ポルノ俳優の佐川銀次(左)と樹花凛。東京のスタジオの撮影現場にて。PHOTO: YOSHIKAZU TSUNO/AFP VIA GETTY IMAGES
しかしポルノ業界の関係者の一部は、救済策を維持しても機能しないのだから無意味だと語る。2004年、18歳の頃にポルノ業界でデビューした宮咲志帆は、アダルトモデルのマネジメント会社と契約を結んださい、親の署名は一度も求められなかったと言う。「親の同意について徹底していないのは、企業がすべての契約書に目を通すわけではないからだと思います」と彼女はVICE World Newsの取材に語った。当時高校生でアルバイトを探していた彼女は、業界の神秘性と、1本の作品出演で4000〜2万4000ドル(約50〜300万円)というギャラの高さに惹かれてポルノ業界へ飛び込んだ。彼女の両親はその1年後、娘の寝室でポルノの台本を見つけてはじめてその事実を知った。両親は辞めるよう言ったが、彼女はその後4年間業界で働き続け、引退するまで約300本の作品に出演した。現在会社員として働く彼女は、当時のキャリア選択には何の後悔もないと語る。「安全な環境で、すてきなセックスをする方法を学べました。それに、過去の経験があるからこそ今の自分がいるんです」また、日本のポルノ業界で働くひとびとは、業界の規制が近年かなり強化されてきたと主張する。
2016年、業界での人権侵害に関する調査報告書が発表されたことをきっかけに規制強化への圧力が高まるなか、ポルノ制作会社はポルノ俳優の労働環境を改善するための共通契約書を広く採用している、とVICE World Newsに説明してくれたのは、アダルトタレントマネージャーとして働く、鈴木と名乗る40代前半の男性だ(彼は自らの仕事について家族に知られたくないという理由で、偽名の使用を希望した)