4月12日午後1時20分頃、東京都新宿区歌舞伎町一丁目にある「新宿ゴールデン街」で火災が発生。飲食店など計3棟が全焼し、同日夕方まで約500棟が停電。女性1人が煙を吸って軽い怪我をした。翌13日には、火元の建物に侵入した疑いで66歳の無職の男性を逮捕。男性が出火直前の建物に入る様子を現場付近に設置された防犯カメラが撮らえていた。現在、警視庁は男の行動と火事との関連について調査中である。(ちなみに、出火元となった建物の1階にあるバー「流民」は、ダウンタウンの松本人志に見出され、『働くおっさん人形』や、松本監督の映画『さや侍』に主演した野見隆明氏がバーテンとして働いている店だった)ゴールデン街は約2000坪ほどの狭い区画に、第二次世界大戦後に建てられた低層木造長屋の店舗が200件以上も密集する飲食店街だ。風俗営業法の許可を取らない「青線」地帯で、都内でも有数の売春街であったが、1958年の売春防止法施行後は、飲食店が密集するようになり、「新宿ゴールデン街」と呼ばれるようになった。様々な文化人が酒を酌み交わす街としても知られ、タモリ上京のきっかけもゴールデン街だった。また、フジテレビがつまらなくなったのは、「社屋がゴールデン街に通えないお台場」に移転したからだ、という説もある。
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バブル崩壊により、一時はゴーストタウン化したゴールデン街だが、現在では若いオーナーによる出店や、海外観光客のお決まりルートになり、賑わいを取り戻している。火災があった晩も営業する店があり、普段通りに酌み交わす常連客がいた。心配で駆けつけたひと、ただの野次馬、テレビカメラ。現場周辺には焦げ臭さが残っていたが、この夜も「新宿ゴールデン街」はたくさんの人々で溢れていた。