雨の日、一日に三人も、傘をささないで何かを食べながら歩いている人を見ました。一人目はアイス、二人目はおにぎり、三人目はサブウェイでした。「食べ物濡れちゃって嫌にならないのかなぁ」と思いましたが、サブウェイはうちの編集長だったので、機嫌のいいときに訊いてみようと思います。日々の生活の中で、私たちはたくさんの人たちとすれ違います。でもそんなすれ違った人たちの人生や生活を知る術なんて到底ありません。でも私も、あなたも、すれ違った人たちも、毎日を毎日過ごしています。これまでの毎日、そしてこれからの毎日。なにがあったのかな。なにが起るのかな。なにをしようとしているのかな。…気になりません?そんなすれ違った人たちにお話を聞いて参ります。※大沢朗(おおさわ あきら)さん (28歳):テレビ番組制作会社勤務本日はよろしくお願いします!よろしくお願いします。大沢さんは、会社の上司の方からのご推薦なのですが、どういった会社にお勤めなんですか?
テレビの制作会社に勤めております。BOマーズという出来たばかりの制作会社です。おおー、テレビ大好きですよ! どんな番組をやってらっしゃるのですか?私はテレビ東京の「家、ついて行ってイイですか?」と「ウソのような本当の瞬間 30秒後に絶対見られるTV」っていうふたつの番組を担当させていただいております。おおー、大好物です!! 大沢さんはディレクターさんなのですか?はい。カッコイイですね! でもやっぱりテレビのお仕事って、とても大変なイメージがあるのですが。特にADさんとか。そうですね。私もAD時代は終電を逃したり、泊まるパターンも多々ありました。時間の区切りがないんですよ。気付いたら3週間家に帰っていなかったり。3週間ですか!? 会社にベッドとかあるんですか?いえ。椅子を3つ、4つ並べて寝ていました。肘置きがあるやつだと、引っ掛かるので寝れないんですよ。…こんな話で大丈夫なんですか?はい、もちろんです。お風呂はどうしていたんですか?当時の会社が麻布十番にありまして、六本木ドンキの向かいに1800円くらいの健康ランドみたいなのがあるんです。さすがに高いので毎日は無理でしたけど、そこに行ったりしていました。ただ僕は物臭なので、夏場でも1週間くらいなら入らなくても平気でした。大沢さんが平気でも、周りの人には迷惑でしょう。体臭は大丈夫なんですか?確かに取材先にも迷惑をかけていたので、先輩に怒られました。だからドンキで服一式を買い替えたりもして。健康ランドとか、ドンキとか、便利なところですね!足が臭すぎて、ガムテープでぐるぐる巻きにしたり。アハハ。じゃあ今はADさん時代と比べると、多少はラクになりましたか?むしろADより気をつかう場面は増えました。でも、やりがいはあります。「家、ついて行ってイイですか?」ですが、大沢さんも家に帰れない人に声をかけているんですか?はい、カメラをひとつ持って。ひとりでやられているんですか?ADとふたりでやっています。山形まで行った回もありましたよね。大沢さんも遠方に行ったり?僕が行ったなかで一番遠かったのは我孫子ですね。でも我孫子まで行ったら、結局そこで断られたので、そのまま漫喫で時間を潰したんですけど(笑)。声をかけても、結構断られるんですよね? ひとりも見つからないこともあるんですか?見つからない場合の方が多いですね。今はディレクターが40~50人くらいいるんですよ。いろんな制作会社とかフリーの方もいて、毎晩5、6班が撮影しています。金曜日とかは14、15班出ていますね。ただ、取材に応えていただける方も増えるんですけど、みなさん、その場では酔っていたり、テンションも上がっているので、翌日にはやっぱりNGで…と断られる場合も多いです。いつも行く場所は決まってるんですか?新宿、渋谷、池袋、新橋、恵比寿とかが多いですね。飲み屋もたくさんありますし、人も捕まえやすいんです。ただ僕個人としては、香ばしい街が好きです。香ばしいとは(笑)?東側の方とかですね。普段あんまり行かないところの方が、面白い出会いはあるかなーと思います。ああ、確か山形のときも上野でしたよね。ちなみに大沢さん、夏休みとかは取ったんですか?まだ取ってないです。基本的に締め切りは休みに関係なくあるので。お正月は?休めますけど、たまたまロケが入っちゃうこともあるので、前もって決められないんです。
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じゃあ、ご実家にもなかなか帰られないですね。ああ、でも今は東京なんです。元々は福岡なんですけど、今は以前の会社に近い麻布十番に母親とふたりで住んでいます。お母さまはお元気ですか?元気です。元々はモデルをやっていたんですけど、今は婚活パーティーを主催しています。モデル! 婚活パーティー! めちゃくちゃ元気そうですね(笑)。母は福岡のときから、年配の方々をくっ付ける婚活パーティーを主催していたんです。僕は大学のときに東京に来たんですけど、うちは母子家庭で、ひとりっこなので、いつかは母親を東京に呼びたいと考えていたんです。そしたら、ちょいちょい東京の婚活パーティーに母親が参加していたらしく、会員さんと仲良くなって、それで東京でもパーティーを始めました。お母さまと住んでどれくらいですか?去年の正月辺りからですから、まだ1年も経っていませんね。ふたりで1Kに住んでいるんですよ。まあ、割と広めの1Kなんですけど、僕の部屋が6畳、母が生活しているKは7畳くらいですかね。お母さまはKにいるんですか? Kにベッドを置いてるんですか?布団です。でも上手い具合にカスタムしています。つい立てを買ってきて、レースのカーテンをかけて。部屋っぽくなっていますね。お母さまは「アキラ、広いところに引っ越したいわ」なんていいません?僕のことを優先で考えてくれていて、「仕事柄ここがいいでしょう」と。僕も助かっているので、引っ越す予定はありません。
福岡時代はどちらに住んでいたんですか?市内の西新というところで育ったんですけど、何回か引っ越しをしています。同じマンションの別の部屋に引っ越すこともありましたし、狭い範囲のなかで移動してました。その頃、お母さまはモデルのお仕事をされていたんですか?僕が生まれる前は、妹とふたりで喫茶店を経営していました。親父がそこのお客さんで、出会って結婚したんですけど、僕が4歳のときに離婚しちゃいました。そのあと全国を母親と回りました。微かに鎌倉のユースホステルに泊まった思い出があります(笑)。小学校の前ですか?はい。あとは広島や親戚の家を訪ねたりもしていました。親父がDVしたり、酒癖が悪かったり、ダメな人だったんですよ。母親が僕の手を引いて出て行ったのは覚えています。いろんなビジネスホテルに泊まったりもしました。では、保育園とか幼稚園には通っていなかったんですか?母親は仕事をしていましたから、その日だけみたいな、土地ごとの保育園に預けられていました。でも年長さんから、また福岡に戻りました。お父さまのお話、訊いてもいいですか?どうぞ、どうぞ。お父さまとの思い出はありますか?幼い頃は覚えていないのですが、最後に会ったのは高校のときくらいですね。それまでは年に1回、会うか会わないか、そんな感じでした。えっと、笑える話ではないんですけど…はい。当初、父親は慰謝料を払わなかったんです。それで母親が催促したら「その代わり子供に会わせろ」という変な話になってしまって。それで幼い頃は、僕が父に会って、封筒に入っているお金を貰って、母親に渡していました(笑)。でも父は会ったときに、アコースティックギターをくれたりしましたね(笑)。大沢さんは、ギターが欲しかったんですか?いえ、別にです(笑)。あとは大きい船の模型とか。父は建築士だったので、その事務所にも遊びに行ったりしていましたね。でもずっと父親のことを認識出来なくて、敬語で話していました。
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では高校生になって、どうして会わなくなってしまったか教えていただけますか?中学、高校に入ってから連絡がなくなったんですけど、大学受験を控えている高3のときに、大学のお金くらいは出してもらおう、という話になって久々に電話したんです。母親にも「アンタ! お父さんにいってやって!」と促されて、僕も便乗して「お父さん! 金くらいは出してよ!」っていったら、「なんだ! その言い方は!! お前、チンピラみたいな人間になったな!!」ってガチャンと切られて。それから連絡が取れなくなりました。そのときはすごく泣きましたね。なんか、突っ込んで訊いてすみません。いえいえ(笑)。その後、母親と探したんですけど、父親の事務所にもいなかったり、父親の友達も居場所を教えてくれなかったりして、結局捕まえられませんでした。でもその後、Facebookで父親の名前を調べたらヒットしまして。いつの話ですか?5、6年前ですかね。本人の設計事務所のブログのURLが載っていて、日々のどうでもいい話が書いてありました。「今日も、草木が綺麗ですね」とか。そっち系なんですよね。そっち系でしたか(笑)。でも遡ったら僕のことを書いている記事があったんです。父親はツールナイフが好きだったんですよ。肥後守じゃないですけど、多用途のナイフあるじゃないですか? あれを昔に買ってもらった思い出があるんですけど、それを「何歳の息子にあげたことがあって…」って書いてありまして。そのときはジーンとしましたね。母親にも伝えました。お母さまはなんて?めちゃくちゃ神妙な顔で「お父さんに会いたいなら、お母さんに黙って会ってね」って。そういうつもりじゃないんだけどなーって。色々複雑なんだなーと思いました。ありがとうございました。では、どんな小学生だったか教えてください。母親は教育ママだったんですよ。片親だから惨めな思いをさせたくなかったんですかね。公務員になって欲しいっていってましたね。じゃあ塾とかにも行って?はい。勉強はたくさんしていました。やんちゃとかはしてなかったのですか?やんちゃはあんまりしてないですね。まぁ、お店の商品をポケットに入れたくらいですかね(笑)。ローソンで。あらー(笑)。それは小学校何年生のときですか?恥ずかしいんですけど、中2です。捕まってすごく怒られたんですけど、穏便に済ませてもらいました(笑)。何をポケットに入れたんですか?口をシュッシュってやるスプレーです(笑)。何でも良かったんですよね。ポケットサイズですしね。おひとりでやっていたんですか?同じマンションに悪い友達がいまして、一緒に。これをきっかけに母は引っ越しを決行しました。お母さま、本当にアキラを大事にしていたんですね。はい。本当に深いなーと今は思います。
では、中学時代は勉強を頑張って、いい高校に入学したんですか?はい。修猷館っていう県内1位の学校に入れました。(カメラマン:宮本さん)ああ、知ってますよ。僕は隣の熊本出身なんで。賢いですよねー。あと、この高校はラグビーも強いんです。僕も小3からラグビーをやっていたので、行きたかったというのもありました。へぇ、小学生からラグビーチームなんてあるんですか?はい。クラブチームがありました。九州と関西はすごく盛んみたいですよ。こっちの方にはあまりないですけど。中学でもラグビーをやっていたんですか? でも中学校にラグビー部なんてあったかなぁ?
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そうですね、部活にはなかったので、学校では陸上部に入って、土日はクラブチームでラグビーをしていました。ラグビー部ってモテそうですよね。やっぱ、やかん持ってるマネージャーと付き合ったりしたんですか? 初チューしたんですか?えっとですね、キスは…キス…っていい響きですね。中2のときに初めてキスしたんですよね。おおー、高校じゃないのかー。戻るのかー。何ちゃんでしたか?ユリコです。呼び捨てかー(笑)。中学って、誰と誰が付き合ったとか、そういうブームってあったじゃないですか。すぐに別れちゃったんですけどね。キスは何回しましたか?1回だけです。初めてしたときに気持ち悪くて、吐きそうになっちゃったんです。何が気持ち悪かったんでしょうね?わからないですけど、感触とかですかね。ユリコの口にローソンのスプレーをシュッシュすれば良かったのに。どこでキスしたんですか?防波堤です。わざわざ夕方に海の防波堤まで行ってキスしたんですけど、何か違うなって。それ以来しなかったですね。じゃあ、ユリコのオッパイには届かず?その子は届かなかったですね。じゃあ、どの子で届いたんですか?そこまで訊くんですか(笑)?はい、そうですよー。初パイはいつですか?えっと、これも中2ですね。いいなぁ! 何ちゃんですか?チヒロちゃんです。ここは呼び捨てじゃないんですね。でも、パイに辿り着く前には、チヒロちゃんとも苦手なキスをしないといけませんよね?なぜかここでは不思議と抵抗はなく、キスもいいなと思ってしまいました(笑)。キスもいいな…って名言ですね! これまた防波堤ですか?公園とかカラオケですね。中学生ってカラオケに行っていいんですか?(カメラマン:宮本さん)行ってましたよ。宮本さんも? いやらしいですね。制服のままでも普通に入れてくれましたよ。パイのためだとしても、やっぱ軽くは歌わなきゃいけないですよね。そのときは何を歌ったんですか?そこも訊くんですか(笑)。 めちゃくちゃ恥ずかしいんですけど、MONGOL800とかGOING STEADYですね。チヒロちゃんとはパイ越えもしたんですか?結局、出来ませんでした。その後、チヒロちゃんは転校してしまいました。あらー残念ですね。では、初パイ以上はいつですか?高2のときです。やかんを持っているマネージャーではありませんでしたが、同じ高校の子でした。なんだかんだ勉強ばかりじゃないですね。高校時代も充実していたんですか?高校に入ったら勉強がダメダメで、学年400人中、395位とかにいました。言い訳をすれば部活しかやってなかったんです。じゃあ、高2の初パイ以上ですけど、やはりまたカラオケを使ったのですか?えっとですね、ホテルです。高校生ってホテルに入れるんですか!?まあ、そこは制服じゃありませんし。何て名前のホテルですか?〈アクア〉です。〈アクアミュー〉もありました。〈ハーバー〉とかもあった気がします。やっぱ海に近かったので。ここはもうスムーズに?はい、なんとか(笑)。でも最初はなかなかイケなくて、体をビクビク痙攣させて、イったフリをしました(笑)。素敵ですね!大げさに「ゼーハーゼーハー」したんですけど、彼女は経験があったので、後で話したらバレていましたね(笑)。「ありがとうね」みたいなことをいってくれたんですけど(笑)。優しい子ですね(笑)。結構、その子とは長く付き合ったんですか?
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そうですね。大学1年の冬場まで。5年くらいは付き合っていました。ふたりとも浪人して、同じ予備校に通って、一緒に東京の大学を目指していました。でもやっぱ大学に受からないといけないから、アクアは我慢したりとか?まぁ(笑)。でもたまに我慢できないときがあるんですよ。予備校の自習室は、向かい合わせについ立てがあるんですけど、足元の部分だけ開いまして。向かい合いに座って、足でこねくり回したりしてました(笑)。ええ! 予備校で足コキですか!!足コキではないです(笑)。足と足を絡めるだけです(笑)。それはそれでイヤらしいですね。そうですね。そのあとは自習も早々に…結局アクアに行くんですか(笑)まぁ(笑)。
どちらの大学に行かれたんですか?明治大学です。国際日本学部です。名前が恥ずかしいんですけど。どんな勉強をする学部なんですか?僕が入ったときにその学部が出来たんですけど、基本、英語に特化していて、アニメ、ゲーム、漫画とか、日本のサブカルチャーを勉強するんです。こねくり回していた彼女も明治大学ですか?いえ。彼女は早稲田です。僕も一緒に目指していたんですけど、彼女だけ受かりまして、その後、溝ができて別れちゃいました。じゃあ大学時代にこねくり回していた子はいましたか?はい。年上の美容師の方と。どこで知り合ったんですか?バイト先の人の紹介で、最初は髪を切ってもらったりして、遊ぶようになって、そしてお付き合いを始めました。大沢さんは何のバイトをしていたんですか?ずっともつ焼き屋で。新宿西口の思い出横丁の〈ささもと〉っていうお店なんですけど。ああ、有名店ですよね! 行ったことないですけど。福岡の先輩の紹介で働いていました。代々、ラグビー関係の先輩が後輩を入れるみたいな感じのところなんです。大沢さんは焼きをやっていたんですか?はい。焼きをやったり、豚の脳味噌の膜を破ったり。うわー!水で流して膜を破ると、ツルツルでピンクですごく綺麗なんですよ。オススメの食べ方を教えてください。ブレインっていうんですけど、ブレ煮込み、ブレ刺身とか。めちゃくちゃ美味いです。ちなみに大学でラグビーはやらなかったんですか? 明治って強豪ですよね?サークルには入っていましたが、本格的にはやりませんでした。でもバイトばかりしていたので、あまり学校自体に行かなかったんです。あとは福岡の先輩とつるんで、しょっちゅう飲みに行ったり。そんな生活をしてて卒業できたんですか? お母さまが心配。案の定、半分ダブりました。だから卒業がちょっと遅れちゃって。半年留年っていう形です。就職の内定も決まってたんですけど、何回も足を運んですみませんって謝って。それで入社時期を半年遅らせてもらったんです。今の前のテレビ制作会社です。元々テレビ関係に就職したかったんですか?はい。でも出版社にも行きたいなとも思ってて。音楽系の出版社に行きたかったんです。ああ、MONGOL800とかGOING STEADY好きですものね。それはもういいです(笑)。ロキノン厨じゃないですけど、ロッキング・オンを受けたんですよ。2万字インタビューとかすげえなと思ってて。いいところまで行ったんですけど、落ちました。おおーステキ! 面接の話とかありますか?はい。渋谷陽一さんとか山崎洋一郎さんの前、5人くらいでディスカッションをするんです。おおー。何をディスカッションするんですか?
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部屋に入ると、ロッキング・オン・ジャパンが積んであって、「これ参考にして次号の表紙にしたいアーティストと内容をプレゼンしてください」っていわれて。でも僕は洋楽好きだったので、ロッキング・オン・ジャパンは読んだことがなかったんです。散々でした。大沢さんは誰を表紙にしたんですか?恥ずかしいんですけど、ねごとです。ねごと。あまり詳しくないんですが、女の子バンドですよね? 大沢さんは、どうしてねごとを表紙にしたんですか?私にもわかりません(笑)。何が正解なのかもわかりませんでしたから、咄嗟に出てしまったんです。ディスカッションでは、皆からバッシングを食らって「大沢さんのは意味がわかりません」とかいわれたんですけど、僕も全然わからないですし、本当に早く終わって欲しいと思ってました(笑)。面接には松村雄策もいました?いましたね。いたんですか!! ちょっと羨ましいですね!はぁ(笑)。
それでテレビ制作会社にご就職ですけど、それこそADとかってキツイわけですよね? 敬遠しがちだと思うのですが。いえ、僕は本当にADがやりたかったんです。テレビを観ていると、見切れるADとかいるじゃないですか。こうやってカンペを出してるんだなーなんて考えていたら、現場でそれをやってみたいなって。業界でそういうことがしたくなったんです。ADの頃は、どんな番組でお仕事していたんですか?「タモリ倶楽部」のADをやっていました。おお! すごい!!実は出演したこともありまして。「タモリ倶楽部」にですか? どんな感じで?入社2年目に、青春18きっぷで福岡に帰省しようとしていたんです。それを上司のディレクターにいったら、企画になってしまいまして。〈電車〉、〈福岡〉のふたつだから、タモリさん的にもいいだろうと。でもすごく大変でした。ずっと車窓を取り続けなくちゃいけなかったので。「空耳アワー」の現場にもいらっしゃいましたか?はい。僕は「空耳アワー」が大好きだったんです。前から「空耳アワー」を撮りたいというのが、すごくあったので嬉しかったですね。届いたハガキの選別もやっていました。すごい! 大沢さんが選んでいたんですね!! あれって、送られてくるハガキには、「この曲のこの部分がこう聞こえますよ」って書いてあるだけなんですか? 映像は大沢さん達が考えているんですか?はい。では、まずハガキを選んで、そのあとは曲の確認作業ですか?はい。神保町に〈ジャニス〉っていう、レンタルCD屋さんがあるんですけど、毎週月曜日にADが借りに行くんです。80枚から100枚くらい。でも大抵そう聴こえないんですよね。その中から8枚とか10枚に絞って、資料をつくって、演出の方にお見せして、選んでもらうんです。映像のネタを考えるのも大変ですよね。正解がわからないので大変ですね。ロッキング・オンの面接と同じですね(笑)。ゆるい感じだからといって、適当でいいわけではないですし。投げっぱなしで面白いことって、あるようでないというか、滑っちゃうんですよね。何度も演出の人に「全然ダメ」っていわれると自信がなくなります(笑)。タモさんは、何が流れるか知らないんですか?はい、もちろん。その場で観て、聴いてもらうので、生のリアクションです。タモリ倶楽部の話ばかりで申し訳ないんですが、「空耳アワー」って、その週の企画のあいだに入るじゃないですか。そのときにやっている企画と同じ場所で「空耳アワー」も撮影しているようですけど、あれは別撮りなんですか?
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基本は別撮りではないです。じゃあ安斎さんも毎回企画の収録に来ているんですか?そうですね。いろんなところに来てもらっています。安斎さんスゲエですね!! ちなみに大沢さんのネタでTシャツとかジャンパーが出たことはあるんですか?Tシャツをいただいたことはあります。では具体的にどんな映像をつくったか教えてください。僕のデビュー作なんですけど、女性のシャンソンで「チンポコ スレスレ」っていうネタでつくりました。アハハ!!ピッチャーがボールを投げたときに、危険球が股間スレスレを通る場面をスローモーションで見せただけの映像です。耳掻きをいただきました。最高ですね! もっとください!!SYSTEM OF A DOWNの曲で「我らはサラ・ヴォーン」って聞こえるのがあるんですよ。ビリー・ホリデイ派の不良グループに追い詰められたカップルが、サラ・ヴォーンのCDを見せて対抗するみたいなやつなんですけど、タモリさんも褒めてくださいました。でも、これも耳掻きでした。もういっちょ!DR. FEEL GOODの曲で「早稲田から遠い」というネタがありました。タモリさんの母校である早稲田大学の校舎の前から、高田馬場駅までワンカットで歩いて到達するだけという映像なんですが、凄く良く聞こえるということで、こちらもタモリさんも褒めていただきました。これはTシャツですね。おめでとうございます! でも、そちらの制作会社はお辞めになられて、今の会社へ転職されたんですよね?はい。あいだにフリーの期間はあったんですが、当時の会社の先輩が皆で何かやろうかって。それでスタートしたのが、現在のBOマーズです。私も先輩から誘われて入りました。今の会社に入ってどれくらいになるんですか?1年くらいですね……えっと、すいません、ちょっとお話ししていいですか?はい? もうたくさんお話されていますよ。えっと、そうじゃなくて、ちょっといいたいことがありまして。なんですか? 営業ですか? プロモーション狙いだったんですか?はい…というか、なんというか。ちょっと会社から指令を受けておりまして。なんですか?あのですね、ちょっと求人をしたいのです。求人ですか?はい。実は人材集めに苦労していまして、ハローワークとか、サイトとかでも募集しているのですが、なかなか厳しくて。社内会議で、我々の感性に近い…というか、勝手に親近感を抱いているだけなのですが…、VICEさんに載れば、面白がってくれる若者が応募してくれるのでは…となりまして。そんな淡い期待を抱いて来たんです。あら、まぁ! ちょっと嬉しい気もします。ちなみにどんな方を募集されているんですか?特にADさんです。最初にキツイ話しちゃったじゃないですか! 風呂入れないとか、臭いとか、ガムテープとか。完全に逆効果でしょ!今は良くなりました。ADさんにすごく優しい業界になっていて。ADさんは休みをちゃんと取ろう、ADさんはちゃんと帰してあげようみたいな。ホントですか?本当です。じゃあ、具体的にBOマーズさんが求めてらっしゃる人材を教えてください。条件面とかは、うちのHPで確認していただきたいのですが、まずはやはりテレビが好きな方ですね。多少でも関心がある方だといいです。関心がない人は来ないでしょう(笑)。いや、来られるんですよ。とりあえず面白そうだからみたいな。それでも全然いいんですけど、一応知識があったほうがラクかなーと。あとは付き合いが良くて、人とコミュニケーションが取れる人がいいですね。
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それって、ぶっちゃけ奴隷になれる人ですか?いえいえ(笑)。決してそんなのではないです。でも大変なときに頑張れる方がいいですね。好きじゃないと頑張れないですから。HPにも書いてあるんですけど、ウチは「イタズラ好きの大人達」の集まりなので、イタズラ好きな人が合っていると思います。どんなイタズラですか? ウチは勝手にお菓子を食べられたり、1日休むと、机の上がペットボトルだらけになったりしますが。イタズラっていうか、やはり変人が多いです。「おかし過ぎる」と思うようなところもあるんですけど、そういう感覚を持ってないと面白いものをつくれないんだろうなと思います。やっぱり体力も必要ですよね?好きな気持ちがあればなんとかなるのかな? と思います。でも帰りは遅いですよね?まあまあ…(笑)。お給料はいいんですか?僕自身、そこら辺はよくわかってないんですけど、社員としてやっているので、固定できっちり貰っています。保険は?はい、社保完備です。女性は?もちろん大丈夫です。交通費も、健康診断もあります。詳しくはHPを見てください。素晴らしい会社じゃないですか! 他にはなにかありますか?あとは趣味が多い人の方がいいですね。研修はありますか?ありますけど、短いですよ。会社見学してもいいですか?ちょっとここではお答えできませんが、ご連絡いただければ検討します。変な人ばかり来ちゃったらどうします? そしたらなんかすいません。大丈夫です。そのつもりで今回来ていますので。それが会社の総意です。スゲエ会社ですね! 人が増えれば大沢さんもラクになる?なりますし、楽しくなりますよね。早く新しい仲間に会いたいですよー。優しい先輩ですね! さて会社のことはもういいです。大沢さんの将来の話でまとめさせてください。夢とかありますか?仕事の面だとBOマーズとして、看板になるような番組をつくりたいですね。そのためには人手も必要になりますし、いつかは演出として自分が面白いと思えるものをつくりたいです。またまたお仕事の話ー。ああ、あとは来年中に結婚したいです。あらステキ! 彼女さんは大学からの方ですか? 美容師の?いえ、違います(笑)。お母さまは、彼女さんと会ったことあるんですか?はい、何度も。大変ですよ。何が大変なんですか?最近ちょっと揉めています。結婚はしたいんですけど、いきなり3人で暮らすのは嫌だなという気持ちもありまして。「一緒に住むんだったらいいわよ、アキラ」みたいな?そうなんです。ただ、彼女もひとりっ子の母子家庭で、お母さんとふたり暮しなんですよ。同じ境遇なんですか?はい。向こうは2Kですけど(笑)。とりあえず先にふたりで住んで、近くにお互いの親が住んでくれればベストなんですけど。今日も母親に「インタビューされてくるわ」といっているので、母親もきっとこのインタビューを見ると思うんですけど、なんとか結婚を許してもらえないかな? と。そこがどうにかなれば、というのが夢ですね。ここで、お母さんになにかいっておきますか?ああ…うーん…いえ、直接いいます。…いや、何かいった方がいいですかね(笑)?いえいえ、直接の方がいいですよ。確かに難しい問題ですね。お母さん同士が一緒に住むわけにもいかないですし。そうなんですよね。でもこの前チラッと彼女が、「4人で住めたらいいな」という話をしていて。僕はちょっと意味がわからなくて、どういうことになるのでしょうか(笑)。
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(カメラマン:宮本さん)隣くらいの家だったらいいですよね。そうですよね。距離感的にも全然。同じっていうのはちょっとあれだなって感じですよね。でも来年って考えてらっしゃるんだったら…はい。早めに進めたいですね…フゥ〜。お疲れさまです!! ちなみに今日はもう終わりですか?いえ、これから「家、ついて行ってイイですか?」の撮影です。うわぁ、大変ですね! どちらに行かれるんですか?新座です。香ばしい方です(笑)。
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