スクリーン上でミイラと触れ合う
棺桶からミイラを取り出し、自在に回転させて、ミイラの内蔵も見ることができる。スウェーデン・ストックホルムのMedelhavsmuseet(地中海・近東古美術博物館)の常設展では、そんな夢のような体験ができる。もちろん実際にミイラに触れるのではなく、タッチスクリーンの上でだが、これまでのミイラの展示を覆す展示方法には違いない。
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この斬新な展示のために、Medelhavsmuseetは8体のミイラを病院へ送り、スウェーデンのインタラクティブ研究所と共同で、コンピュータ断層撮影(CT)や写真測定を行った。棺や遺体の平面写真を様々な角度から撮影し、それらのデータをオートデスク(※1)のRecap Photo(※2)を利用して、3Dデータを作ったのである。
自在にミイラを動かせる
来場者がミイラのタッチスクリーンに触れると、棺桶を開け、中のミイラに触れることができる。棺桶やミイラは自由な角度に動かすことができ、ミイラの内蔵の情報もわかる仕組みだ。
同博物館のキュレーター、ソフィア・ヘッグマン氏はイギリスBBCのインタビューで「皆さんが直接感じられるような情報をお届けしたかったのです。この展示では、文字通りご自身の手で、ミイラのベールをはがすことができます」と語っている。
ベールをはがした、いわば素顔のミイラに対面してみたら、ミイラをより身近に感じられそうだ。ただ眺めるだけの展示方法に比べて、より興味が沸くことだろう。
脚注:
(※1)オートデスク:CADソフトを開発している会社。本社はアメリカ。
(※2)Recap Photo:オートデスクが発売するソフトの一つ。複数の角度から撮影した写真データを元に、3Dデータを作る。