BIG NIGHT OUT(6)UKインディーロックの今

リアルなUKクラブシーンを追う「BIG NIGHT OUT」シリーズの第6弾。今回はロンドンのインディーロックシーンを取材。インディーロックの聖地であったCameden townから昨今インディーロックイベントが頻繁に行われているイーストロンドンのShoreditchに向かった。

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23 May 2014, 2:23am

リアルなUKクラブシーンを追う「BIG NIGHT OUT」シリーズの第6弾。このシリーズでは、ジャーナリストのクライヴ・マーティン(Clive Martin)が、自らの足で英国内のクラブシーンの「今」を体感し、「どんなやり方で、どんな目的を持って、彼らがパーティーを楽しんでいるのか」を届けていく。

カムデンからショーディッチへ

00年代のUKインディーシーンは着実にビッグアーティストを輩出し続けた。ザ・リバティーンズが賞賛を浴び、フランツ・フェルディナンドがヒットチャートに上り、アークティック・モンキーズの衝撃的デビューと続いた。アーティストを挙げ始めればキリがないほど00年代のUKインディーシーンは活気に満ちていた。

当時、それらの音楽シーンや文化が育まれた舞台、中心地のひとつがロンドン北部に位置するCamden Town(カムデンタウン)だった。コールドプレイが売れる前に出演していたパブや、バンクシーのストリートアートがある一角など。奇抜なファッションの若者が集うエリアでもあり、ロンドンの中でもかなり個性の強い街だと言える。ただ、近年はこの辺りにも変化がみられる。観光客や留学生などが増え、過去にあったインディーロックシーンを含む、最先端の「文化」が生まれる街ではなくなってきたように思う(筆者も一時、日本からこの街に移り住んだことがある。ライブハウスやレコード屋などを覗いてみると、もちろん素晴らしい場所が多い。けれど「今ここが最先端だ」と言われても信用することができない街の雰囲気を感じるのが本音)。

そこで今回、「BIG NIGHT OUT」では、現在、ロンドンで流行の発信地として注目されるロンドン東部の街、Shoreditch(ショーディッチ)のインディーロックイベントに潜入。映像のなかで、「ウォーホールのアトリエのようにクールでない」「安っぽい」「インディーシーンは一般大衆向けになった」などとレポートされていたが、このシーンにおいて「安っぽい」なんてご愛嬌。これまでにこのシーンから羽ばたいたバンドはいつだって最初は「チープ」だと思われていただろうし、始めから「ゴージャス」なインディーロックバンドなんて信用できない。そんな一見「チープ」なインディーンロックシーンの中から次のUKミュージック・ヒーローが生まれることを期待したい。今日もどこかの小さな箱で安っぽいバンドに紛れて、未来のリバティーンズがギターをかき鳴らしているはずだから。