EUを揺るがする英国のEU離脱騒動

EU離脱の是非を問う英国民投票の結果に動揺を隠せないヨーロッパ各国首脳は、離脱交渉の開始を求めている。影響は世界に波及し、関係各国は予断を許さない混沌とした状況のなか、対応に追われている。

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25 June 2016, 10:16am

EU離脱の是非を問う英国民投票の結果に動揺を隠せないヨーロッパ各国首脳は、離脱交渉の開始を求めている。影響は世界に波及し、関係各国は予断を許さない混沌とした状況のなか、対応に追われている。

デヴィッド・キャメロン首相は、EU離脱に賛成52%、反対48%という国民投票の結果を受け、先週金曜日には辞任を表明した。キャメロン首相の辞任、国民投票の結果は、全世界の株式市場に衝撃を与え、英国史上類をみない劇的なポンド下落を引き起こした。

キャメロン首相は、保守党が新たな党首を選出する今年10月までは船頭としての役割を果たすつもりであるが、EU離脱の手続きは後継者に任せる、と発表した。

リスボン条約第50条が正式に通告されるまでは、国民投票によって離脱が決定したものの、英国はEU加盟国のままである。

しかし、EU加盟国のうち数カ国は、出来るだけ速やかに英国はEUを離脱すべきであると判断し、同国に同条約第50条の早期発動を要求している。

ジャン=マルク・エロー仏外相は、「われわれは新たなヨーロッパを築かねばならない。さもなくば、ポピュリズムがヨーロッパを席巻するだろう」と警鐘を鳴らす。

「離脱を早急に進めるべきだ。そうすれば、中途半端な状況に止まらずに新たなヨーロッパ構築に専念できる」。ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、6ヶ国のEU創立メンバーとの会談を終えた、フランク=ヴァルター・シュタインマイヤー独外相はロイターに語った。

アンゲラ・メルケル独首相は、より慎重だ。彼女は、英国は離脱を急ぐ必要はないが、「率直にいって、何年もかけるような問題でもない」とコメントした。

EU加盟国のうち数カ国の指導者は、英国民投票の結果により、ドミノ離脱が発生する可能性と、欧州統合懐疑派、ポピュリスト、反体制的政党などがEUのなかで支持を獲得するのでは、と懸念している。

フランスでは、国民戦線のマリーヌ・ル・ペン党首が英国のEU離脱に賛意を表している。ル・ペン党首は、来年の大統領選での活躍が期待されている。

スロヴァキアの極右政党「人民党、われわれのスロバキア」は、25日土曜日、EU離脱を問う国民投票実施を求める署名運動を開始する、と発表した。「英国民はブリュッセルからの指令を拒否すると決意した」「今こそ、ヨーロッパという沈みかけの『タイタニック号』から、われわれのスロバキアは脱出すべきだ」

英国通過のポンド/ドルの為替レートは、1985年に記録したことのない底水準まで下落した。同国のEU離脱決定が生む懸案事項は、世界第5位の経済大国への投資減少、世界金融の中心としての地盤が揺らぐ恐れだ。220万人の雇用者を抱える英金融業界は、欧州のクライアントにサービスを提供できなくなる可能性もある。