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ポートレートカメラマン、奇才オリバー・マークが撮る世界

ポートレートカメラマンOliver Mark(オリバー・マーク)にインタビューを実施。今回は、数々の著名人のポートレートを撮るようになったきっかけから彼なりの撮影美学に至るまで、オリバー・マークという人物を徹底的に深堀りした。

by Shotaro Tsuda
20 July 2014, 1:51am

オリバー・マーク(Oliver Mark)は1963年ドイツ生まれの写真家である。主に人物を撮影するポートレートカメラマンとして知られており、2013年から2014年にかけてはロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーにて写真展を開催。マリリン・マンソンやマイリー・サイラスといった大物アーティストのポートレートを手がけてきたオリバー・マークに、ポートレートを撮り始めたきっかけから、実際に最高のポートレート撮るときのコツをインタビューした。

ベルリンに拠点を置くポートレートカメラマン、オリバー・マークへのインタビュー当日、私が彼のところを訪れると、彼ははたきを振るいながら玄関から出てきた。一目見た瞬間に「彼が興味深い人間であること」を悟った。彼は、ベック、マリリン・マンソン、ルーファス・ウェインライト、マイリー・サイラスを始め、ありとあらゆる人々を撮影してきた。彼は私と話しながら、アパートの部屋を歩き回って本のページをぱらぱらと見せたり、デスクトップ型パソコンの前に立ち止まって画像をピックアップして見せてくれたりした。それからスチール製のキャビネットを開けてポラロイド写真の山を見せ、それぞれ撮影した人の名前を叫びながら、写真を机の上に落としていった。

最近、ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリー(脚注①)で、オリバー・マーク名義での作品が展示されていた。彼の写真集の最新作『Outsider and Insider』は、ダスティン・ホフマン、オノ・ヨーコ、ローマ教皇ベネディクト16世の白黒写真のポートレートが収められており、これらは彼があらゆるパーティーへ持っていくポラロイドカメラで撮影されたものである。マークは、他のカメラよりポラロイドの方が被写体をくつろいだ状態で撮ることができると語る。彼はドイツの一流の出版物に向けて有名人を撮影する一方で、個人のポラロイド・シリーズのために、こっそりと2枚目の写真を撮影しているのだ。そしてこのコレクションが、急速に増えつつあるというわけだ。

INTERVIEW:Oliver Mark/オリバー・マーク

あなたがポートレートを撮り始めたのはいつですか?

僕が最初に撮ったポートレートは1994年に撮ったA.R.ペンクという画家だね。それ以前は、商業ファッションの撮影をしていたんだけど、その頃に芸術家のポートレートを撮影し始めて、それをディー・ツァイト新聞(脚注②)の編集者に見せたところ、僕に最初の仕事をくれたんだ。それが撮り始めた経緯かな。

その行為はアートシーン発信のもの?

ここベルリンで、僕はアートシーンと深く関わっている。色んなオープニングイベントにも行くしね。例えば、ピアニストのアルフレート・ブレンデル卿に講義をしてもらったこともある。彼は話しながら額を指さしていたので、講義が終わった後、ポートレートのためにもう一度そのポーズをするように頼んだこともあるよ。

マイリー・サイラス

マイリー・サイラスも撮影していますよね。彼女の顔にかかっているのは何?

彼女はあまりに可愛いものだから、かえって退屈に見えたんだ。だからエマルジョン(感光性のコーティング)を消したのさ。

あなたにとって、カメラマンという仕事の魅力は何ですか?

「一瞬の時間を捉えることができること」かな。僕が他の人を見ている瞬間を面白いと思うように、誰かが僕の写真を見たときも、それと同じように面白いと思ってもらえるんじゃないかな。

芸術家を撮るのと音楽家を撮るのは何か違う部分はありますか?

写真を撮っていて、唯一異なる集団っていうのは、トップの政治家と経営者たち。彼らは今までの人生であまりにも数多くの経験をしてきたことが明らかなんだよね。しかも彼らはカメラに撮られることに慣れてしまっている。そのようなタイプの人たちから、感情を引き出そうとするのはとても難しいことなんだ。

マックス・ラーベ&マリリン・マンソン

ポートレートカメラマンとしてのゴールは、何らかの感情を呼び起こしたり、これまでにはなかった何かを引き出したりすることですか?

僕にとって、良いポートレートっていうのは、見る側に何かしらの感情を与えるもの。それはセクシーであったり、憂鬱であったり、力強さであったり、何でもいい。ポートレートはその時々で常に変わるものだし、それが僕の人の見方なんだよね。

ウィル・スミスの撮影で枕を使ったのはあなたのアイディア?

もちろんだよ。モデルにいつも目を閉じてもらう『Ich habe einen Traum』(ドイツ語で『私には夢がある』)というコラムシリーズがあるんだけどね、それはインタビューというより、お喋りをしているような感じかな。大体一流ホテルで撮影するんだけど、前もって、彼らをどう撮るのかっていうことを考えておかなくちゃいけない。でもウィルの時は、「枕を使って目を閉じる」というアイディアがパッと浮かんだんだ。 そういえばアメリカでは、ドイツと違って被写体となる人(アーティストやモデル)は、いつも4、5人の広報担当みたいな人たちを連れてくるんだよね。まるで「何もかもが大事で、誰もが重要」みたいな。大げさだよね。でも実際たいていの才能ある人はクールな人たちばかりだよ。

ビル・キャラハン

あなたはどれくらい深く、写真のテーマを掘り下げていますか?

「人の魂の内側にたどり着こうとする感覚」は十分に理解しているつもりだよ。自分が何に対して恐れを抱いているのか、そして相手がどのように表現され、そして表現されたいのかをちゃんと見ようとする。それをするためには自分の心を完全に開くことが大切かな。

ベストショットを撮る秘訣は何かある?

自分のありのままの姿でいることかな。今まで色々と失敗してきたので、あらゆる自惚れを捨てようとしますが、もちろんいつも成功するわけじゃないんだ。

じゃあ最後に一つ。まだこれから、撮りたいと思う人はいる?

そうだなあ、新法王とグレン・ブラウン(英国のアーティスト)は撮ってみたいと思うね。

オフィシャル・サイト

Translated & Edited by Shotaro Tsuda

(脚注①)ナショナル・ポートレート・ギャラリー:ロンドンにある美術館ナショナル・ギャラリーの別館であり、ポートレイト専門の美術館

(脚注②)ディー・ツァイト新聞:ドイツ・ハンブルクに本拠を置く、週刊発行される全国新聞