外陰部ウォッチングを体験する

外陰部ウォッチングを体験する

ドイツの婦人科形成手術・性器美学会の研究によると、女性の半数近くが自身の性器を嫌っているそうだ。
10.7.17

仰向けに寝転ぶ。下半身には何もつけていない。場所はある家のリビングルーム。ジャスミン(Jasmin)という名の女性が私のヴァギナを見つめる。私は、稀有な〈セルフ・アウェアネス(自覚・自己認識)〉の瞬間を体験していた。自分の気持ちを喋るよりも、他人に自分の外陰部を見せるほうがいいとさえ感じていた。

現在ジャスミンは、〈セックスポジティブのスペシャリスト〉になるべく、ベルリンにあるフェミニスト専門のセックスショップ〈セクスクルーシヴィターテン(Sexclusivitäten)〉で修業を積んでいる。この店のモットーは「女は何でもできる。でも、やるもやらないも自分次第」だ。たまの金曜日に、店のオーナー自らがワークショップを主催しており、参加者が自分自身の身体についてもっと知り、好きになるよう手助けをするのが、このイベントの目的だという。この週のテーマは〈外陰部ウォッチング〉。本イベントのFacebookぺージには、「私たちひとりひとりの美しい女性器を人の目に晒し、意見交換をし、特別な経験を皆で享受しあう」と説明されていた。

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というわけで、私もそのワークショップに参加してみた。参加者は女性6名で、全員30代半ば。セクスクルーシヴィターテンのオーナー、ローラ・メリット(Laura Merrit)の家のリビングに集合した。ローラの住居は店舗の上階にあり、店内に陳列されている商品が部屋にもあふれていた。たとえばヴァギナの形をした枕の上の棚には、ダイアン・ハンソン(Dian Hanson)の著書『The Big Book of Pussy』(2011)が置かれていたり、その反対側のキャビネットには、卵型のバイブレーターやガラス製のディルド、そしてフェミニスト用ポルノから革製ストラップ付きのペニスバンドなど、数多のグッズが並べられていた。来店中の男性客の声が階下からぼんやり聞こえるが、これから始まる〈女性限定快感サロン〉には参加させない、とジャスミンは語る。

裸ヨガやフェミニスト・ポルノ上映会、ヴァギナのマッサージレッスン、そして〈We shoot back(私たちもやり返す)〉と名付けられた潮吹きワークショップなど、ローラをリーダーとするチームは、さまざまなプロジェクトを進めている。女性が自分の身体を前向きに捉えられるようになるのがその目的だ。ヴァギナがよく見えるものになれば、女性たちは自分の身体ともっとうまく折り合いをつけられるようになるし、その手助けもできる、とジャスミンは考えている。

ドイツの婦人科形成手術・性器美学会(German Society of Intimate Surgery and Genital Aesthetics)の研究によると、女性の半数近くが自身の性器を嫌っているそうだ。「自分の性器に満足していない女性があまりに多すぎます。また、みんなが自らの性とうまく折り合いがつけられないのは、セックスについて話す機会がないからです」。このようにジャスミンは説明する。「社会は、私たちに〈恥を知れ〉と教えます。何らかの不安を抱いていたり、好奇心の強い女性がポルノを見るようですが、そこで、〈最高の女性器〉観を植えつけられるんです」。ローラは、彼女が主催するワークショップを通して、女性がもっとオープンに、もっと自信を持ち、そしてメインストリームのポルノやジェンダーステレオタイプを飛び越えて、自らの身体を受け入れられるようになれば、と願っている。

社会学者のアンナ=カタリーナ・メスマー(Anna-Katharina Meßmer)は、ヴァギナの理想美を研究している。「いちばん人気のヴァギナは〈ロールパン型〉です」。陰部ウォッチングから数日後の電話インタビューで、メスマーはそう教えてくれた。「キツくて締まりがよく、ツルツルしたヴァギナ。つまり加齢を感じさせず、出産後でもなく、処女を思わせるようなヴァギナです。あまり現実的ではありませんね」。セックス・セラピストのアンドレ・ブラウ(Andre Bräu)もその意見に同意しつつ、さらに補足してくれた。男性の性器は「前にぶら下がっている」ので、男性は自分の身体に対する理解や見解を深めながら成長できるという意見だ。