今年3月末、VICEはインド南部タミル・ナドゥ(Tamil Nadu)州の故郷チェンナイ(Chennai)でソーシャルディスタンシングへの意識を高めるべく、〈コロナウイルス・ヘルメット〉を制作したアーティスト、B・ゴーサム(B Gowtham)を取材した。彼が廃棄物を再利用してこの作品をつくったのは、ただロックダウン中に外出している人びとに恐怖心を植え付けるためではなく、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響力を警告するためだ。それ以降、インド全土で多種多様なコロナウイルス・ヘルメットが誕生している。
ベンガルールでは、交通巡査がさまざまなコロナウイルス・ヘルメットを着用し始めた。彼らはウイルスの外観を模した短い突起のついたヘルメットを被り、COVID-19の予防策を市民に周知するキャンペーンに参加した。
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4月2日、セクンデラバード(Secunderabad)にて。別バージョンのコロナウイルス・ヘルメットをかぶった騎馬警官が啓蒙活動を行なった。
アンドラ・プラデシュ(Andhra Pradesh)州のクルヌール(Kurnool)では、警官が真っ赤なコロナウイルス模様の馬に騎乗。ピーパリーマンダル(Peapally Mandal)村で人びとにコロナウイルスに関する情報を伝え、感染予防を呼びかけた。
インド警察がクリエイティブな手段を試すいっぽうで、ゴーサムは自作のヘルメットをさらに進化させた。それが廃棄物をリサイクルした〈コロナ・シールド〉と〈コロナ・メイス(※棍棒の一種)〉を装備した〈コロナ戦士〉だ。警視正がこの衣装を身につけ、地元チェンナイの市場を訪れた。
「コロナウイルス・ヘルメットをつくった目的は、今も外出して街の検問所などに集まっている人びとに注意を呼びかけ、ソーシャルディスタンシングや個人での予防策への意識を高めるためです」とゴーサム。「今回は、市場に集まっている人びとを対象に活動を行いました。コロナ戦士は、国内で感染者が増え続ける今こそ必要な存在。コロナウイルス・ヘルメットは、人びとを守るコロナ戦士へと進化したんです」
世界中で感染が急激に拡大し続ける今こそ、ただ有効なだけでなく私たちを笑わせてくれるアートの力に感謝したい。
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