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アレッポの生霊③ シリア 反体制派の素顔

ダーイッシュ(自称イスラム国)がメディアを賑わせるせいか、ムスリム=テロリスト、という観念図式が着々とわれわれのあいだに浸透しつつある。ダーイッシュでもアサドの犬でもない、シリア反体制派の日常を紹介したい。

再公開『アレッポの生霊』第三弾。

一向に好転しないシリア情勢、致し方なく、生国を後にし難民となったシリア人は、現在約390万人。アレッポで銃を構えるシリア人、異国の地で糊口を凌ぐことすらままならないシリア人、どこにいようと、シリア人は闘っている。

内戦開始以来、昨年11月までに61人のシリア人が、ここ日本でも難民認定を申請しているが、誰一人として認定されていない。そんな状況に抗うべく、滞日シリア人男性4人が、近々、東京地方裁判所に難民認定を求め提訴するらしい。

アレッポの現実を実感は出来ないが、もしかしたらシリア人の友達が増えるかもしれない、と思うと、シリア情勢も他人事ではなくなる。「平和ボケ」といわれて久しい日本人、シリア難民に助けを請われても手を差し伸べないのであれば、「平和ボケ」から「平和」をとった、ただの「ボケ」、否、ただ以下の「ボケ」なのかもしれない。

「平和」とは、決して受動的に授かる社会状態ではないはずだ。