Who Are You?: リカロープさん シンガーソングライター

「CMでかかっている曲を歌っています。♪♪たまごクラブ、ひよこクラブ♪♪ 20周年特大号、詳細はウェブでっ…いかがでしょうか」

by VICE Japan; photos by SUSIE
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06 november 2015, 2:46pm

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毎朝通勤途中に「おはようー」って言っていたマギーの水着の看板が、とうとう外されてしまいました。結構長い夏でしたね。次はどんなマギーが来るんだろう。マギーじゃなくてもいいけどー。木村文乃とかいいね!冬だけど水着でもいいですよ。素肌にサンタとかいいね!

日々の生活の中で、私たちはたくさんの人たちとすれ違います。でもそんなすれ違った人たちの人生や生活を知る術なんて到底ありません。でも私も、あなたも、すれ違った人たちも、毎日を毎日過ごしています。これまでの毎日、そしてこれからの毎日。なにがあったのかな。なにが起るのかな。なにをしようとしているのかな。…気になりません?そんなすれ違った人たちにお話を聞いて参ります。

リカロープ(りかろーぷ)さん:シンガーソングライター

(CDをいただいいて…)ありがとうございます。こちらリカロープさんのレーベルなんですか?

はい、自身のレーベルです。

C’est-bon! label…ですか。チェスト・ボン。

いえ、その…「セボン」です、すいません。

あ!こちらこそ本当にすいません。リカロープさんはシンガーソングライターさんで、さらにCMのお仕事もされていると聞きました。

はい、CMでかかっている曲を歌っています。

私が知ってるのありますでしょうか?

そうですね…「♪♪たまごクラブ、ひよこクラブ~♪♪」

うお!マジっすか!!いつも聴いてるヤツだ!!もっとください!

では…「♪♪たまごクラブ、ひよこクラブ♪♪20周年特大号、詳細はウェブでっ」…いかがでしょうか。

可愛いっ!ハイ、美味しゅうございました。ちなみにCMのお仕事ってどのように進むのですか?

「こんな感じで歌ってください」というご要望に、その場で瞬時にお答えしていく感じです。

「もっと低い声で歌ってください」とかですか?

そうですね。色々な声の引き出しを持っていないとダメですね。時には20歳年齢下げてギャルにもなります。

ギャルですか、フフ…。で、この「リカロープさん」っていうお名前なのですが、やはりリサ・ローブから来ているんですか?

はい。リサ・ローブが大好きですし、私、本名がサイトウ・リカなので、そこからもじって付けました。

なぜ本名でやらなかったのですか?

当時、学校の先生をやっていたんです。ですので、別の名前で活動を始めました。最初は冗談みたいな感じで付けたんですが、このまま来てしまいました。

あ、先生だったんですか?何の先生ですか?

中学校の英語の先生です。

へぇ~、やっぱ人に歴史ありですね。じゃ、その人生辿らせてください。お生まれはどちらですか?

生まれは東京の世田谷なのですが、育ったのは神奈川の海老名市です。小、中、高、大、社会人まで海老名市でした。

どんな小学生でした?

えーっと、一輪車?ファミコン?あ、やはり音楽が好きで、ベストテンとかに夢中になっていました。

久米宏が辞めてね、コニタンが二代目司会者だったの覚えてます?誰が好きでした?

キョンキョンとか明菜ちゃん、聖子ちゃん、マッチ…

完全に年がバレますね。ま、ベストテンの時点でバレてますが。

すごくミーハーだったので、テレビ観覧の応募とか結構していました。一回当たったことがあるんですよ。マッチとか河合奈保子さんがいて、ひな壇に私たち小学生が座って、アイドルにお願いをするっていう…

なんだろう?「ヤンヤン歌うスタジオ」かな?

いいえ、「歌謡ドッキリ大放送」です。それで「ハイハイ!!」って手を上げてたら、私指されたんですー。

おおー!何をお願いしたんですか?

アブラムシの歌っていうのがあって、マッチが一緒に踊ってくれました。もう~、マッチが本当にいい人で、握手したんですけど手とかもイイ匂いで…

そりゃテレビだから、マッチも愛想悪くしないでしょ。

ひな壇に戻ってもずっと手を嗅いでいたのを覚えています。

最初に買ったレコードは、覚えていますか?

そうですね、確か中森明菜ちゃんの「セカンドラヴ」かなー。あとシンガーソングライターも好きで、ユーミンとかEPOさんとかも聞いていました。

EPO!懐かしですねぇ!!でもヤングな読者のみなさんは、ついて来られなくなっていると思いますので、もうやめましょうね。さて中学校に参りましょう。部活はやってました?

はい。バドミントンをしっかりやっていました。

そろそろ好きな男の子が出来る頃じゃないですか?マッチみたいのいました?

まったくいなかったですねぇ。ただこれが海老名市屈指のヤンキー学校でして、卒アルめくれば、氣志團みたいのがたくさんいるっていう。本当に廊下をバイクで走っちゃう感じでした。

えー?スクールウォーズみたいの本当にあるの?

ええ。もうガラス割られまくりですし、授業中もいきなり先生にキレて殴りかかったり。そうなったら、みんなで机を下げて、先生と取っ組み合いになっているのを傍観するような学校だったんです。

こえ~!時代ですねぇ。女の子のヤンキーは?

はい、いました。「前髪長すぎんだろ」ってヤンキーの先輩に言われて、悔しかったのでデコが丸見えになるくらいに切って「これでどうですか?」なんてやっていました。

ちょいちょい分かってきたんですけど、リカさん結構グイグイ行く感じですよね。さて、高校は?音楽は始めました?

もちろん好きでしたけど、聴くだけでした。またバドミントンをやっていましたし。

結構バドミントンはしっかりやっていたんですね。

はい、大会に向けてガチで練習していました。ただ、さすがに部活だけの高校生活も寂しいと思ってので、内緒でバイトも始めました。

何をやっていたんですか?

ミスタードーナツです。

バイト代で何を買いましたか?

そうですね、ラケットとかジャージとか。

結局ヨネックスに貢献ですか!好きな男の子もヨネックス着てました?

いえいえ(笑)、サッカー部の男子です。

お付き合いしたんですか?

はい。高一の頃からずっと好きだったんですけど、高二の最後くらいからお付き合いさせて頂きました。

イイ男?

イイ男でした。

どんな風にイイ男?

顔はちょっと草彅剛に似ていて、穏やかなイイ男でした。私が落ち着きない性格なので、おっとりして、温かい感じが素敵だったんです。

へぇー。どんなデートしていました?

それがもう受験の準備に入っていたので、図書館で勉強したり、一緒に帰ったり…そんな感じでしたね。

大学は東京ですか?

はい、海老名から通ってました。すごく遠くて、片道2時間半くらいかかりました。

うわーそれは毎日キツイですね。東京のどちらまで?

武蔵小金井です。文化女子大学に行ってました。

あれ、文化って新宿じゃありません?

いえいえ、ファッションの方は新宿なんですけど、私が行った英文科だけ離れているんです。私も知らなくて最初はショックでした。

往復で5時間でしょ。何をやっていたんですか?スマホも無かったでしょ。

ええ。一度気になって計算したんです。そしたら4年間で電車の中に4ヶ月住んでることになると。「こりゃ、大変だ。有効に使わないとアホになるぞ」と思いまして、電車の中で英語の勉強をして、話せるようになろうと目標を立てたんです。

石川遼クンのスピードラーニングみたいな。

ええ。ラジオ英会話を録音して聞いたり、本を読んだりしていました。それに大学3年生のときに必修で留学もあったんですね、それに向けての準備にもなりました。

留学はどちらに行ったんですか?

アメリカのコネチカットです。すごく田舎の町にホームステイしたんですが、なんていうんでしょう、こんなに世界って広いのかって。ライフスタイルも全然違うし、価値観も、食べるものも…初めて異文化に触れて本当に衝撃を受けんたんですね。音楽を聴くにしても、これまでは部屋の中とか電車の中でヘッドフォンしてっていうのが当たり前だったんですけど、ホームステイ先のママさんが、大学まで車で送ってくれるときにですね、もう周りは本当に何も無くて、とうもろこし畑をひたすら走っているだけなんですけど、そのときにラジオから流れてくる音楽と、この永遠に続くとうもろこし畑が思いっきりリンクして「うわ~!!!!!!」ってなりまして。この留学で、確実に人生観が大きく変わり、やりたいことも見つかったんです。

それが音楽ですか?

はい、ひとつが音楽です。留学中にいろんな音楽を聴いて…リサ・ローブもそうなんですが…、本当に「音楽っていいな」って思うようになりました。そしてもうひとつが先生なんですね。授業の一環で、現地の小学生に日本の文化を教えるカリキュラムがあったんですけど、そのときの生徒たちが本当に可愛かったし、そして私も本当に楽しかったんです。それで先生になろうと決めたんです。二つがバッチーン!!ってなりました。

でも先生は、大学を続ければなれるじゃないですか。音楽の道は具体的にどのようにして進んだのですか?

たくさん音楽を聴いているうちに、なんとなくメロディだったり、詞みたいなものが断片的に浮かぶようになったんです。小学生の頃にピアノをやっていましたので、そういうのをちょこちょこと書き留めるようになって。もちろん、まだまだ趣味の世界でしたけど。

それでまずは卒業して先生になったと。でも中学校の先生ですよね?ヤンキーの凄さも味わっているのに大丈夫でした?

そうですね、やんちゃな生徒もいましたが、自身の中学時代があったので、それが役に立ちました。

やはり役に立ちましたか(笑)。最初の授業とかって覚えてます?どんなキャラで行こうかとか決めてました?

はい、覚えています。もちろん緊張しましたが、ここは明るくて、元気な先生で行こうと。黒い部分…というか、毒は出さないで行こうと。「グッモーニン!エヴリワン~!!」ってなノリでスタートしました。

では、リカ先生のダークサイドが出たのはいつですか?

(笑)そうですね…えっとある日のことなのですが、授業中、男子生徒数名が目配せして、なんか始めようとしていたんです。私も「なんかあるぞ、コリャ」って思っていたのですが、いきなり一人の生徒が私の胸にタッチしたんです。

おお!来たー!で、どうしました?ダーク出た??

ええ(笑)。生徒たちは私が泣き出すと思っていたようなのですが、やっぱ出ちゃいまして…

なんて言ったのですか?

……「ふざけんなゴラーッ!!主犯は誰だ?オメーか?オメーか?」

ええ(笑)。

「今度やったら使い物にならないくらいキン○マ握り潰してやる!」…と。

ひぇ~!!!!

今言ったらもちろん懲戒免職になりますねぇ。

そこから一気にリカ先生の時代が来たんですね!

(笑)。でも確かにキン○マの威力って、

今普通にキン○マって言うてますよ。

ああ!すいません、すいません!!…えっと、それの威力が凄くて、それから学校の男子生徒たちは、私とすれ違うたびに「ちぃ~っす」って両手で股間を押さえるようになりました。

アハハハハ!!股間ブーム!

「握り潰しのリカ」って言われるようになりました。

「特攻の拓」かよ(笑)!!

でも生徒たちは本当に可愛かったです。それから何校か学校も変わって、ヤンキーもいたんですけど、なんか親近感みたいなものを感じてまして。やはりそれって中学時代に培ったものなんですね。

じゃ、ヤンキーにもガンガン言っていたと。じゃ、「握り潰しのリカ」の名言、もうひとつください。

……そうですね。タバコ吸ってるところを発見しました。そのときは「キミ、キミ、14歳とか、こんなに身体が成長しているときに、ニコチンなんか吸ってたら…」

吸ってたら?

「勃たなくなるぞ」

またシモかよ!

「え?勃たなくなるんすか?」「勃たなくなるよ~、全く勃たなくなるよ~」「マジっすか!」「マジ」……って感じです。

武田鉄矢も霞むホットティーチャーですね。でも最近の中学生はおとなしくなったとかって聞くじゃないですか。

そうですね、確かにヤンキー時代とは違います。あまり自我を出さない子が多くなったといいますか。でもやはり中学生が考えていることは面白いです。発想というか、ユニークというか。前も教室に入ったときに、黒板に先生方の名前が書いてあったんですね。それで「二位:リカ先生」となっていまして、「なにこれ?」って訊いたら「やべえやべえ」って急いで消すんです。「なになに?なんのランキング?」ってしつこくしつこく訊いたら、「ペチャパイ・ランキング」だと。

アハハハ!!

一位は男前な女性の体育の先生なんですよ。で、私が二位で。

怒りました?

いえ、実は巨乳なんで、サラシ巻いて学校に来ていると言いました。

リカ先生、バカ過ぎ(笑)!!

巨乳のため、教育上良くないので巻いていると。そしたらやっぱ「マジっすか」って。本当にくだらないんですけど、本当に面白いんですよ、中学生って。そんな毎日が、その後の曲作りにも大きく影響していると思います。

そうだ!お歌の話をしなきゃ!真剣に取り組み始めたきっかけは?

はい、もう既に先生になっていたんですが、たまたまラジオでベン・フォールズ・ファイヴを聴いたんです。それで大好きになってライヴにも行ったんですが、さらに席が立てなくなるくらい感動したんですね。それで私もピアノだったんで、ちゃんとやってみようと。学校が終わってから曲作りするような毎日でした。それである程度曲がたまってきたので、デモテープをいろんな所に送っていたんですね。5年間くらい続けてたら、あるレーベルからお声がかかってCDを出したんです。

それまで人前で歌ったことは?

ほとんどなくて、オーディション・ライヴで演奏したくらいです。

初めて自分のCDがお店に並んでいるのを見てどうでした?

感動しました。視聴している人に「これ、私です!!」「はぁ…」って。

(笑)でもCD出したらライヴやらないといけませんよね?どうでした?

右も左も分からなかったし、もちろん緊張もしましたけど、ただ人前に立つことは学校で慣れていましたので。お客さんたちを「チビッコの中学生だ」と思ってなんとか(笑)。

歌っていることを生徒たちには言っていたのですか?

いえ、最初は内緒にしていました。ひっそりと。

でも言うときが来るんですよね?バレた?

ええ、バレました(笑)。それでしばらくは両立していたんですが、CMの仕事とかも入り始めてきたので、これはもう限界だと。それに「先生もやっているシンガーソングライター」という代名詞がついておりまして…

あ、「落語が好きなアイドル」みたいな?

ええ(笑)。それに対して不満はなかったのですが、ただちょっと学校にも取材依頼とかが来るようになったんですね。もう迷惑はかけられないので、それで音楽に専念することにしたんです。ただ現在も、病気とか、産休の先生などがいらっしゃったら、非常勤講師として代わりに行っています。

歌手ライフは充実していますか?

はい。作品も出せていますし、ライヴもちょこちょこと。

いただいたこのアルバムは最新作ですか?

すいません、宣伝みたいになっちゃいますが、出たばかりなんです。

狙ったな!このヤロ!

いえいえいえいえ!本当に偶然です。

冗談ですよ、冗談。知ってます。

レコ発ワンマンライヴもあります。

調子には乗らないでくださいね。それではこれからの夢を教えてください。

そうですね、教育現場から一度離れたことで、ちょっと恋しくなっているんです。半年くらい前に三ヶ月ほど先生をやったのですが、やはり生徒たちは可愛いかった。それに教えることも改めて好きだと感じたんです。これまでは「音楽」と「先生」をきっちりと分けないといけないって思っていたんですけど、いい意味でグレーゾーンにしたいなって思っています。実は最近、「講演と歌」みたいな感じで、学校が呼んでくださるようになりました。こういった活動を全国各地で出来たら最高だなあって思っています。

「握り潰しのリカ」から「さすらいのリカ」になるんですね!

いえいえ、まだまだ握り潰して行きますよー!!

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