Image: Sian Bradley
幼い頃、日曜のディナーで祖母に口酸っぱく警告されただろう。「歳をとると時が経つのが早い」。これは真実だ。ちょっと前まで2014年で、ニッキー・ミナージュの「Anaconda」のMVが公開されたばかりだった。私だってマンチェスターのカナル・ストリートに出かける前にボトル1本のワインを空にすることもできた。なのにちょっとまばたきをしているあいだに30歳になろうとしている。マイクロブレーディングをした眉毛を見つめては後悔している。眉毛をブリーチできたらもっと若く、イケてる感じに見えるはずなのに。しかしシェールではないが、もし私が時を戻せるとしても絶対しない。その理由は、自分の血管に常に大量のMDMAが流れることにもう耐えられないからではなく、年齢を重ねるごとにセックスがどんどん良くなるからだ。アラサーになれば、自分が何を求めているかがわかるようになるし、それを求めることを恐れないようになる。もしかしたら「30歳になる前に知っておきたい、セックスにまつわるリスト」なんて必要ないひともいるかもしれないけど、必要な人がいるかもしれないし、それはおかしなことじゃない。だから私がこの記事を書いているというわけ。この私(極上のオッパイをもつ20代金髪美女)がセックスについてのアドバイスを授けるにふさわしい理由は、もちろん経験人数もあるけどそれだけじゃない。私は人生の半分を費やし、フェチやセックスの実践方法、アナルセックスやアナル舐め、手マンまで、さまざまな記事を執筆してきた。その知識を1本のわかりやすいリストにまとめたのがこれだ。そんなわけで、30歳になる前に知っておきたい、セックスにまつわる30のアドバイスをご紹介する。恋人がいても、結婚していても、最後に誰かとセックス、あるいはキスしたのはいつだったか覚えていなくても、これは当然果たすべき責任だし、リストのいちばん上に来るべき非常に重要な項目だ。性病検査を定期的に受ける必要なんてないと考えているひとは驚くほど大勢いる。性病検査は難しくない。天井が抜け落ち、強烈な電灯の光に照らされ、性病をほっといた場合のグロ写真が掲載されたけばけばしい色のポスターが貼られた場末のクリニックで、チューブにおしっこを入れなさいと看護師さんに指示される、みたいな時代ではない。HIVを含む性病検査が郵送でできてしまうし、その治療用の薬も家に届く。すばらしい時代だ。新しいパートナーがベッドで何をするのが好きかを探るうえで難しいのは、パートナー自身、自分が何を好きなのかをわかっていない場合だ。特殊なフェチとか、創作したシナリオに沿いたいとかそういう複雑な話だけじゃなく、クンニのときは同時に指をナカに入れてほしいと思っている、という情報を提供できることも大切。情報には力がある。しかも、自分の好きなことを理解していて、それをはっきりと伝えられるひとは魅力的だ。今や、普通から少し外れた性癖や嗜好がないこと自体がフェチだといえる。古き良き〈出し入れ〉こそを至高とする成人向けノームコアとも呼べるかも。私が思うアラサーの素晴らしい点は、他人のことが気にならなくなること。昔のルームメートが赤ちゃんになりたいアダルトベイビーだった? 最高だね。一緒に通学していた友達のFacebookのプロフィール写真が、ベルトをふるうジョーカーになった? 私なんてこの広いインターネットの世界でもっとおぞましいものを見てきたよ。というわけで、あなたも内なる変態を大切にしてほしい。大切にしない理由はない。週1で正常位をするのが好きなら、そのフェチをオープンにしていこう。10代の私は、フィストファックをするときは穴をガシガシ拳で突けばいいと思っていた(もちろんそれを愛するひともいるよね、わかる)。でも、指を1本ずつゆっくりと増やしていって、ヴァギナにイタリアン流のハンドジェスチャーで入れるほうが、全部の指を一気に入れるよりも気持ちいい。その理由は、往々にして前戯のほうが挿入よりも良い(これについてはのちほど詳述)ということもあるけど、セックスの準備におけるケアと心配りは、それだけで充足感を与えるから。結局、前戯がすべてだ。アナルに関しても同じ。指や舌で入念に準備をしてから挿入すればいっそうエロいし、充実したフィニッシュを迎えることができる。これは論争を呼ぶかもしれないけど、あえて言いたい。誰かとの初めてのセックスは、そのひととの最高のセックスにはなりえない。なぜならベロンベロンに酔っ払っているかもしれないし、とんでもなく緊張しているかもしれないし、あるいは相手のことをよく知らないからかもしれない(リスト2番を参照のこと)。つまり伝えたいのは、1回ヤっただけで好きな相手を切らないように、ってこと。切るなら2回めのセックスのあとで。クリトリスの位置を知っているだけの男子じゃダメ。クリに舌で何をすべきかを知っていないと。クリを舐められるのが好きなひともいれば、吸われるのが好きなひともいる。どちらもマスターしておくこと。そしてくれぐれも、立派なアラサーにもなってアソコに舌で文字を書くようなプレイをしないように。『Love Island』のチャレンジじゃないんだから。これは次のアドバイスにも関連する。YouTubeではイカれた男や女たちが〈誰でも毎回パートナーをイカせることができる方法〉なんてのを披露しているけど、単調なルーティンは a) パートナーとの関係性を壊すし、b) 半数の相手には効果がない。たとえクタクタだとしても、行為で身体のなかのすべての水分を使ったんじゃないかと思っても、クッサイ男子たちが暮らすリビングを通ってこんな激ヤバトイレ見たことないってくらいの激ヤバ共同トイレに行かなきゃいけないとしても、オシッコは絶対にすること。尿路感染症になれば、即ハメしたあと即オシッコしなかったことを100%後悔する。あなたがアラサーで、アナルセックスの経験がなくても別に構わない。それぞれの好みがあるし、私があれこれ言う権利はない。とはいえ、もし体験したことがないなら後ろの扉を閉ざしきってしまうのももったいない。まだこのスキルを習得していないあなたの良き友になってくれるのは、良質なローションと根気だ。ペニスやディルドを下準備なくあなたの穴に入れようとする人間は出禁で。私の元恋人はアナルの開発をプレステ1から4へ乗り換えることにたとえていて(当時まだ5は出ていなかった)、それが強烈な記憶として残っている。つまり、身体が与えてくれるすべてを受け入れていこう、ってこと。もう口のなかにあるんだから、舌の上にあるものを手近なゴミ箱に吐き出す手間をかける必要はない。その〈ゴミ箱〉が他のひとの口じゃなければ、の話だけど(と、トム・ワムズガンズ(『メディア王 〜華麗なる一族〜』)を見る)。13歳のとき、放課後に観ていた『フレンズ』の再放送で、モニカが「7番」と喘いでいたのを覚えてない? 「1、2、3番以外に存在」する「性感帯」ってどこだろう、って気になったんじゃない? 大丈夫、私も覚えてない。だけど今は、太ももが最高の性感帯になることを知っている。耳でも首でもどこでもそう。アラサーにもなって、性器にばかり注力する必要はない。これ以上の説明は要らない? レズビアンならご存じだと思うのでここは飛ばしてもいいけど、もしあなたがシスヘテロの男性なら、マジでお願いだから手マンでイカせるテクニックを習得してほしい。アラサーのセックスに恥じらいは不要。なぜならセックスをしているということは、相手はあなたとヤりたいと思っているということだし、つまり、あなたのことをエロいと思っているということだから。10代のヘテロたちはローションは意味ないと思ってるけど、それは完全なる間違い。いくつかの行為においてはローションが不可欠だし、世の中には多様なニーズに合わせた各種ローションが揃っている。シリコンローションはかなりヌルヌルになるので特にアナルに向いているけど、コンドームおよび/またはセックストイを使うときには避けるべき。ウォーターベースのローションは膣内のpHバランスを崩さないし、シリコン製のオモチャを変質させない点ですばらしい。CBDローションは行為の質を高める。あと、使ったことがあるひとなら知ってると思うけど、温感ローションはスースーするボディソープを間違えて性器に塗っちゃったときを再現してくれるのでマゾに最適。寝室の必需品といえば、30歳になるまでに絶対に揃えておくべきなのがセックストイ。エイリアンの卵を産むディルドみたいな、奇抜なものを買う必要はない。ナカに入れる用をひとつ、外に使う用をひとつ、そして自分自身のフェチに合致するものをひとつ。それが鉄則だ。たとえば、私のオモチャ箱に必ず入っているのはディルドにプレジャーワンド、そしてアナル用のデバイス。これは女子やゲイに限ったアドバイスじゃない。ヘテロの男性がワンナイトのときにバイブを取り出してくれたら最高にエッチだ。20代のうちに投資しよう。これは人生全般に当てはまるアドバイスだけど、セックスでは特にそう。もちろん、誰かにオシッコをかけられて大興奮した、という話を親友にするのは構わない。もしその子が秘密を漏らしたとしてもあなたもその子の秘密を充分すぎるほど握っているから、セックスにまつわるゴシップを話してもいいと信用できる。でも、午前4時のアフターパーティーなんかで、誰々とのセックスどうだった?と聞かれても、プレイの詳細を明かすのは最小限にとどめよう。もう16歳じゃない。敬意を得たいなら敬意を払わないと。私と元カノがそれぞれヌード写真を売るビジネスをしていたとき、私たちはお互いのそっくりすぎるオッパイの写真を共有して知らないひとに売っていた。それが可能だったのは、ヌード写真の配布にまつわる黄金律ともいえる絶対的なルールを守っていたから。それは、個人を特定できる特徴を一切映さないこと。これによりリベンジポルノの不安におびえることなく暮らせるし、のちに否定する必要が出たときも大丈夫。私たちはみんないい大人だ。もしこれが受け入れられないなら、適切なリサーチを済ますまで君のPCは没収。あなたはパトリック・ベイトマンじゃない。これは皮肉的な、フェムセル(※インセルの女性版)的な意味で言っているんじゃない。いくつかのロマコメも指摘しているけど、友だちとヤッて情を動かさないでいることは容易じゃないのだ。映画的な誇張表現だろと思うかもしれないけど、午前2時にクラブの女子トイレにいたことがあるひとならわかるはず。そこでは絶対に誰かがセフレにぞんざいに扱われて泣いている。感情を伴わないセックスをしているふりをすることは、あなた自身とあなたのパートナー(たち)を傷つけることにしかならない。それに、セックスで心が動くことは悪いことでも、あるいはロマンティックなことでもない。ただ自分自身で気づかなきゃいけないことってだけ。潮吹きは放尿なのかという議論は、長いこと釣り記事やポッドキャスト、飲み会でのネタとして大量発生していた。この問いに対する、大人としての見識ある答えは「潮がオシッコでもよくない?」に尽きる。いずれにせよ最高にエッチだし、すばらしい気分になる。全員が全員デカチンの持ち主じゃない。それは全員が全員チン●の持ち主じゃないから、ではなく、もしすべてのチン●がデカければそれが全国的な平均となり、悩む人間はいなくなるからだ。でもペニスの持ち主は、結局平均的なサイズのほうがいいことのほうが多いと知らないまま、自分のペニスのサイズを気にして生きている。ヤる度に真っ二つになることを望むひとなどいないし、しかも巨根の持ち主の多くは、ベッドでうまくやる方法を学ぶことではなく、巨根と言われた事実にばかり頼りきっている。穴も心も丁寧に埋めてくれる平均的な男根所有者のほうが、絶対に支持される。まあとりあえずリラックスしよう。楽しもう。マン屁に笑おう。肩にオッパイを乗せてみよう。たった5分前には『プラネットアース』を観ながらピザを食べていたのに、今は素っ裸になり性器をこすり合っているって滑稽じゃない?手マン同様、自慰もあまりに過小評価されている。恋人がいたとしても、ひとりで楽しむ時間はもうけるべき。別の性欲をあなたに向けてくるパートナーとうまくやる上でも役立つし、単純に最高だ。自分の好きなときに(常識の範囲内で)、自分をイカせることができる力をもっていることを知るだけで、この上ないエンパワーメントになる。昔は「赤ちゃん用お尻拭きを常備しよう」だったんだけど、世界は文字どおり火の車で、使い捨てのものを宣伝することが認められなくなっているんですよね、残念ながら。でもこれは真実。行為中何かあったときのために、拭く用の何かを常に手の届く場所に置いておこう。ちなみに常に同じタオルを使うこと。誰かがうっかりザーメンのついたタオルを使ってしまって、汚された気分になるのを防いであげよう。同意できない? だとしたら前戯が下手なのかも。異性愛規範的なセックスの描写においては往々にして、セックス=ちょっと準備をして男が女の中に入り、奇跡のように同時にイク、みたいな感じで描かれる。もちろんそれでイク人間なんていない、と言うつもりもないけど、女の子のオッパイを15分間弄び続けるという濃厚でゴージャスな時間を経てから約束の地へ踏みだすほうが、間違いなくもっと興奮する。かつて私はパートナーたちに、挿入の前に少なくとも1回は私をイかせること、という契約を取り付けたことがある。これにより、性行為において前戯に適切な敬意を示すことができるというわけ。最高のセックス体験談は何らかのかたちでウンコ絡みだし、ウンコ絡みのセックス体験談は最高に笑える。笑えないにしろ泣ける。でも真面目な話、もしアナルセックスをするのなら、どこかで文字どおりのクソを見る羽目になるっていう極めて現実的な可能性を覚悟しておくべき。ほら、もうアラサーなんだから。ちょっとのクソくらい何? 恋人でしょ。パリにいるからカタツムリを食べてみよう、と思って実際に挑戦したことがあるなら、ペギングにも挑戦できるよね? やってみれば全然気持ちよくなくて、未来に発生する誘いを断る正当な理由が見つかるかもしれないし、あるいは最高のシナリオとして、これから先のセックスライフをレベルアップさせてしまう、一生の楽しみが見つかるかもしれない。ディルドに付いてるタマにはちゃんと意味があるの知ってた? あなたのナカのどこかに竿が引っかかっちゃって、TikTokのストーリータイムのトピックになって再生回数が爆上がり、恥ずかしい思いをするのを防ぐためだ。お尻につっこむときは、底が広がっているものにしよう。ちゃんと警告したからね。リストも終わりに近づいてきたので真面目な話を。同意は恥ずかしいことじゃない、必要なことだ。さまざまな性行為を通して、自分が今していることが求められているか、相手を楽しませているか、相手が同意しているかを常にチェックすること。アラサーにもなれば、パートナーが同意の上でふたりの行為に参加しているかは一目瞭然だと思うけど、もし100%確実じゃなければ絶対に訊いたほうがいい。さて、次が最後。もしママのリビングで最終回まで欠かさず見ていた、中年女性の登場人物が「セックスは40歳からどんどん良くなる」と高らかに宣言するChannel 4のドラマの本数分の金額をもらえるなら、今私は物価高騰の心配なんかせずに済んでたと思う。シングルのときは、元カレのTwitterをスクロールしながらそんなことを考えて自分を慰めていた。いくら彼のクンニが最高だったといえど、この世界のどこかに彼を凌駕するクンニマスターがいるはず。アラサーのあなたは、彼らとこれから出会うのかもしれない。というわけで以上。すでに実践してること、および/または賛成できることは、ショットを飲み干すごとくひとつひとつ試してみてほしい。全部飲み干してぐでんぐでんになれば、あなたはセックス界のトップに君臨できる。飲めないひとは、とにかく自分の直感を信じてみることが大切だ。@GINATONIC
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1) 定期的に性病検査を受けよう
2) 自分が好きなことを知ろう
3) 誰もが変態。恥ずかしさは捨てよう
4) 準備がすべて
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5) 初めての相手とのセックスは良くなくて当然
6) クリを舐めるか、あるいは吸うか
7) 身体も嗜好も十人十色だし、それは時間が経てば変化する可能性もある
8) セックスのあとはオシッコをしよう、毎回欠かさずに!
9) アナルは必ずしも敵じゃない
10) (健全な)精液はゴックンしても大丈夫
11) 身体の隅々まで使おう
12) 手マンは過小評価されている
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13) セックスしている相手は、あなたをエロいと思っている
14) ローションは友達
15) セックストイは少なくとも3つもっておくべき
16) うわさ話はしないこと
17) ヌード写真には顔や特徴を映さないように
18) セックスワークは仕事
19) 感情が伴うのは当たり前
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20) 潮=オシッコでもよくない?
21) 普通サイズのペニスで全然いい
22) 笑おう
23) オナニーは定期的に
24) タオルを常備しよう
25) 前戯は挿入に勝る
26) ウンコだって出る
27) 何事も一度は試してみよう
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