出勤前、ボーッとしていたら、コンビニのコーヒーマシーン3台のどれに自分のコーヒーを入れたのか、わからなくなってしまいました。ドリップされているのは、みんな同じのホットL。こういうとき携帯って便利ですね! 電話がかかってきたフリをしているうちに、おふた方が自分のコーヒーをゲットされました。ローソンだったらこんな事件、起こらないですよね。ちなみに近所のローソン店員さんは、ゴスっ娘ということが判明しました。
日々の生活の中で、私たちはたくさんの人たちとすれ違います。でもそんなすれ違った人たちの人生や生活を知る術なんて到底ありません。でも私も、あなたも、すれ違った人たちも、毎日を毎日過ごしています。これまでの毎日、そしてこれからの毎日。なにがあったのかな。なにが起るのかな。なにをしようとしているのかな。…気になりません?そんなすれ違った人たちにお話を聞いて参ります。
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埴岡瞬さん(はにおか しゅん)さん 24歳:会社員
あら、埴岡さん、なんて爽やかなお兄さん!
え? あ、はい。ありがとうございます。
すいません、ちょっと予想していた感じと違ったので。
そうなんですか?
はい。埴岡さんは、会社の同僚さんからご推薦いただいたのですが、あのかたは埴岡さんの部下さんですか?
いえいえ、年上の女性のかたです。
あ、そうなんですか。メールに「本人が出たいと申しているので、応募しました」とあったので、上司である埴岡さんからの命令かと。
いえ、いっておりません(笑)。逆に、「応募しちゃったから」と事後報告されました。
更にメールのやりとりで、「埴岡は、現在海外出張に行っておりますので、その日のインタビューはお受けできません。申し訳ありません」と。これは秘書さんなんじゃないかと。
いえいえ、まったく違います(笑)。
更に、このかた、退職されましたよね? これはもう、埴岡さんのスパルタに耐えられなくなったからに違いないと。
いえ、円満退社されました(笑)。
ですので、ガッキーのドラマの鬼社長みたいな人を想像していたんですが、まったく違って安心しました。
はい、ありがとうございます(笑)。
今日はお仕事帰りですか?
いえ、抜けてきました。また戻ります。
え! もう7時ですよ! またお仕事ですか?
はい。私の会社は、セレクトショップが集まるプラットフォームサイトを運営しているのですが、土日にかけてポップアップストアをやりますので、その準備があるんです。
大変ですねぇ。
いえいえ(笑)。
代休は取れるんですか?
会社的には取れるんですけど、現在僕は、ビジネスディビジョンのマネージャーをやっておりますので、ちょっといつ取ろうか迷っているところです(笑)。
ビジネスディビジョン! よくわかりませんが、すごそうすねぇ。で、セレクトショップのプラットフォームっていうのは、ネットでお洋服を買うようなヤツですか?
はい。〈FACY〉というサイトなんですけど、各セレクトショップのスタッフさんとお客さまが、直接やりとりができるようになっているんです。
んん?
例えば、ここに載っているコートも、ショップのスタッフさんが直接提案をされているんです。
ああ、ホントだ。スタッフさんのお名前も載っていますね。
お客様が「ちょっと変わったコートを探しています。オススメありますか?」と記入されたら、スタッフさんが「こんなのあります」とコメントをつけて提案されるんです。
ネット上で接客できると?
そうです、そうです。その後、お客様が購入すると、スタッフさんとのチャットが開きまして、ずっとやりとりが続けられんるです。LINEの延長みたいなものでして、他に探しているものや、相談事もできるんですよ。
スゲエ!! こんなことになっているの、知ってました? 宮本さん。
(カメラマン:宮本さん)知りません、まったく知りませんでした。
こちらでは、現在どれくらいお店が入っているんですか?
300店くらいです。こちらに出ていた〈LICLE〉の鶴田さんもお客様なんです。
わー、繋がりますね! では埴岡さんは、そこでなにをディビジョンされているんですか?
マーケティングと、店舗さんにこのサービスを導入してもらうためのセールス、あとは導入されている店舗さんの売上を伸ばすためのクライアントサクセスっていう3部署を見ております。
クライアントサクセス…ってカッコイイですね!! でも「ちょっと変わったコートを探しています。オススメありますか?」って、かなりザックリした質問ですよね?
そこが大事なんです。検索できないニーズじゃないと意味がないんです。
もういっちょお願いします!
例えば、〈色:黒〉とか〈サイズ:M〉なんて検索はできても、それだとマスの検索しかできません。うちは、プラッとお店に入って、「なんとなくこういうものが欲しい」って、店員さんに相談するようなスタイルなんです。新しいお店との出会い、ブランドとの出会いみたいなものを大切にしているんです。
へぇー、すごいなぁ。このお仕事、楽しいですか?
はい、楽しいです(笑)。
さらにすごいのが、埴岡さんの落ち着きっぷり! どうですか? 宮本さん。
(カメラマン:宮本さん)本当に大人ですねぇ。24歳に見えません。
ありがとうございます(笑)。
ご出身はどちらですか?
大阪の高槻です。関ジャニ∞の村上くんのところです。TAKATSUKINGです(笑)。
高槻市と茨木市はライバル関係なんでしたっけ?
そうですね。高槻、茨木、あとは吹田でしょうか。僕が子供の頃は、吹田が1番でしたね。吹田がもっとも悪い街だったので(笑)。ケンカ強いランキングでは、吹田が1番。高槻でブイブイいわせているヤツらも、吹田ではコテンパンにやられて帰ってきたり。
でも10年ちょっと前の話ですよね? いわゆるヤンキーみたいな子って、当時もいたんですか?
いました(笑)。バイクで暴走して、ケンカして、みたいな。
当時のヤンキーは、どんな格好をしていたんですか?
だいたいプーマのジャージとユニクロのスウェットですね。そこにどんだけ厚着をするかっていう。
厚着(笑)。では髪型は?
人にもよりますけど、超ギャル男みたいなストレートロン毛の金髪とか、そこを踏まえてからのめちゃくちゃ刈り込んだモヒカンとか。
豊かだなぁ! 埴岡さんもやんちゃだったんですか?
僕は、ちょっとやんちゃくらいでした(笑)。高槻って、1から18まで中学があったんですよ。
そんなに!
はい(笑)。で、僕は18なんですけど、ここは平和で、いわゆる超ヤンキーはいなかったんですね。僕のときは、1、6、10が最強だったんですけど、18は超ナメられていたんです。ですから、ジャスコとかに行くと、6の最強にやばいヤツに絡まれたりするんです。
6は、18にどんなことをするんですか?
なにもしていないのに、バイクでグルグル回られて。「なに見てんだ?」といわれて、「見てない、見てない」と返しても、突然、蹴りを入れられます。その後、連れていかれて、ボコボコにされるんです。
こえー!! ちなみにボコボコって、どれくらいボコボコにされるんですか?
顔は守りますけど、お腹とか数十発。
何分くらい?
そのときは早かったと記憶しています。2分くらいでしょうか。友達は5分くらいでした(笑)。
アハハ! ちょっとやんちゃでも大変ですね! ちなみに部活とかはやっていました?
はい。小学生から高校1年までずっと野球をやっていました。
おおー。じゃあ、やっぱ阪神ファン?
はい(笑)。親もそうでしたから。巨人のことをいうと、家に入れてもらえない感じでした(笑)。
ステキですね(笑)。ちなみに埴岡さん的に、今回の阪神の監督交代劇はいかがでしたか?
僕はずっとキャッチャーだったんです。ですから矢野には賛成です(笑)。元々ファンでしたし。キャッチャーのなかでは、谷繁が1番好きでしたけど(笑)。
じゃあ、野球どっぷりの生活を?
はい、そうなんです。中学時代は、高槻市のクラブチームと、学校の野球部をかけもちしていました。月〜金は部活、土日は、クラブか部活の試合が入っていたので、本当に毎日野球でした。
そのあいだに、ちょっとやんちゃして?
はい(笑)。
そのあいだに女の子は?
ほとんどありません。ただ、小5からずっと好きだった子と、中3のときにおつきあいできたのですが、私のダサさのあまり、フラれてしまいました(笑)。
どんなにダサかったのですか?
まぁ、中学生にありがちなのですが、恥ずかしくて手も繋げなかったり、会話ができなかったり。その子は、それまで交際経験があったので、物足りなかったと思います。
デートとかは? ジャスコに行ったり?
さすがにジャスコはありません(笑)。一緒に帰るのがデートみたいなものなのですが、彼女を家まで送っていくと、僕、相当の方向音痴なので、自宅まで帰れなくなるんです。
自分ちまで(笑)?
はい(笑)。その迷っている姿を友達に見られて、次の日、学校で広まって。彼女からも「迷うんだったら、送らなくていいよ」なんていわれて、帰り道デートもなくなりましたね(笑)。あっという間でした。
ビジネスディビジョン・マネージャーらしからぬ過去ですね! で、高1まで野球を続けられたんですよね? どんな高校に入学されたのですか?
結局、中学時代は野球三昧だったので、まったく勉強をしなかったんです。ですので、偏差値45くらいの公立高校になんとか(笑)。
そこは高校野球が強いところだったんですか?
いえ、創立7年目くらいの高校で、まったく強くなかったんですけど、小学から中学まで一緒に野球をやっていたメンバー4人も同じ高校に入ったんで、僕はガチで甲子園を目指していたんです。ちょっとイケるんじゃないかと。マンガみたいなストーリーになりそうだし(笑)。
はい(笑)。
でも、奈良の天理高校とかと練習試合をしたら、「こりゃダメだ」と(笑)。
はい(笑)。
そこで、このまま中途半端に野球を続けても、甲子園には行けそうにないし、中途半端に進学するか、中途半端に就職してしまうと考えて、スパッと野球を辞めて、勉強することにしたんです。
おおー、ここで勉強と来るかー!
でも、そんなにすぐ勉強することはなく(笑)。「受験まで、まだ時間あるなぁ」と。
可愛い(笑)。どうしましたか?
まぁ、ちょっとだけやんちゃを。バイクとか…そんな感じです。
6中じゃないですか!
はい(笑)。
プーマのジャージ着て?
僕は、ベビードールっていう、ギャル男ブランドみたいなヤツがお気に入りでした(笑)。
アハハハ!
でも、街でホンモノの元6中のヤツらとも出くわすわけです。高校も辞めちゃって、キマっている人たちに。
いいですねぇ(笑)。
そこで、中学時代と同じようなことが繰り返されそうになったので、ようやく高2で、「勉強しよう」になりました。
そこからはずっと勉強ですか?
はい。
女の子は?
これも無く(笑)。まったくモテませんでしたから。
うーん、爽やかなイケメンなのにねぇ。
野球部とかを辞めた直後の人間って、1番ブサイクになる時期なんですよ。
どういうことですか?
元気はあり余っているから、めちゃくちゃ食います。更に運動をしないからめちゃくちゃ太る。頭も坊主の伸び立てですし、たくさんニキビもできますし。
なるほどー!
ですから、まったくモテないどころか、モテる、モテない、なんて、考えたこともありませんでした。
野球を辞め、ベビードールを脱ぎ捨て、女の子にも目もくれず、どれくらい勉強したんですか?
高2の秋からは1日12時間くらいやってました。
スゲエ!! でもなんらかの目標がないと、勉強も進みませんよね?
僕は神戸大学に入りたかったんです。ですから、それを目標にしていました。
なんで神戸大学に?
予備校の先生から、「ここから頑張って神戸大学に入れたらすごい」といわれたんです。それがきっかけになりました。
でもずっと勉強でしょ? 悶々としませんでしたか?
確かに、「いつ俺は童貞を捨てられるんだろう?」みたいな恐怖心はありました(笑)。学校で、イチャイチャしているヤツもいましたが、「俺は一瞬の快楽に溺れない。未来を見ているんだ」といい聞かせて、なんとか(笑)。大学に入ったら、なんとでもなるだろうと(笑)。
そして神戸大学に入学したんですか?
はい。
現役で?
はい。
18中時代から、頑張りましたねぇ。で、大学生活は謳歌したんですか?サークルに入ったり?
いえ、サークルには入らなくて、アルバイトと勉強ばかりしていました。
あら、エライ。大学は、何学部だったんですか?
国際文化という学部です。欧米の歴史や文化だったり、ITコミュニケーションとか、プログラミングの勉強もしていました。
ああ、今に繋がっているんですね。アルバイトは?
アパレル関係と中華料理屋です。
そして女の子です! 大学に入ったら、なんとかなりました?
あ、はい(笑)。1年のときに彼女ができました。
おめでとうございます!
その彼女とは今も付き合っていまして、去年婚約もしました。
ええっ! それはおめでとうございます!…ですけど、かなり早くないですか?
ああ、はい。周りからは「生き急いでいる」とよくいわれます(笑)。
なんで、生き急いでいるのですか?
そうですね、僕はちょっと、仕事に前のめりになりたいタイプなんです。楽しいですし。
はい、知っています。
でも、そのうち親から「結婚はまだか?」なんて、30歳くらいでいわれるんじゃないかと。孫がどうとか。
まぁ、いわれますよねぇ。
でも30歳とか35歳って、仕事がノリに乗っていて、更に楽しくなるであろう時期だと思うんですね。そこで余計な意見はいわれたくないので、先に結婚して、30代を迎えて、仕事に臨もうとは考えたんです。本当に好きな人ができればですけども。
できたじゃないですか!
まぁ、はい(笑)。あとは、2年前に父親が亡くなったんですけど、人っていつ死ぬかわからないじゃないですか? ですから、母親とかお婆ちゃんに、結婚の姿を見せてあげたいと思うようになったのも理由のひとつです。
おおー、人生設計! 高1のやんちゃ期は設計できてなかったのにねぇ。でも彼女はビックリしませんでした? 「生き急いでない?」って。
ちょっとは驚いていましたけど、ずっと、タイミングが合えば結婚しようとはいっていたんです。ただ、「タイミング悪い」とはいわれました。
タイミング、合ってないじゃない。
はい(笑)。彼女は今、大阪なんです。向こうの会社に勤めておりまして。
あら、遠距離恋愛?
はい。ですから、「なんで、このタイミングなんだ?」と。今もめっちゃいわれております(笑)。
じゃあ彼女は、東京に来るんですか?
いえ、おそらく1年以内に東京異動になるとのことなので、それを待ってから入籍する予定です。
お仕事、本当に楽しそうですけど、疲れません? ちゃんと休んでます?
うーん…土曜日もほとんど休んでいません(笑)。というか休みたくないんですよ。もちろん、彼女がこっちに来ているときとかは休みますけど、打ち合わせとかありますから。
もしかして、埴岡さんの会社って真っ黒ですか。
いえいえ、ちゃんと週休二日あります(笑)。スタートアップ企業の割には、むしろ相当ホワイトだと思いますよ。ただ、土曜じゃないと打ち合わせできないかたもいて、その人たちとの打ち合わせはすごく学びになるので、個人的に、私が入れているだけです。代休も取れますから。
さっき、「いつ取れるかわからない」っていったじゃない!
あ、そうですね(笑)。
日曜は休んでるんですよね?
はい(笑)。好きなことをしています。
なにをしているんですか?
マン喫に行ったり。
はぁ。
あ、でも日曜だけは、ちょっと豪華なランチを食べるようにしてるんですよ!
お! いいですね! どんなの? どんなの?
三軒茶屋の〈すぎの子〉っていううどん屋にある穴子丼セットが最高です。裏メニューなんですけど、めちゃくちゃ美味しいですよ!
おいくらですか?
確か1900円くらいします。
おおー、豪華! で、穴子丼のあとは、どう過ごすんですか?
そのあとは、月曜日からのタスク整理をします。
え? タスク整理? もう休みじゃないじゃない!!
日曜の夜に、月〜金、9時から20時まで、30分単位で、なにするかを全部埋めるんです。この作業が好きなんです。
変態ですか! 埋めたいんですか!
そうですね。埋まっていないと、勤務当日になって、一瞬自分がフワって浮くのがわかるんです。「なにしよう?」って迷っている時間が嫌なんです。
ベビードール着ていた子とは思えないですね! でも本当に大丈夫ですか? 突然カランカランになっちゃったりしません?
まぁ、半年に1回くらいは、疲れが出ちゃうときもあります(笑)。でもそのときは、パソコンも開かないで、スマホも切って、彼女と3日間くらい旅行したりするので、そこで切り替えるようにしています。
でも、その彼女さんですが、今も遠距離恋愛ですよね? これからご結婚されて、一緒に生活されますけど、彼女さんは現在の埴岡さんのライフスタイルを知っているんですか?
はい、知っています。めっちゃ嫌がっています(笑)。
ですよねぇ(笑)。
ですから、一緒に暮らし始めたら、「土曜出勤禁止」、「残業も8時くらいまで」、「会食入れすぎもダメ」といわれています。
守れるんですか?
ネゴっている最中です(笑)。その交渉が結構大変ですね。最悪、土曜出勤はスカイプにしようかと。
スカイプもダメ!!
はい、すいません(笑)。
最後に、これからの夢、野望を教えて欲しいのですが、やっぱり起業したいとか、あるんじゃないですか?
そうですね、当初はあったのですが、現在の会社の代表が結構キテレツな人なんです。東大から金融に行って、その後、Amazonに入った後に、アパレル業界向けのサービスを運営する今の会社を立ち上げたんです。今は、その代表と新規事業とかを一緒に動かすことが楽しくなっているので、現在の会社をもっと大きくして、そのなかのインナーの会社の社長とかになれたら嬉しいですね。
カッコイイなぁ! ちなみに彼女ともそんな話をするんですか?
するんですけど、めちゃくちゃディスられます(笑)。「難しい話を難しく話すのは簡単だよ」って。説教されるので、怖いです(笑)。
素敵な奥様になりそうですね!
はい(笑)。今日は本当にありがとうございました。
ホント、埴岡さんって好青年! でもベビードール姿も見たかったなあ。
いえ、もう、それは(笑)。
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