賑わうクリスマスマーケットを標的に発生した今回の事件では12人が死亡し、48人が負傷。当局によると、負傷者のうち、24人は20日のうちに退院したが、14人は「依然として命の危険がある」と発表している。ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は、テロとみられる攻撃を「忌まわしい行為」と非難し、的確な司法の裁きが下るよう全力を尽くす、と約束した。メルケル首相の難民受け入れ政策により、ドイツには2015年に89万人の難民が入国した。極右グループは、今回の攻撃を材料にメルケル首相を批判している。〈極右政党であるドイツのための選択肢〉(Alternative für Deutschland:以下AFD)所属のマルクス・プレッツェル(Marcus Pretzell)欧州議会議員は、犠牲者を「メルケルの犠牲」と発言し、AFDのフラウケ・ペトリー(Frauke Petry)党首は、「恐怖の襲来だ」と述べた。これまでも論争を巻き起こしてきたペトリー党首は、メルケル首相率いる連立与党キリスト教民主同盟(Christlich Demokratische Union Deutschlands:CDU)のポリティカル・コレクトネス* をこき下ろした。