映画の特徴をミニマルに捉える、ピート・マジャリッチの名作映画ポスター

2016年、グラフィックデザイナーのピート・マジャリッチは、1年間毎日、計366枚の映画ポスターをデザインして発表した。好きなポスターから毎日ストリーミングで観る映画を決めれば、外出禁止期間も乗り越えられそう!
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translated by Ai Nakayama
Tokyo, JP
13.4.20
映画の特徴をミニマルに捉える、ピート・マジャリッチの名作映画ポスター
Toutes les images sont publiées avec l'aimable autorisation de Pete Majarich.

シドニーを拠点に活動するグラフィックデザイナー、ピート・マジャリッチは、2016年12月31日、壮大なデザインプロジェクト〈A Movie Poster a Day〉を完成させた。本プロジェクトは、その名前のとおり、映画史に残る名作のポスターを1日1枚デザインし、1年かけて計366枚のポスターを発表するという、相当な映画好きかつスケジュール管理に優れたアーティストでなければ成し遂げられない偉業だ。同年1月1日、クエンティン・タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』で幕を開けたこのプロジェクトは、12月31日、アルフォンソ・キュアロン監督の『トゥモロー・ワールド』で有終の美を飾った。

非常にタイトなスケジュールで制作されたポスターのはずだが、やっつけ仕事のような、ずさんな印象は抱かない。むしろ細部まで神経が行き届いた丁寧な仕上がりで、デジタルアートの影響を感じさせる大胆なデザインだ。それぞれのポスターの斬新なアイデアには、マジャリッチの映画への造詣の深さが感じられる。

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マジャリッチのサイト〈Craft and Graft〉では、本プロジェクトのコンセプトについて、オリジナルの映画ポスターのリメイクを意識しつつ、作品の内容と彼自身の「ポップカルチャーとミニマリズム」を合わせた美学に沿いながらデザインする、と説明されている。

プロジェクトで選出された映画作品を見ると、ある時代を代表する作品、オスカー受賞作、カルト的人気を誇るミニシアター系作品まで満遍なくピックアップされており、マジャリッチの鋭い審美眼、センスのよさが存分に発揮されていることがわかる。123日目のブライアン・デ・パルマ監督『スカーフェイス』のポスターは、コカインと思われる白い粉でアル・パチーノのシルエットを描き、26日目のアレックス・ガーランド監督『エクス・マキナ』では、アリシア・ヴィキャンデル演じる主人公の無表情な顔を複雑なプログラミング言語で浮き上がらせる。

本プロジェクトの完成を祝し、マジャリッチは全作品を収めた1本の映像を発表。鳴り物入りで発表されたテレビシリーズや三部作映画などと同様、このプロジェクトは全体を一気に見ると面白さが倍増する。このプロジェクトを達成したことで、マジャリッチは卓越した規律正しさと、才気溢れるクリエイティブ精神を証明した。また作風もいっそう幅広くなり、新しいスタイルも生み出せた。

上記の映像と合わせて、マジャリッチは「誰もが愛する映画というものに入り込む」ことができたように思う、と語った。全366作品からピックアップした数点のポスターと、全作品を2分半にまとめた映像を以下よりご覧あれ。

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This article originally appeared on VICE US.