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東京を後ろ向きに歩く、9時間の映像作品『Tokyo Reverse』がフランスで話題に

フランスのメディアアーティストSimon Bouissonが、「東京を後ろ向きに歩く」ことをテーマにし映像を逆再生した作品『Tokyo Reverse』を制作。本編は9時間だが、その予告編が本国で話題となっている。

フランスのディレクター、メディアアーティストであるSimon Bouisson。彼は、「東京を後ろ向きに歩く」ことを表現するために映像を逆再生した作品『Tokyo Reverse』を作った。この映像の本編はなんと9時間。本国の放送局でもこの予告編が流れ、おもしろいと話題になった(2014年4月現在)。これは、フォトグラファーのLudovic Zuiliとともに、「後ろ向きに歩く」ことを意識して東京を撮影したという。つまり逆再生させた映像で、周囲の人々が後ろ向きに歩く中、まるで彼一人が前進しているかのように見せる仕掛けである。

映像の作りや発想は至ってシンプルだが、東京をこのような角度で見れるのが興味深い。9時間もある本編は、3月31日にフランス放送局のフランス4(※1)の、『Slow TV』(※2)にて一気に放送されたという。

フランスの新聞『Le Monde』は、このプロジェクトを「小さな革命」とまで評した。同記事にて、フォトグラファーのZuiliは、「繁華街やショッピングモールなどを歩くときに、動作を自然に見せるためダンスのレッスンを受けた」と語っていた。

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上記で紹介した作品以外に、逆再生映像の傑作として、フライング・ロータス(※3)のMV『Until The Quiet Comes』も有名だ。同作は、インドのニュー・デリ出身、ロスを拠点に活動する映像ディレクター、Kahlil Josepが手掛けた。

『Tokyo Reverse』からのスチール写真は以下の通り。

脚注:

(※1)フランス4:フランスの公共放送局。音楽やアート系の番組が多い。

(※2)Slow TV:鉄道の旅や、羊の毛を刈り取って編み物をするなど、長時間にわたる作業を編集することなく、そのまま放送する番組。ノルウェーが発祥の地で、フランスでも同じコンセプトの番組が制作・放送されている。

(※3)フライング・ロータス:LAを拠点に活動する音楽プロデューサ、ビートメーカー。新時代のビート・ミュージックの先駆けとして各方面から大きな支持を得るアーティストのひとり。

(※4)『Until The Quiet Comes』:2012年に発売した、フライング・ロータスの4作目となるアルバム。