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パルクール・イン・チェルノブイリ 究極の冒険か 狂気への旅か

〈Hit the Road〉は、パリに暮らす4人の若いフリーランナーたちが結成したパルクール集団だ。2014年夏、彼らは、原子力発電所の文字どおりの〈中心〉に向かう旅に出た。「自然が市街地を侵食するさまを確かめたかったんだ。本や写真でしか知らなかったから」。グループのメンバー、クレメント・デュメーは、パリのパブで話してくれた。
13 June 2017, 11:10am
All Photos:Hit the Road

〈Hit the Road〉は、パリに暮らす4人の若いフリーランナーたちが結成したパルクール* 集団だ。2014年夏、彼らは、原子力発電所の文字どおりの〈中心〉に向かう旅に出た。「自然が市街地を侵食するさまを確かめたかったんだ。本や写真でしか知らなかったから」。グループのメンバー、クレメント・デュメー(Clément Dumais)は、パリのパブで話してくれた。

デュメーは、フリーランニング集団〈Hit the Road〉をニコ・マシュー(Nico Mathieux)、そしてポール・RBD(Paul RBD)と共に2012年に結成。2年後に、もうひとりのフリーランナーであるレオ・アーバン(Leo Urban)がチームに参加した。グループを結成すると、最初の目標もすぐに決まった。まず、エッフェル塔を制覇した。

事故後, 最初に避難勧告が発せられたプリピャチの公共プール.

「チェルノブイリにいけて、本当によかった」とレオ。「どうなってるのか全く想像できなかったし、見たところで言葉にできない」。ゴーストタウンに車で向かう前に、Hit the Roadはウクライナのキエフを訪ね、現地でパルクール、フリーランを実践する〈トレーサー〉たちに会った。

彼らはキエフで、都市探索に通じた人物と合流した。その人物は、GPSを利用して3〜4回ほどチェルノブイリを探索した経験があるそうだ。「彼は、ルートも警察のチェックポイントも知っていた。なにより、どうやって警察を避ければいいかわかっていた」とポールは説明する。原子力発電所の周囲には、軍のチェックポイントがあって、立入禁止区域への侵入を厳重に警戒している。法を犯せば、裁判なしに収監される可能性もある。

この場所は〈死のゾーン〉として知られている. 人っ子ひとりおらず, 自然が支配している.

国際放射線防護委員会(ICRP)が提唱する年線量限度は、1ミリシーベルト。短い時間だったとはいえ、彼らは、森のなかで、最大5.20ミリシーベルトの放射線を浴びた。寝るさいも、線量限度を越えない場所を選んだが、それでも十分に注意しなければならなかった。「自分たちが目にした数値にとても驚いた。家へ帰りたくなったよ」とレオは振り返る。

グループのメンバーたちは, わずか4日間で放射線に汚染された地域内を100マイル近く歩いた.

プリピャチのいたるところに草木が生い茂っている.