フランスのアーティスト、
ジュリアン・メイユ
が制作したのは、大きな映像再生装置だ。映写機を通過するのはフィルムではなく、3Dプリンターで作られた85体のオブジェクト。穴を掘る男性の動きが85段階に分節されている。人形には光が当てられ、床から天井に伸びた無地のキャンバスにその影が投影されると、流れていく人形が残像を残しながらキャンバスの上で重なり合っていく。コンピューターから生まれた無機質な身体がひとまとまりのイメージとして動き出したとき、そこに粗野な人間の姿を感じることが出来る。ジュリアン・メイユは、3Dプリンターという最新テクノロジーと映像のアナログな技法を掛け合わせ、動くイメージの構造を分解して見せてくれた。