中絶禁止法案に反対するポーランド女性たちの肖像

ポーランドでは、2016年10月3日の月曜日が〈ブラックマンデー〉と呼ばれるようになった。ポーランド全土の女性たちが、各地でストライキを決行し、新たに提出された中絶禁止法案に反対した。この法案が可決されると、ポーランドにおける中絶は違法となり、中絶手術を受けた女性と施術した医師は、最高で禁固5年が課せられる。

数週間にわたり、ポーランド全土でデモが行われているが、この国の女性たちは、先日、さらに一歩を踏み出した。仕事や学校を休み、黒い服を身にまとい、団結して、自分の体を望みどおりに扱う権利を要求したのだ。ストライキに参加する動機について、数人の女性に話を聞いた。

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ヨアンナ「ストライキに参加するのは、私は女性であり、女性の尊厳が踏みにじられているからです。基本的人権が約束された自由な国に住んでいる、と信じていました。今回提出された中絶禁止法案は、女性、愛する人々を屈辱的な立場へと追い込みます。命の危険にさらされる恐れもあります。それら、すべては政治的なゲームであり、カトリックの偽善的な道徳心のせいです」
アリツィア「ポーランドでは、もう安心して暮らせません。私は大人になってから、自由主義のデンマークを拠点に、生活してきました。ポーランドに戻ってきたら自由を失うなんて、信じられません。しかし、私たちは、自由を失おうとしているのです」
アルタ「この問題には黙っていられない。現在起きている中絶禁止への動きは、いかなる文明国においても、あってはなりません。問題がないふりなんてできない。個人の声は取るに足らない、と見て見ぬふりもできない。個人個人が手を取り合えば、大きな力になり得るんです」
アンナ「私がストに参加しているのは、この法律によって、女性が、またもや侮辱されているからです。新法案は、女性が生まれつき邪悪で、人を殺そうと常に考えている、という中世的な考えに基づいています」
ミレナ「キャスリーン・ハンナが、ザ・ジュリー・ルインの曲で歌っている通りです。私が決める。私の人生、私の健康、私自身について。私は、愛するすべての女性、男性、友人、同僚、見知らぬ人たちに代わって抗議します。沈黙を貫いている人たちと忠実な宗教的狂信者たちに代わって、強く抗議します。急進主義や愚かな考えとの戦いが、今まさに始まろうとしています」
アンナ「私は医者です。女性が出生前検査の権利を失うなんて、考えられない。医学的には、これは暗黒時代への逆戻りでしょう」。
アガ「本当に腹立たしい。長年にわたり、政治家と教会は、まるで女性が二級市民であるかのように、常に干渉してきました。思いどおりに女性を縛り、操るのは、当然だと言わんばかりです。私たちと私たちの体を、そんなふうに扱うなんて許せません。人生を通して、事態が悪化するのを見てきました。大きな自由を手にするのではなく、ますます、抑圧が進んでいます」
アニエラ「政府がパンツの中まで首を突っ込み、私の尊厳を無視し、人生や体の問題について、自ら決定する権利を奪うような国には住みたくありません。いわゆるプロライフ(中絶反対派)の人たちが反対しているのは、産まれる以前のこと。母親の子宮から出てきた瞬間から、自ら決断するんです」
マルヴィーナ「誰だって自分自身の体について、自ら決める権利を持つべきです。だから、私はストライキに参加しています」
アガ「私たちは、自ら物事について決断すべきです。数千人の怒れる女性たちが団結した現状は、いつ爆発してもおかしくない時限爆弾を抱えているようなもの。私は今日、私たちの自由と未来のために闘っています」