大勢の人が渋谷に詰めかけ、トラブルだらけの大混乱になる日、ハロウィン。この日だけは、渋谷を避けるかたも多いはずだ。
2018年の10月31日は、平日ということもあってか、直前の土日から渋谷には、スパイダーマンや、ルフィ、ひょっこりはんが大集結。ニュースでも、痴漢、ポイ捨て、騒音、そして軽トラックの横転事件などが報じられ、けみお、藤田ニコルらの著名人もSNSに持論を投稿していた。渋谷区もホームページ上で「31日のハロウィーンでは決して周囲に迷惑をかけず、モラルや法令を守り、健全に楽しんでいただきたい」と発表するほどだった。
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そしてハロウィン当日の渋谷。私は、予想以上の人の多さに驚かされてしまった。渋谷で下車し、スクランブル交差点を渡るまでに約20分。カメラマンとの合流にも大変苦労した。ちなみに私は、今年のW杯日本戦の夜も渋谷に足を運んだが、この夜のほうが明らかに人口密度は高かったようだ。スクランブル交差点付近で警察官に「この前の土日と比べると、どちらのほうが人が多いですか?」と訊くと、「今日のほうが多い気がします。平日なのに」との返事。すし詰め状態で、身動きが取れず、将棋倒しになったら死ぬかもしれない、と不安すらよぎった。



スクランブル交差点を渡りきり、すでにうんざりしていたが、仕事なので仮装者たちに話しかけてみた。渋谷で仮装する理由は「地元のハロウィンは盛り上がらない」「ナンパするため」「事件が起きるのが見たい」「渋谷が近かったから」…とそれぞれ。しかし、参加者からは、渋谷のハロウィンを楽しんでいる状況が伝わってきた。


















ハロウィン翌日、渋谷区長は「来年のハロウィンに向けた対策に取り組んでいく。イベントの有料化や、代々木公園の使用も考えている」と発表した。その話を聞いて、私は少しだけ残念な気持ちになった。当初、渋谷のハロウィンに、私は嫌悪感を抱いていたが、参加者と会話したり、触れ合ううちに、迷惑をかけずに、ハロウィンを満喫しているも人もいることを知った。そして、いつの間にか、仮装や雰囲気を楽しんでいる自分もいた。
ハロウィンの渋谷では、「何をやってもいい」と勘違いしている参加者がいるのも事実だ。渋谷ハロウィンは公式のイベントではなく、誰でも自由に参加できるのが魅力ではあるが、それが騒動を引き起こすきっかけにも繋がっているのではないだろうか。〈平成最後のハロウィン〉という表現を目にしたが、来年から規制されるとすれば、このカタチでの渋谷ハロウィン自体が今年で最後なのかもしれない。やはり、誰もがハロウィンを楽しめるようにするには、何らかの対策が必要なのだろう。来年のハロウィンは、純粋に仮装をした参加者が楽しめるように願っている。






















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