Last Kiss, 2011作品を表現するのに、コンピュータが最適な方法だと気付いたのはいつですか?デジタルコンテンツに初めて関わった1999年のことだったね。皮肉な話なんだけど、28歳になるその年までコンピューターの使い方を全く知らなくて、ハードとソフトの違いさえ分かっていなかったんだ。正直、アート制作にコンピュータを用いることに強く反対さえしていた。手作りのアートワークこそが、唯一の芸術作品だと思っていたからね。自分の全く知らない未知なる世界、コンピュータに挑戦するのが怖かったんだ。でもそれ以来ずっと、素晴らしいデジタルの世界で、作品を作ったり新しいことを試して遊んでいるよ。永遠に子供時代にいるようで、とても楽しいよ。
Roots of the Beginning, 2013制作手法について教えてください。着想から完成まで、一つの作品にどれくらいの時間がかかりますか?使用しているソフト、作業手順についても聞かせてください。基本はAutodesk 3ds Max(※2)を使っているけど、他にもDaz3D(※3)、Mudbox(※4)、Photoshop、After Effects(※5)、その他たくさんの3ds Max プラグインを使って制作しているよ。まず最初に、メインとなるひな形を作る。いつも人間とは限らない。同時に、その周囲の環境も考慮に入れるよ。僕にとって、その関連性がとても重要だからね。次に、素材と照明デザインを色々試してみるんだ。と言うのも、(作品を創る過程の作業では、)全てがまるで劇場の舞台のようだからね。3D作業の最終過程は、構図に対して適切なカメラアングルを設定してレンダリング(※6)すること。レンダラーは、V-Ray(※7)を使っているよ。プロジェクトの複雑さにもよるけど、数時間で完成することもあれば数週間かかることもある。普通は大体、2〜3日といったところかな。あなたのfacebookページで、ご自身の作品を描写するのに「パラレルワールドからの3次元ビジョン」という表現を使っていますが、とてもよく要約されていると思います。あなたの「パラレルワールド」の定義について、詳しく説明してもらえますか?「パラレルワールド(または多元的宇宙)」とは、無限の可能性を秘めた宇宙論だ。僕のはごく幼少の頃から、常にこの理論に対する答えを探し求めていた。「もしあの時ああしていたら、どうなっていただろう?」「いや、もししていなかったら?」なんて、色んな可能性をあれこれ考えていたよ。この理論は今や、科学界や哲学界で定説になっているけどね。僕はこの言葉を、自分のアートの本質を表現するために使っているよ。3次元空間で作業していると、本当に、創造の限りない可能性を感じるんだ。媒体そのものがインスピレーションを与えてくれて、制作過程を導き出してくれたことが何度もあるよ。いつだって、全く新たな自然界の法則によって、全く新たな世界を一から創り上げることができるんだ。
The Waiting Hands, 2010マルティナキスの作品についてより詳しくは、彼のブログとfacebookページで見ることができる。脚注:(※1)デジタルスカルプター:専用ソフトウェアを用い、デジタルの世界で粘土をこねるようにして直感的に形を作って表現するアーティストのこと。(※2)Autodesk 3ds Max:オートデスク社による、ハイエンド3次元コンピュータグラフィックスのソフトウェア。キャラクターアニメーション、映像、CAD製品との連携に関して意識されており、それらの分野に使用されることが多い。(一部Wiki引用)(※3)DAZ 3D:米DAZ 3D Inc.による3DCGソフトウェア。(※4)Mudbox:オートデスク社による、3Dスカルプティング及びペインティングツールソフトウェア。 ペイント感覚でモデリング可能。(※5)After Effects:アドビシステムズによる、映像のデジタル合成やモーション・グラフィックス、タイトル制作などを目的としたソフトウェア。(※6)レンダリング:ここでは、3次元オブジェクトから3DCGを描画すること。また、レンダリングを行うソフトウェアをレンダラーと呼ぶ。(※7)V-Ray:ブルガリアのChaos Group Ltdによるレンダラー。プラグインとして動作し、非常に高速でフォトリアルなレンダリングができる。