Photo by Jessica Van Der Weert, courtesy of Goldie and ARTA.
ゴールディー(Goldie)。本名はクリフォード・ジョセフ・プライス(Clifford Joseph Price)。まさしくドラム&ベースの王様であり、現役エレクトロニック・プロデューサーの中では、最も有名な男のひとりである。ボイラールーム* でDJをやった人間の中で、大英帝国勲章のMBE** を授与されたのは、彼くらいのものであろう。そんなゴールディーは、瞳孔が開きそうになるサウンドでブレイクする前も、グラフィティの世界では既に大物だった。ブリティッシュ・グラフィティとヒップホップ・カルチャーを記録した傑作ドキュメンタリー『Bombin’』(1987年)で大きくフィーチャーされ、MASSIVE ATTACKの3Dことロバート・デル・ナジャ(Robert del Naja)とは、アートバトルを繰り広げたことでも知られている。ゴールディーは「俺にとって描くことは、ごく自然なこと」といつもこの言葉を口にする。そして今日も電車にスローアップ* し、タギング** を続けている。