『PlayerUnknown’s Battleground(PUBG)』の長時間プレイが、何の役にも立たないのは周知の事実だ。6時間ぶっ続けでプレイしたティーンエイジャーが心不全に陥ったり、世界保健機関(WHO)が〈ゲーム障害〉を国際疾患に指定するなど、〈ドン勝〉を追求する戦いは、プレーヤーに深刻な悪影響を及ぼす。そして今度は、ハイデラバード、ワナパーシ地区の十代の青年が、『PUBG』のやりすぎで脳卒中を発症した。
8月26日、右手と右足の感覚がなくなったという19歳の学生を診断した、ハイデラバードにあるサンシャイン病院(Sunshine Hospital)の医師たちは、長時間のゲームプレイは血栓症もしくは脳血栓を引き起こす可能性がある、と発表した。脳への酸素と血液の供給を妨げる脳卒中は、通常高齢者に発症しやすく、若者の症例はまれだが、医師たちによれば、今回のケースは『PUBG』依存によるものだという。
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さらに、この青年はゲームに勝つことにこだわるあまり、しばしば食事を抜いていたという。その結果、急激に体重が減り、栄養不足と脱水症状に陥った。「これらの症状によって、脳内の静脈血が濃くなり、血栓が生じました」とサンシャイン病院の栄養学専門医、K・ヴィノド・クマー(K Vinod Kumar)医師は〈The Times of India〉に語った。
青年の母親も、息子の『PUBG』に対する底なしの愛を打ち明けた。彼は夜9時頃から朝3時か4時までぶっ通しでプレイし続け、新聞配達のバイトに行くときだけ一時停止していたという。彼は現在大学2年生で、講義の合間にも時間を見つけては『PUBG』をプレイしていた。
この青年はすでに回復、退院したが、彼もまた、気づかないうちに進行する『PUBG』依存の数多の犠牲者のひとりだ。実際、バトルロイヤルゲームをプレイしている多くの若者が、頭痛、嘔吐、筋肉の硬直、倦怠感、神経過敏などの症状を訴えている。心理学者によれば、『PUBG』をやめさせようと、このような若者から携帯電話を取り上げても、激しい離脱症状につながるだけで、自殺者も出ているという。
『PUBG』はインドのグジャラート州では即座に禁止されたが、ネパールやイラクなどの国では、禁止によるマイナス効果から禁止撤回に向けた動きもみられる。さらに、オックスフォード大学の記事を含む複数の研究で、このようなゲームにはカタルシス効果があり、長期間にわたる直情的、暴力的な傾向とは直接関係がないことが明らかになっている。
賛否両論入り混じるなか、ゲーム規制にまつわる議論は今後もしばらく続きそうだ。
This article originally appeared on VICE IN.
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