ネズミを焼死させる農家の動画がTikTokで話題に

オーストラリアでは現在、史上類を見ないほどに大量のネズミが発生し、甚大な被害をもたらしている。そんななか、農家の男性が考案した容赦ないネズミ駆除法がTikTokでバズっている。
AN
translated by Ai Nakayama
Tokyo, JP
16.6.21
mice
「過去に全く例がない」と評されるネズミの大量発生により、深刻なダメージを受けている地域がある。PHOTO BY JOHN DOWNER, VIA GETTY IMAGES

最近TikTokで、生きたネズミたちが穀物用コンベヤーで運ばれ、燃え盛るドラム缶のなかへ落ちていく動画がバズった。オーストラリアでは現在、まるで聖書のなかかと思うほどにネズミが大量発生し、甚大な被害をもたらしている。

大量のネズミはこの2ヶ月、ニューサウスウェールズ州の農村地域を襲うだけにとどまらず、町にも殺到。農業機械や施設、農作物にダメージを与え、その損失総額は甚大だ。今回のネズミの大量発生は、州政府が「過去に全く例がない」と述べるほどの規模となり、状況は悪化するばかり。これまで、ネズミの共食いや貯水槽の汚染、さらに、淡水魚の腹のなかからネズミが見つかる事例などが報告されている。

Advertisement

また、ネズミが電線を切ったことにより火事になり家が全焼した、と訴える家族もいる。今年5月には、州政府農業大臣が「異常発生しているネズミの数を春までに大幅に減らさなければ、ニューサウスウェールズの農業地帯や地方では、究極の経済的、社会的危機に直面することになる」と述べた。

農家もネズミの駆除、退治にあらゆる手段を講じ、ネズミとの全面戦争が勃発している。バケツに水を張り、溺死させる方法をとっている者もいれば、国内で使用が許可されていない猛毒のブロマジオロンを使った者もいる。しかし今回使用されたブロマジオロンはすでに他の動物種にも悪影響を与え、数十匹の在来鳥の死亡が確認されている。そんななかTikTokに投稿されたのが、とある農家の男性による、穀物用コンベヤーを使用してネズミを生きたまま焼き殺す動画だ。

VICE World Newsの記事内ではリンクを貼っていないが、動画では、収穫した穀物をトラックや貯蔵庫に入れるために使用されるコンベヤーの終点の下に、炎を上げるドラム缶が置かれており、コンベヤーの終点からパラパラと火のなかに落ちていくネズミの姿が映っている。ドラム缶をよじ登り炎から逃れるネズミもいるが、多くはそのまま焼け死んでいるもようだ。

本記事の執筆時点で、この動画のTikTokでの再生回数は600万回を突破し、1万1800ものコメントがついている。驚くことに、その大半が賛同の意を示し、さらに、動画をアップした男性の容赦ない方策を讃えるものもある。

「農家のみなさん頑張れ」、「もっと大規模にしてもいいかも」などというコメントに加え、多くのユーザーが逃亡するネズミの多さについてのジョークを書き込んでいる。「残酷に思えるけど、ネズミの大量発生は間違いなくこちらの生死に関わる。ネズミは農家が育てた農作物や家屋も破壊する。止めるにはどんな手でも使わないと」というコメントもあった。

もちろん批判もある。「私もネズミは嫌いだけど、これはさすがにひどい」というコメントには、アップロードした本人が「ひどいのはそっち」と返信している。「じゃあワナは〈人道的〉か? ゆっくり時間をかけて死んでいくのが? 溺死させるのはどう??? 人道的なネズミの駆除方法を教えてくれたら、それを試すよ」

ニューサウスウェールズを代表する農協組合〈NSW Farmers〉によれば、ネズミの大量発生で被害を受けた冬小麦、大麦、菜種は、総額10億ドル(約847億円)分にも及ぶ見通しとのこと。未曾有の干ばつ、森林火災、洪水、そして現在進行中の新型コロナウイルスのパンデミックなど、数々の大災害に襲われてきた同州が乗り切らなくてはならない、新たな難局だ。

ギャビン・バトラーのTwitterはこちら