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アフリカ・バンバータに性的虐待を受けた男とズールー・ネイション幹部の通話

「俺のチンコでもしゃぶれ、カマ野郎。これが俺からのコメントだ」

ブロンクス在住の民主党員であり、長年の間、音楽業界で働いてきたロナルド・サヴェージ(Ronald Savage:50歳)は、最も尊敬されているヒップホップ界の先駆者アフリカ・バンバータ(Afrika Bambaataa:59歳)から性的虐待を受けていた過去を爆弾告発。音楽業界に衝撃が走った。

この告発によりサヴェージは、バンバータが1973年に共同設立し、ビズ・マーキー(Biz Markie)、ビッグ・ボーイ(Big Boi)、 Qティップ(Q-Tip )、ジョーイ・バッドアス(Joey Bada$)ら、 影響力のあるラッパーたちが在籍している国際的ヒップホップ団体、『ユニバーサル・ズールー・ネイション(Universal Zulu Nation)』から、ある程度の報復を予測していた。また仲間であり、ブロンクス川周辺で共に育ったズールー・ブラザーズからも批判されるとわかっていた。しかし、彼らから脅迫まで受けるとは考えてもみなかった。

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サヴェージと、ズールー・ネイションの副官であり、ラッパーで、テレビでも活躍し、アイス-T(Ice-T)のツアーマネージャーを務めているミッキー・ベントソン(Mickey Bentson)との電話による会話は録音され、そこでベントソンは 22分間にわたってサヴェージをたっぷりと罵っている。「ブラザー、オマエは俺たちをひどく傷つけた。告発なんかしないよな。もしオマエじゃなかったら『糞食らえ』って、頭を引きちぎり、踏み潰しているだろうよ。マジだ、ブラザー。行方不明コースだ」

サヴェージは民主党員として、「ビー・スティンガー(Bee-Stinger)」の名で知られながら、10代でズールー・ネイションに加わり、ダグ・E・フレッシュ(Doug E. Fresh)、ショウビズ(Showbiz)、AG、そしてスナップ!(Snap!)のマネージメント業務などを行なっていた。数ヶ月前にサヴェージは、15歳の頃にバンバータから繰り返し性的虐待を受けていたと告白。アンダーグラウンドヒップホップシーンは、大きく揺れ動いていた。

既にサヴェージは、2014年に発表した自叙伝『Impulse, Urges and Fantasy’s』で、音楽界のパイオニアからの性的虐待について述べていたが、今年3月29日、DJ スターが司会を務める『ザ・スター・チェンバー』のYouTubeチャンネルで、そのパイオニアがバンバータであったと公にしている。ティーンエイジャーだった頃、ブロンクスにあるサヴェージの家で、バンバータが幾度も彼にポルノを見せては、オーラル・セックスを強要したと告白。このサヴェージの発言ののち、新たに3人の犠牲者も名乗り出た。

バンバータは、ローリングストーンズ誌で、「事実無根であり、サヴェージは卑怯者だ」と反論したが、6月にズールー・ネイション側は、逆境に立ち向かったサヴェージと、その他の「バンバータから性的虐待を受けた人々」の勇敢さを称賛し、公式に謝罪。同時に、バンバータを含む、数人の幹部たちの解任も発表した。

その後、バンバータ及び、彼の弁護士であるヴィヴィアン・トザキ(Vivian Tozaki)は、この件に関してのコメントを発表していない。

サヴェージによると、ベントソンとの通話は、彼が『ザ・スター・チェンバー』に出演した翌日の3月30日。ベントソンは、「あいつ(バンバータ)は、やりたいように、みんなでやっただけだ。誰も強要してないだろ、ブラザー? 喉元にナイフを突きつけたか? 頭に拳銃を押し当てたか? 顔面にバットを入れたか? あのニガーは、みんながしたいアレをしただけだろ?」と、サヴェージの主張を全面的に否定している。

サヴェージは、「まだ子供だったんだ!」と叫び、「これは俺に起こった話だ。バンが俺にした事実の話だ。俺は打ち明けずにはいられなかった。それを人々に尊重して欲しいんだよ。俺はこいつを抱えて生きてきたんだ。何人かにも話した。そいつらはもう何年も知っていたんだよ。俺はバンを守った。俺は犠牲者なのに、彼を守っていたんだ」

現在、アイス-Tのツアーフェスティバル『Art of Rap』に帯同中のベントソンは、「オマエはズールー・ネイションを汚そうとしている」と、その録音の中で繰り返し非難した。

さらに「俺は57歳だ」と、ベントソンはいう。「もうすぐバンは60歳だ。オマエは、この糞みたいな話で、俺たちを引き裂いているんだ。オマエは悩んでいるのか? だとしたら、20年前、25年前に明かすべきだった。なぜ俺たちのブランドを今になって傷つけるんだ? おい、B」

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さらにベントソンは、サヴェージが公表したのは、自叙伝をもっと売って金設けをするためだと責めている。「ミック、オマエは馬鹿にしている。こいつは金の話なんかじゃない。そんなもの俺には関係ない。オマエたちはみんな何が起こっていたか知っているんだから、バンをかばうのをやめろ。一番そこが気に入らないんだ」

また、ズールー・ネイションのセキュリティーとして、長年働いてきたサラディーン・ウォーカー(Saladeen Walker)と思しき男との通話でも、サヴェージは告発を取り下げるようプレッシャーをかけられていた。

「ビー・スティンガー、わかってるだろ? 撤回しろ」と、録音の中の男。「オマエは、おかしくなってるんだ。ファミリーだろ? オマエになにかあったら、俺は本当に悔やむ」

サヴェージはこの電話で「脅されている」と感じ、それ以来ウォーカーとは話していない。

「ヤツから『オマエになにかあったら』といわれたとき、殺される気がした」とサヴェージ。「それ以外の何物でもない。俺は脅されている」

「ビー・スティンガー、頼むから、俺のために撤回書を書け。サラディーンのためだと。『俺はちょっとおかしくなっていた。そんな事実は無かった。俺が悪かった』と。とにかくそうするんだ。そうすれば俺も休まるんだよ」

更に彼はサヴェージに、同性愛者と勘違いされないためにも撤回するべきだ、と迫っている。

「今オマエは、ゲイだと打ち明けているようなもんだ。勘違いされたくないだろ? ビー•スティンガー、ちゃんとしろよ」

後日、ウォーカーに取材を申し込んだが、彼はそれを拒否。しかし、サヴェージとの通話の相手が自身であるとは、否定も肯定もしなかった。とはいえ、録音中の人物は、自身を「サラディーン」と名乗っているのだが。

ベントソンにも話を訊いた。彼もサヴェージとの通話の録音コピーを持っているらしいが、バンバータに対する告発を、「俺には全く関係ない。俺たちの誰もが、30年前に起こったことなど興味ない」と退けた。そして、今回の取材について続けた。

「オマエはズールー・ネイションの記事を書いてるんじゃねえのか? 俺たちの30年間を。気が狂っているのか? 俺にそんな質問するな。オマエのことは知っている。正気か? オマエは俺たちを知らない」

録音テープについてのコメントを要求すると、「俺のチンコでもしゃぶれ、カマ野郎。これが俺からのコメントだ」

電話インタビューで、ズールー・ネイションのスポークスマンであるキング•エル•ワン(King EL One)は、現在の団体のリーダーシップは、サヴェージとその他の犠牲者たちを支持すると述べた。彼はテープを聞いていないとも発言した。

「私たちは犠牲者達に『ズールー・ネイションは味方だ。あなた方は私たちのファミリーだ』ということを伝えたい」

さらに彼は、ベントソンとウォーカーに何かしらのペナルティーが与えられたかどうかについては知らない、と語ったが、彼らはまだズールー・ネイションのメンバーである、と加えた。