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完璧な虫歯対策が効かない理由

ハミガキ粉に含まれるフッ素は、効果を発揮するには充分ではない。むしろハミガキ粉には、毒性物質が含有されている。マウスウォッシュに含まれるアルコールは、99%のバクテリアを殺すが、同時に口内の微生物の働きを阻害し、その結果、歯茎が乾燥して口臭につながる。
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2017年12月、新しい歯科医に診断してもらうと、我がセンシティブかつデリケートな歯に、再び詰め物が必要だ、といわれた。しかも、冗談でしょ、としか思えない数だ。毎年毎年、どうしてこうなってしまうんだ? だって、ハミガキもフロスもきちんとしているし、糖質中毒でもない。それなのに、半数の歯にドリルで穴を開けるなんてお断りだ。そこで私は、父親に紹介してもらったルイス・グロス(Lewis Gross)医師に、セカンド・オピニオンを求めた。医師によると、私の口内は酸性度が高く、だから虫歯になりやすいらしい。また、半数が虫歯になっているというのは誤りだった。危なかった。

それでも、私の完璧な虫歯対策が効かない理由が知りたかった。おすすめされたアイテムはすべて試している。それも毎日。私が使用していたものに、効果がなかったのだろうか?

タバコ、化粧品、ボディソープ、食品、飲料などに使用されている化学物質について、私たちが透明性を求めた結果、含有物、検査法、原料の調達場所、労働者への賃金までもが明らかになっている。

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しかし、私たちは、フロスやハミガキ粉、マウスウォッシュに、同程度の注意を払ってきただろうか? どうして毎年こんなにたくさんのみんなが虫歯になるのだろう? 誰か理由がわかる? 〈ハフィントン・ポスト〉の創設者、アリアナ・ハフィントン(Arianna Huffington)が提唱した、睡眠中心のセルフ・ケアや、フィットネスや栄養を扱うゴージャスな女性誌、10年前には考えられないほどの情報が掲載された食品のラベルなど、予防治療については様々な角度から発信されているというのに、口のなかに入れるモノについてここまで関心が低いとは、どうも何かがズレてはいないだろうか?

コーヒーのメリット、デメリットについては、日々、あらゆる研究が私たちの耳にも入ってくる。しかし、オーラル・ケアの研究については、睡眠や運動ほど、新聞やテレビでは扱われない。

米国人の約96%が虫歯持ちと明らかにした研究についても、自然派オーラル・ケア製品メーカー〈Boka〉の創設者、ジェームズ・ヘイゲン(James Hagen)に聞くまで、私は知らなかった。ヘイゲンの両親も、ミネソタの自宅でオーラル・ケア製品をつくっていたという。現在のデンタル業界に詳しいヘイゲンは、今こそ口内へ入れるモノについてもっと意識的になるべきときだ、と主張する。

ヘイゲンによると、よく売れているハミガキ粉やマウスウォッシュによって口内が傷つけられていることを世間の大半が知らないという。例えば、マウスウォッシュに含まれるアルコールは、99%のバクテリアを殺すが、同時に口内の微生物の働きを阻害し、その結果、歯茎が乾燥して口臭につながる。その皮肉な事実を知っている人がどれだけいるだろうか? しかも、口腔がんとも関連している可能性があるらしい。

また、ハミガキ粉に含まれるフッ素は、効果を発揮するには充分ではない。むしろハミガキ粉には、毒性物質が含有されている。例えば、刺激性が強いラウリル(ドデシル)硫酸ナトリウム。米国をはじめ世界各国で、石鹸やボディソープでの使用が禁止されているマイクロビーズ。動物への極悪影響が発覚したジエタノールアミンについては、動物が被験体というだけで取り乱してしまうのだが、被験体が昏睡状態になり、皮膚に熱傷が生じ、血圧が上昇し、視力が損なわれる、という事実を知ると背筋が凍る。

米国歯科医師会(American Dental Association; ADA)のサイエンティフィック・アフェアーズ評議会(Council on Scientific Affairs)は、トリクロサン/コポリマーの安全性や、虫歯、プラーク、歯肉炎への効果について独自にデータを検査し、ADAの公式認可を得た。

「口内健康へのデンタル業界の姿勢は屈折しています。正しい唾液環境をつくるのではなく、フッ素や塩素、アルコールなど、口内乾燥の原因となる危険な化学物質を処方しているのです」とグロス医師。同医師は、店頭で購入できる大半の口内洗浄商品、歯のホワイトニング製品の代わりに、ターメリック、重曹、ティーツリーオイル、ペパーミントオイルを使うべきだ、と主張している。ヘイゲンと同様、グロス医師も、〈Alka-White〉というマウスウォッシュ・タブレットと液体マウスウォッシュを独自に配合しているという。その主成分は、アルカリ性で、口内の酸性度を抑え、pHバランスを整える働きがあるそうだ。

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ヘイゲンは、ハミガキ粉の成分でいちばん問題視すべきはトリクロサンだという。トリクロサンは、動物や人体にも有害であるだけでなく、環境にも悪影響を及ぼすという研究もある。考えてほしい。ハミガキしたあとペッと吐いたハミガキ粉はどこに行く? そういうことだ。

マウスウォッシュを使用したら、口のなかがヒリヒリとし、いかにも効いている気がする。CMでは、数秒口をゆすいだだけで、登場人物の目ん玉が飛び出すほどだ。しかし、実際そこまで効果はない。ジェーン・フォンダ(Jane Fonda)のエクササイズ・ビデオでは有効だったかもしれないが、くちゅくちゅと口をゆすぎ、刺激に耐えても、口内にダメージを与えるだけで奥まできれいにはならない、とヘイゲンは語る。

「EUでは、原材料の安全性の証明をメーカーに課しており、毒性データを求めています」とヘイゲン。つまり、EUにおいて、含有物の透明性の確保は、メーカーの責任なのだ。しかし〈ビジネスインサイダー〉の記事によると、米国政府は、何らかの規制措置を講じる前に〈害の証明〉を確認しなければならないとしている。すなわち、人体へのダメージの度合いを立証しなければならないのだが、そのハードルが非常に高く設定されているのだ。国内で流通する製品に使用される化学物質を規制する、米国有害物質規制法(Toxic Substances Control Act)についても同様だ。

欧州の商業用化学物質制限に関する規則〈REACH〉(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals)では、メーカーが、欧州化学物質庁(European Chemical Agency)に、毒性データを1セット提出しなくては、化学物質の使用が認められない。米国でも、それくらいの規制が必要ではないか。

今すぐすべてを〈Boka〉や〈Alka-White〉に買い替える必要はないが、せめて、オーラル・ケア製品のラベルをもっとしっかり読み、消費者として学ぶ必要がある。自らの体内に入れるあらゆる他製品と同様、もう少しよく考え、舌がもつれそうな単語をGoogleで検索などをするべきだ。「あとは、香油など天然成分を求めましょう。アスパルテームやサッカリンなどの人工甘味料や、青色2号などの合成着色料はとにかく避けるべきです」とヘイゲンは警告する。

ラウリル硫酸ナトリウムは避けるべきだが、何となく名前が似ているラウロイルサルコシンナトリウムは、体内に存在している天然のアミノ酸に由来する化学物質で、選んでも問題はない。有名ブランドでも、少なくとも4社は大丈夫だ。

もし、この記事を読み、もっと行動したくなったのであれば、あなたの選んだ代議士に、国家よりも〈消費者ファースト〉を徹底してもらうよう連絡しよう。歯磨き粉は、地球上のほぼすべての人間が利用する日用品なのだから、他の製品と同じだけの注意が払われて然るべきだ、と書面にしよう。