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明らかに海賊版とわかるDVDが店頭に並ぶ、ペルーの首都・リマ。ここでは世界で最も遅いとされるインターネット回線が原因で、正規版映画のダウンロードが困難なことから、違法コピーによるDVDが幅を利かせている。リマで最も有名な海賊版製造・販売業者の男によると、海賊版を求めて来店するお客は映画業界人も多く、外国からもやって来るという。正規版にアクセスできない国もあるのだ。海賊版といえども、映像はハイクオリティで、スペイン語の字幕付き。そうでないと、顧客は満足しないからだ。
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警察は、こうした業者を以前は取り締まっていたが、近年では緩くなっている。海賊版マーケットがあまりにも拡大したからではないか、というのが業者の見方だ。「知識は一部のエリートだけのものではない。シェアすることで広がっていく。自分は文化のプロモーターであり、知識を民主化するのさ」と、海賊版ディーラーは語る。当然ながら、彼らの行為は著作権の侵害に当たる。しかし、正規化への道を探れば、巨大なマーケットにもなり得る。著作権保護と潜在的マーケットをどうつなげられるのか。これはペルーだけの問題ではない。日本でも違法ダウンロードについては、たびたび話題に上る。
違法がまかり通れば、制作サイドにお金は落ちない。すると作品も撮れなくなってしまう。「文化のシェア」は、いずれ文化そのものを消してしまうことにつながってしまうのではないか。確かに、人間の知識への枯渇は止められない。だからこそ、ペルーのような貧しい国での、著作権保護のあり方が必要とされていると思う。