2020年上半期 世界の重大事件16選

この6ヶ月で、こんなにもたくさんの問題に直面してきたとは、にわかには信じがたい。
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translated by Ai Nakayama
Tokyo, JP
29.6.20
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Collage: VICE / Images: PETER PARKS / AFP, MARIA TAN / AFP, STR/AFP, STR / KCNA VIA KNS / AFP, ANGELA WEISS / AFP

もし2020年が曲だとしたら、前夜のディナーの湿気た残り物をトイレに流す音になるはずだ。それほどに最悪の1年であることは、大方のひとが同意してくれるだろう。しかも、これでまだ上半期がようやく終わるというのだから恐れ入る。

2020年の幕開けを飾ったのは、第三次世界大戦への絶望的なカウントダウンだった。そして今は、衰えを知らない勢いで広がる、新型コロナウイルスのパンデミックに立ち向かっている最中。さらに、1930年代の世界恐慌と比較されるほどの景気後退、そして制度的人種差別に打ち勝つための闘いが私たちの目の前に立ちはだかっている。

そんなわけで、今年の上半期に起こった重大な出来事を以下にまとめてみた。いまだに終息していない問題もあれば、はるか昔に思えることもある。この6ヶ月で、こんなにもたくさんの問題に直面してきたとは、にわかには信じがたい。

1月

オーストラリアの森林火災

2019年9月に始まったオーストラリアの森林火災は年をまたいで続き、各地に類を見ない被害を与えた。ようやく収束したのは今年3月だった。

第三次世界大戦のカウントダウン

1月3日、イラン革命防衛隊のカセム・ソレイマニ司令官が米空軍の無人機攻撃により殺害され、イラン政府は米軍への報復を約束。第三次世界大戦の始まりを誰もが覚悟した。政治評論家たちは第三次世界大戦がどんな様相を呈するか予測し、インターネット上にはニヒリスティックなミームが溢れた。

ヘンリー王子とメーガン妃の王室離脱

1月8日、英国のヘンリー王子とメーガン妃が王室を離脱する意向を発表。経済的に自立したい、というふたりの計画について、ネチズンたちは〈#royalcrisis〉というタグを使ってイジりたおし、大きな盛り上がりをみせた。

フィリピン・タール火山の噴火

1月12日、フィリピン、ルソン島のマニラ首都圏の南に位置する湖に浮かぶタール火山が噴火。マニラや近郊の地域には火山灰が降り注ぎ、車や道路がすっかり覆われた。火山のそばの町の住民たちは噴火時に避難したが、数週間後に帰宅したときには故郷はすっかり荒廃していた。

新型コロナウイルスの流行

2019年12月に初めて新型コロナウイルスが報告された中国の武漢が、この未知のウイルスのパンデミックの発祥地となった。当初は中国での感染に限られていたが、1月に入ると感染は急速に拡大。世界中で感染が確認され、特にイタリアや韓国をはじめとする国々で多くの被害を出した。

3月には世界保健機関(WHO)がCOVID-19の流行について「パンデミック(世界的大流行)」とする認識を示し、多くの国々がロックダウン(都市封鎖)措置に踏み切った。6月も終わろうとする現在でも、多くの国々でコロナウイルスとの戦いが続いている。

コービー・ブライアント死去

現地時間の1月26日、元ロサンゼルス・レイカーズのスター選手、コービー・ブライアントが、乗っていたヘリコプターの墜落で、13歳の娘、ジアナを含む7名の乗員乗客と共に死亡した。この悲劇は世界中のひとびとに衝撃を与えた。SNSでは、著名人やファンたちが、バスケットボール界のレジェンドの早すぎる死を悼んだ。

英国のEU離脱

長らく続いていた交渉、そして様々なドラマののち、1月31日、ついに英国は正式にEUを離脱した。しかし、この先もさらなる交渉が待ち受けている。

2月

『パラサイト』の歴史に残る快挙

2020年は悲しいことばかりじゃない。ポン・ジュノ監督の『パラサイト』は、アカデミー賞作品賞を獲得した、史上初の外国語映画として名を残した。その他、国際長編映画賞、脚本賞、監督賞も受賞している。

インド市民権改正法をめぐる暴動

2019年12月に法案が議会を通過したインド市民権改正法(CAA)は、一部の近隣諸国からインドに入国した移民がインド市民権を取得しやすくするものだが、その対象からイスラム教徒が除外されており、反イスラム的だとして抗議の声が強まった。

2月22〜27日、デリー北東部で、CAAに対する抗議運動が賛成派と反対派の衝突へと発展。ムスリムの居住地域で対立が激化して暴動となり、少なくとも53人が死亡した。

3月

東京オリンピック延期

3月下旬、今夏のオリンピックの延期が正式発表された。今年のオリンピックは7月に東京で開催される予定だったが、新型コロナウイルスの感染の影響が懸念されるために延期となった。内閣総理大臣の安倍晋三は、オリンピック・パラリンピックは2021年夏に開催予定と発表したが、専門家は来夏の開催も危ぶんでいる。

『タイガーキング: ブリーダーは虎より強者?!』の人気沸騰

自己隔離が始まった今年3月、配信開始されたばかりNetflixのドキュメンタリーシリーズ、『タイガーキング: ブリーダーは虎より強者?!』が爆発的人気を記録。胡散臭さ満点のトラ愛好家、ジョー・エキゾチックを主人公に据えた本作は実にブッとんでおり、登場人物の分析や後日談(内容的にはガッカリだったが)、さらに数え切れないほどのミームなど、様々なコンテンツを生んだ。

4月

米国防総省がUFOの映像を公開

4月27日、米海軍の航空機が撮影したおそらく世界でもっとも知られているUFO映像3本を、米国防総省が公開した。これにより、〈未知との遭遇〉が確かにあったことが判明した。映像は以前、『New York Times』とBLINK-182の元シンガー、トム・デロングのUFO調査グループ〈To the Stars Academy〉により公開されていた。ただ、今年はあまりに大きなニュースが多かったため、この話題は比較的注目を浴びないまま終わった感もある。

金正恩死亡説

今年4月、北朝鮮の最高指導者金正恩が心臓手術を受けたと報道されると、死亡説が一気に広がった。真偽のほどがわからないまま、様々な憶測や後継者の噂、ふざけたミームが出回ったが、その20日後、肥料工場に現れた彼の姿が確認され、噂は沈静化した。

5月

ジョージ・フロイド殺害の抗議デモ、Black Lives Matter運動

5月25日、ミネアポリスで46歳の黒人、ジョージ・フロイドが、白人警察に首を膝で8分46秒ものあいだ圧迫されて死亡した。彼の死後、米国内だけでなく、世界各地で差別や警察の暴力に抗議するデモが行われた。

SNSもアクティビズムの表現の場となった。連帯を謳っておきながら、ただのパフォーマンスと化している活動もあるのは確かだが、価値あるコンテンツや、興味をかきたてるような行動の指針、そして重要な抗議運動を記録した映像など、意義深いものもある。

6月

香港国家安全維持法案

6月20日、香港に対する中央政府の政治介入を強めるおそれのある香港国家安全維持法の内容が、全国人民代表大会(全人代)の常務委員会で明らかになった。これと合わせて、中国国家への侮辱行為を違法とする国歌条例の成立や、毎年6月4日に行われている天安門事件追悼集会の禁止など、香港人の政治的自由を侵害するような動きが進んでいるが、天安門事件追悼集会は社会的距離を保ち安全に留意した上で執り行われた。

フィリピンの反テロ法

6月、フィリピン議会で反テロ法が可決された。政権を批判した人物を政府がテロリスト扱いすることが可能になる法律だ。フィリピンでは他にも言論の自由、報道の自由を制限するような動きが加速している。たとえば5月には、フィリピン最大手テレビ局のABS-CBNが政権批判をして放送停止命令を受けたり、その数週間後には、著名なジャーナリストのマリア・レッサが名誉毀損の罪で逮捕されている。その決定には、政治的な思惑が絡んでいるとみられている。

反テロ法に抗議するため、フィリピンの活動家たちは〈パーティー〉を開いたり、パワフルな画像やアートワークなどを駆使して、SNS上で自らのメッセージを拡散している。

This article originally appeared on VICE ASIA.