スマホの壁紙から窺う難民たちの人生

ベルリンに到着した難民の数人に、自身にとってのスマートフォンの意味を教えてもらった。ある人たちは、失った家族、もしくは離別中の愛する人のアルバム代わりとして、また単純に、ボロボロのボートで向かったヨーロッパへのナビ代わりに使用した人もいた。

戦禍に苦しむ中東、アフリカから、ヨーロッパへ流入するの移民問題のなかで、ある論議が浮上している。移民受入れに反対している欧州住民たちが、移民たちがとあるテクノロジーを利用するのを非難しているのだ。「おい、なんで連中は洒落たスマホを持っているんだ? 大金持ちの証拠だ。なんで、ここに来る必要があるんだ?」

冷静に考えなくても、バカげた意見だ。まず初めに、大金持ちでなくても携帯電話は所有できる。プリペイドカードなら安価で入手できる。そして重要なのがふたつ目。ヨーロッパ中を歩き続ける多くの移民とお金のあいだには、何の関係性もない。彼らの母国は戦争によって疲弊し、住んでいた家は破壊された。いつ命を落としても不思議ではない。母国では生活できなくなった彼らと関係があるのは、その事実だけだ。

しかし、無知で勝手な投稿、根拠のない嫌悪を示すミームなどによって、この議論は、現在もソーシャルメディアで拡がり続けている。

私たちは、ベルリンに到着した数人の移民に、彼らにとってのスマートフォンの意味を教えてもらった。ある移民は、失った家族、もしくは離別中の愛する誰かのアルバム代わりに、また、別の移民は単純に、ボロボロのボートで向かったヨーロッパへのナビ代わりに使用していた。彼らのスマートフォンに対する愛着はそれぞれである。ただひとつだけ、全員に共通していたのは、スマートフォンを失くした場合の恐怖だった。

「この写真を壁紙にした理由は、母親を思い出すから。私は16歳ですが、唯一この写真が家族、友人との繋がりを感じさせてくれます」

「家族との新しい生活を見つけるためにドイツに来ました。5人の子供たちが、ヨルダンで待っています。このスマートフォン以外は、何も持ってきていません」

「彼女は、エリッサというレバノンのポップスターです。ヨーロッパに着くまで、音楽を聴く気にはなれませんでしたが、ドイツに入国してからは、また聴きたくなりました」

「私たちにとってスマートフォンは、本当に、本当に、大事なものです」(ソマリアから来たカップル)

「このスマートフォンは、私の魂より大事です」

「この写真は、ビザを取得後に撮りました。この旅を象徴している一枚です」

「ViberやWhatsApp、Facebookを通して、あらゆる人と連絡が取れます」

「私の娘です。彼女はまだシリアにいますが毎朝、毎夕、毎晩、お喋りをしています」

「これは古いスマホの壁紙です。母が新しい機種をくれたのですが、壁紙を移し替える方法がわかりません。写真はISに殺された兄弟です。もうひとりの兄弟は、アサドの部隊に殺されました」

「私の4人の子供たちです。旅の最中、ゲームで遊ばせたり、ドイツの言葉を教えたりするのに、スマートフォンはとても便利でした」

「旅の途中、海にスマホを落としてしまいました。今はこれを使っていますが、お金ができたら、新しいものを買うつもりです」

「風船やテープを使って、スマートフォンを水から守りましたよ」

「これは、パシュトゥーン人の民族服です。パキスタンを思い出します。そこでは誰もジーンズなんて履いていません」

「友人と、その子供です。私たちが滞在していたハンブルグのキャンプで撮りました。とても楽しいひとときでした」

「ボートをギリシャにナビするために、GPSを使いました。しかし、使えるのは昼間だけです。光ってしまうので、夜は警察に見つかってしまいます」

「なぜかわかりませんが、この写真が好きなんです」

「私たちは、シンジャールから来た4人のヤジディ教徒です。ここまで50日間かかりました。やっと着けたので、辛かった旅も今ではなんともありません。SkypeやViberを使いたいときは、友達のスマートフォンを借ります」

「これはデフォルトの壁紙です。変更する方法がわかりません。」

「25人のシリア人グループで到着しました。GPSで確認する係、電車を調べる係など、それぞれ係がありましたが、私にはありませんでした」

「最初からスマホに入っていた写真です。最近、私の友人は電話を盗まれてしまいました。背後から走ってきたヤツらに奪われたんです」

「このスマートフォンがなくては、旅は不可能でした。海でも、陸に上がっても、常に使用していました」

「娘です。彼女をとても愛しています」

「義理の母の写真です。リビアでISに殺されました。10年前からこの電話です。実際、大事なときにしか使いません」

「キリスト教徒の友人と、クルディスタンで魚釣りをしたときの写真です。いい思い出なので、一緒に持ち歩いていたいんです」

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