1948年、イスラエル国建国宣言以来、惨禍の絶えないカナンの地。パレスチナとイスラエルの諍いは一向に収まる気配もなく、日々、増え続ける死傷者の数。自陣の歴史を正当化すべく、最新鋭の兵器から石塊までもを手に、互いの憎悪をぶつけ合うなか、自らのライムとフロウで生き抜くアーティストたちがいる。彼らはマイクで銃に戦いを挑もうとしているのではない。マイクが武器に勝る殺傷能力を有するはずがないこともわかっている。ただ、生きる術としてマイクを握っただけだ。人を傷つけるためでなく、生き抜くためにマイクを握ったラッパーは、いかなる覚悟で言葉を綴るのか。聖なる地のHIP HOPとはいかなるカルチャーなのか。真相を探るべく、聖地パレスチナ、イスラエルからレポート。
原題:noisey Israel Palestina: HIP HOP IN THE HOLY LAND EPISODE 6 “THE SCENE HERE HINGES ON THE FUTURE OF THE COUNTRY” (2015)