Who Are You?:江上美穂さん(25歳) ギャラリーアシスタント

「額屋さんが作品を取りに来てくれて、作って付けて、戻ってくるんです」

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11 December 2015, 7:43am

「Who Are You? シーズン2」スタートです。新しいカメラマンさんを迎えました。宮本さんです。どうです?イカすでしょう!これからもどうぞよろしくお願い致します。

日々の生活の中で、私たちはたくさんの人たちとすれ違います。でもそんなすれ違った人たちの人生や生活を知る術なんて到底ありません。でも私も、あなたも、すれ違った人たちも、毎日を毎日過ごしています。これまでの毎日、そしてこれからの毎日。なにがあったのかな。なにが起るのかな。なにをしようとしているのかな。…気になりません?そんなすれ違った人たちにお話を聞いて参ります。

江上美穂(えがみ みほ)さん(25歳):ギャラリーアシスタント

こんにちは。ニューWho Are You?の一発目、よろしくお願い致します。

こちらこそよろしくお願い致します。

ご職業がギャラリーアシスタント。なんとなくわかるような、わからないような感じなので教えてください。

銀座のギャラリーに勤めております。絵を扱う仕事なのですが、まずうちのギャラリーと契約している作家さんがおりまして、その作家さんをサポートしたり、作品のプロモーションをしたり、絵を買いたいお客さんとの仲介をする仕事です。メインはギャラリストであるオーナーがやっているのですが、そのアシスタントをしています。

すいません、ギャラリストってなんですか?

展示したり販売したりするギャラリーを持っている画商のことです。

へぇ〜初めて知りました。じゃ、例えば、私がお金持ちだとする。絵が欲しいと思う。チロっと江上さんのギャラリーに寄る。そしたら売ってくれるんですか?

そうですね、もちろんウチに飾ってある絵はお売りできますし、さらに部屋の感じとか、雰囲気とか、「このお客さんは、どういう絵が好きなんだろう?」と、ディスカッションして、おススメすることもあります。

なるほどー、じゃあ、私が「あ〜チミチミ、これこれ、こういう絵を頼むよ」ってお願いしたら、江上さんの頭ん中のコンピューターが選んでくれると。

ただ、お客さんの優先順位にもよります。欲しいイメージの作品があるのか、それとも値段なのか、もしくは大きさなのか。

大きさ!?

ええ(笑)。大きなお部屋に飾りたい方もいらっしゃいますから。

じゃあ、お客さんの情報も知ってなくてはならないんですね。でもね、スゲー綺麗な格好をして、金ピカの人でも、実際はお金持ってない人だったらどうするんですか?

うーん、お振り込みが無ければ送りませんから。

ああ、そうっすね。

もちろん、その場でお買い上げいただくこともありますが、大体はそこから額を決めたりしますので、納品まではちょっと時間がかかるんです。

オオ、額!やっぱ大事なんですか?

はい、とっても大事です。

額はどうやって決めるんですか?

うちにはうちの額屋さんっていうものが何店かあるんです。もちろん、お店によって特徴がありますし、同じ大きさでも値段も違うんです。

額屋さんって、その辺に歩いていて、普通にあるものなのですか?今まで生きてきた中で、あまり気にしたことがありません。

あります、あります(笑)。この辺だと、恵比寿に有名な額屋さんがありますし、もちろん日本各地にたくさん。ですので、うちからも各地の額屋さんに作品を渡しています。

え、渡す?額屋さんに作品を渡すのですか?額が来るんじゃなくて?

はい。額屋さんが作品を取りに来てくれて、作って付けて、戻ってくるんです。それぞれあるとは思いますが、うちはそのようにやっています。

オーダーメイドとかもあるんですか?

はい、あります。例えば洋画と呼ばれる油絵とかは、キャンバスのサイズ…号数が決まっているんです。でも日本画は、作家自体が和紙を貼るので、サイズがそれぞれ違うんです。ですので日本画の場合は、額を作るか、もしくは既製のもので合わせるんです。

じゃ、逆に東急ハンズで売ってる額に合わせて絵を描く人もいるのですか?

そうですね、学生の方などは、ご自分で額も用意しなくてはならないので、サイズに合わせて描く方もいらっしゃいます。

何でも知ってますね!子供の頃から絵が好きだったんですか?

いえ、全くそんなことはなく。

ご出身はどちらですか?

大分県大分市です。大分の中では都会です。

そうですよね、県庁所在地ですし。テレビ局もちゃんとある?

もちろん、あります。二局あります。

え?それはちゃんとじゃないですねぇ。私はそこで測っていますから。じゃ、ガッチャンコ系ですね。

ああ、はい。テレビ朝日もフジテレビも合体していました。月9も次の週の月曜の昼間とか夕方でしたし。

タモさんは?

タモさんは大丈夫でした。いいとも→ごきげんよう→昼ドラの流れはありました。

どんなお子さんだったのでしょう?

うーん、勝気な性格だったと思います。男の子とケンカしたり。

なんとなく分かります。わんぱくだったと。

あと自営業だったので、家の手伝いをしていました。

ご実家はどんなご商売を?

もともとおじいちゃんが手広く商売をしていたのですが、その流れでビジネスホテルをやったり。

おお〜、結構地元では有名な資産家だったんじゃないですか?

いえいえ(笑)。でもおじいちゃんが「東京ではカラオケっていうのが流行っているらしいぞ」って、大分で初めてカラオケ店を始めたと聞いています。

絵はいつから好きになったのですか?

高校の時に、いいとこの友達の家に遊びに行ったんですね。そしたら広い玄関にドーンと見たこともないキラキラとした絵が飾ってあったんです。「やばいな、キンキラだー!」って。グスタフ・クリムトの「接吻」のレプリカだったんですが、本当に感動しまして、それで、「いつか絶対これを生で見てやろう!」と決めたんです。

そこから絵にどっぷりですか?

いえ、そうでもなくて。他の宗教画とか、他の作家の作品とかも見たんですが、この作品以上にハマることはありませんでした。

なんでそんなにクリムトだけにハマったんでしょうねぇ?

うーん、若気の至りのような(笑)。良く分かんないですけど、やっぱその頃って好きな人とか出来るじゃないですか。

好きな人とクリムトは関係ないでしょ。

いえ、なんか、その、キラキラした気持ちで…クリムトのキラキラと…。

はあ、なるほど。じゃ誰ですか、好きな人って?

同級生でして。すごく濃い顔で…「鹿児島の人かい!」ってツッコミたくなるような…

すいません、鹿児島と大分って、まぁ近いですよね。

ああ、すいません、じゃ沖縄で。

いえ、どっちでもいいですが、誰に似ていました?

うー、劣化した山田孝之とか…。

それは濃そうですね!私もヤーマダ好きですよ。でもクリムト以外はそんなに絵にハマらなかったんですよね。高校時代は何をやっていたんですか?

部活でアーチェリーをやっていました。

おお、いいですねぇ。これまた教えてもらいたい系ですねぇ。

顧問の先生が「アーチェリー人口は、少ないから国体行けるぞ〜、もしかしたらオリンピック行けるぞ〜」と。それで始めました。

どこから聞こうかなー。じゃあ、まず、あの弓って高くないですか?

高いです。一式揃えたら30万円くらいします。

おおー!でもさすが大分の資産家ですものね。

いえいえ(笑)、先輩たちのおさがりを使っていました。あと矢なんですけど、あれも消耗品なんです。だからここでもお金がどんどんかかるんです。

ほほう〜、では次の質問。的までどれくらいあるんですか?

最大90メートルです。でも女子は70メートル。ですので、ここで1ミリずれたら、向こうでは10センチ、20センチずれるんです。だから完全に精神のスポーツなんです。

なるほどねぇ〜、では第三の質問。そんな70とか90とか必要だったら、学校で練習できないでしょ?

それが70、90あったんですよ。

あら、じゃ、結構強い学校だったのではないですか?

はい、ちょうど大分国体を迎えるときだったので、私も強化選手になって、合宿で韓国に行ったり、全国各地を飛び回ってました。その代わり、修学旅行とかは行けなかったのですが。

そんなに忙しかったら、ヤーマダどころではありませんね。それからアーチェリーは続けたんですか?

いえ、本当に大変だったので高校で辞めました。関西の大学から推薦とかも来たのですが、もう十分だと。それに大学は東京に行きたかったので。

じゃ、そっから受験勉強ですか?

いえー、まったく勉強はしたくなかった。

じゃあ、どうしたの?

AO入試です。

あー、自己推薦のヤツ。

勉強では絶対ムリだと思っていたので、面接で入ってやろうと。

どんなしゃべくりで面接官を騙したんですか?

騙してませんが、経済学部だったので、どうやったらお金が回るかというようなお題だったんですね。それで結婚式とかってお金がたくさん動くじゃないですか。だったら結婚ブームを仕掛ければいいと。あまり覚えていませんが、そんな資料を作ってプレゼンしたら受かったんです。

エア・アーチェリーとか披露したわけではないんですね。どちらの大学ですか?

立正大学です。

ああ、お坊さんの!やっぱ男子学生は坊主頭なんですか?

はい、みんな野球部みたいでした。あと、式典とかでお偉いさん方は袈裟を着ていましたが、あとは他の大学とそれほど変わったところはありません。

大学はどうでした?遊びました?

いやぁ〜もう、遊んだ遊んだです!まだ九州弁が抜けきれなくて、「〜やけん」とか「〜だっちゃ」とか。そしたらそれがもう無敵で。男の子がわんさかわんさかと。

クソいやらしい!でもその方言の噂、ちょいちょい聞いていたんですけど、本当なんですね。私の頃なんか方言が恥ずかしい時代だったんですよ。

はい、だから九州弁を乱発していました。

ライバルとかいませんでした?

やっぱ京都弁ですね。あれはズルかった。

私も京都に濡れますね。サークルとかは?

仲の良いグループで新しいサークルを作りました。

なんのサークル?

いえ、別になにすることなく、みんなで遊んだり…

出た!一番やなヤツ!みんなでラウンドワンとか行くヤツでしょ。

そうですね(笑)、夏は海、冬はスノボです。

やっぱ江上さんはクソいやらしいですね。彼氏もそのサークルですか?

いえ、それはまた別のサークルの人で。

誰に似てました?

うーん…ジェロでしょうか。

濃いの好きなのはわかりますが、濃過ぎでしょう。ジェロとどんなデートをしてたんですか?

普通にいろんなところに行きました。ディズニーランドとか。あ、私、ディズニーランドでバイトしていたんです。4年間ビッチリ。

おお、これまた教えてもらいたい系じゃないですか。自慢じゃないですけど、私はディズニー知りませんよ。ランドで何をしていたんですか?

おみやげコーナーにおりました。

楽しかったですか?

楽しかったですよ。だってみんな幸せな顔しているんですよ。怒ってる人いないんです。お客さんもスタッフも。みんな夢の国にいるからハッピーなんです。

元々ディズニーは好きだったんですか?

いいえ。入ったときは、ミッキーしか知らないくらいでしたから。でも本当にプロフェッショナルな世界だったので、勉強になりましたし、楽しかった。だって、スタッフしか入れない場所でミッキーに会っても、ミッキーは、あのミッキーのままなんですよ。

フフフ、大変だなぁ、ミッキー。

「これが世界のディズニーか!」って、本当に思いましたもの。

ミッキーさんのことは知らないのですか?

ええ、知りません。でも友達は「知ってる」と言ってました。教えてくれませんでしたが(笑)。

ジェロも一緒にディズニーで働いていたんですか?

いえ、ジェロはフレッシュネスバーガーです。

そうですか。そう言えば忘れていましたが、クリムトはどうしました?「接吻」のナマを見に行ったんですか?

大学2年のときに行きました。ヨーロッパ旅行で。それでルーブル美術館に行ったんですが、「接吻」は無かったんです。

え?無かった?

はい、クリムトの作品はありましたが、「接吻」は無かった。

下調べしなかったの?インターネットでチョイチョイ出来るでしょ!

漠然とルーブルにあると思っていたんです。でもスペインではフラメンコみたり、サグラダ・ファミリア行ったり。楽しかったです。懐かしいなぁ、アハハ!

アハハ!じゃないでしょ。バカですねぇ。結局ナマ「接吻」は、どこにあったんですか?

ウィーンにありました。それで翌年に改めて見に行きました。

どうですか?やっと念願のブツを見ることが出来て。

うーん、それがですね、あまりにもこれまで見過ぎていて…レプリカも持っていましたし、携帯の待ち受け画面にもしていましたから…予想以上のインパクトはありませんでした。

なんともかんともですねぇ〜。でもそのクリムトがあったおかげで、今のお仕事があるんでしょ?

いや、それも違うんです。大学卒業後、最初は保険の外交員になったんです。

え?アメちゃん持ってくるおばちゃんのヤツ?

そうです、そうです。でもあのアメちゃんも全部自腹なんですよ。

そうなの?

そうなんです。保険会社と契約しますが、外交員って自営業なんです。だからアメ代も領収書とか全部取っておかなきゃいけないんです。

やっぱ人生イロイロだなぁー。なんで保険のおばちゃん辞めたんですか?

まだ若かったので、生命保険とかピンと来なくて。ピンと来ないものを営業して売るのは、ちょっと難しいと思ったんです。

正論ですね。でも備えあれば憂いなしですよ。平泉成も「母さん!」って言ってますしね。では、どうして現在のお仕事を?

やはり絵は好きでしたので、美術系の出版社に入ることができまして、その流れから今のところに転職したんです。

それで現在に至ると。アーチェリーやらジェロやら色々ありましたねぇ。おめでとうございました。ちなみに江上さんも絵を買うんですか?

はい、私も買います。もちろん高いものではありませんよ。

コロコロ転がしてるんじゃないのォォ?

いえいえ!それは絶対ありません!!

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