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プロジェクション・マッピングとロボットを融合させた映像作品『Box』の制作背景を知る

制作プロダクションBot&Dollyによる映像作品『Box』。ロボットアームを使ってプロジェクション・マッピングを試みた制作ドキュメンタリー映像も掲載。
15.5.14

Bot&Dollyによる前代未聞の試み、映像作品『Box』

今回、2013 年の秋にサンフランシスコのクリエイティブ・エンジニアリングプロダクションBot&Dollyが公開した映像作品『Box』は、前代未聞の試みだった。ロボットを使って、動くキャンバスへのプロジェクション・マッピングを行ったのだ。上記、映像作品の『Box』では、冒頭でパフォーマーがグラフィック技術のモーフィング・セット(※1)に触れることにより平面状のパネルが直方体へと変化する。そして変形、浮遊、交差、瞬間移動などの様々なテーマに合わせてビジュアル効果が繰り広げられる。マッピング技術とロボットアームが同期する精度の高さにより、まるでCGアニメーション効果ともみてとれる美しいグラフィックの世界が収められている。映像の最後には、全ての錯覚の裏にロボット機構が潜んでいたことも明らかにされている

ロボットによるプロジェクション・マッピング

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上記の映像で見てのとおり、この技術はBot&Dollyの最先端モーションコントロールカメラ・ロボットIrisとScoutを使用することにより、ロボットアームのミリ単位での正確な操作を可能にしている。同チームは、通常、自動車メーカーが製造に使うロボットを初めてプロジェクション・マッピングに使用。加えて、3Dシステム「Maya」にインターフェース接続させるソフトウェアを開発した。オートメーション、ロボット工学、そして映画製作に特化するBot&Dollyの技術により、ロボット工学がクリエイターの手に直に委ねられることとなったのだ。

カメラ動作の制御、ライト起動、そして絶え間なく繰り返される動作による仕掛けの変形のためにデザインされた精度の高い技術により、バーチャルとフィジカルの融合と、CGの各要素のリアルタイムでの調和が可能になった。このような運動制御における技術の進歩は映像に限らず、ライブパフォーマンス、実験的インスタレーション、建築にも応用することができる。

『Box』は、大型ロボット工学、プロジェクション・マッピング、ソフトウェア・エンジニアリングなどの、マルチ・テクノロジーの総合体において頂点といえるプロジェクトだ。Bot&Dollyの技術は、6軸産業ロボット(※2)の革新的な制御をもたらす、ソフトウェアとハードウェアの統合プラットフォームである。

The Creators  Projectによって制作されたドキュメンタリー映像では、この大プロジェクトが完成されるまでの制作背景が収録されている。Bot&Dolly制作スタッフのインタビューとともに興味深い制作プロセスを知ることができる基調な映像だ。

Box by Bot & Dolly | Behind the Scenes

(下)プロジェクション・マッピングを使用し、何でもないただの白いキャンバスが直方体へと変化する。

音楽提供Keith Ruggiero

脚注:

(※1)モーフィング:ある画像を別の画像に滑らかに変化させるグラフィック処理技術。たとえば、人間の姿を動物に変化させるなど。

(※2)6軸産業ロボット: 現在主流となっている、6軸(6つの関節)の腕構造を持つ産業用ロボット。