ミャンマー連邦共和国(以下:ミャンマー)は、インドシナ半島西部に位置する共和制国家。1948年、英国からビルマ連邦として独立。1989年には国名の英語表記を〈Union of Burma〉から〈Union of Myanmar〉に改め、2010年からは〈Republic of the Union of Myanmar〉を名乗り、現在に至っている。ミャンマーは、国民の大半が仏教徒であり、カレン族、カチン族、カヤー族、コーカン族、シャン族、チン族、ビルマ族、モン族、ヤカイン族、その他の多種多様な民族からなる、いわゆる〈多民族国家〉だ。そのなかでも、現在、世界が注目しているのは、ラカイン州で生活するイスラム教徒のロヒンギャにまつわる問題だ。1948年、ビルマ連邦の独立以来、ロヒンギャは、常に問題の渦中にあり、1982年には国籍を剥奪されてしまう。ミャンマー政府は、現在に至るまでロヒンギャの国籍取得認めず、市民権、選挙権も認めていない。