Bombs Away :平成生まれのキャバクラ右翼嬢

夜はピンクのドレスに身を包み、キャバクラ勤務で活動資金を。すべては、現在の日本を変えるため。美しい日本、強い日本にするため。

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nov 9 2018, 8:54am

天皇陛下は2019年4月30日に退位され、平成時代は終焉を迎える。そして翌5月1日には、皇太子殿下が即位され、新元号となり、新しい時代が始まる。今上天皇の退位によって皇位が継承されるのは、江戸時代1817年の光格天皇以来。明治以降では、初めて天皇と上皇が同時に存在することになる。

2016年8月8日、宮内庁は、天皇陛下の〈お気持ち〉をビデオ・メッセージで公開。高齢と健康上の理由から、天皇としての公務を果たすことが困難となり、その務めが果たせなくなる前に、皇位を皇太子殿下に譲位する意向を、天皇陛下は強く示唆された。このメッセージを受けて、国内は大きく揺れた。ほとんどの国民が生前退位を支持するいっぽう、安倍政権周辺、そして〈日本会議〉の会員からも反対論が上がった。また、現在の皇室典範には生前退位に関する規定がなかったため、根本的に退位は不可能という意見もあった。結局政府は、天皇陛下の退位を一代に限り、譲位を認める特例法を成立させたが、これをきっかけに、現在も〈あらたな皇位継承策〉、〈皇族の減少問題〉、〈女性宮家の創設〉など、皇室の未来について、様々な議論がなされている。

ここに平成生まれの女性右翼活動家がいる。女性限定で入会を受け入れている右翼団体『国賊天誅!女子の会』代表の安西愛美氏(27)。戦争も、昭和も、そして、天皇を現御神(アキツミカミ)とするのは架空の観念であると述べ、自らの神性を否定した〈人間宣言〉を表明し、日本国憲法第1条が規定する『日本の象徴かつ日本国民統合の象徴』となった昭和天皇も知らない世代である。しかし安西氏は「天皇陛下とは、人間であって神様である。日本をつくった人である」と断言し、日本人としての心を取り戻すために、孤軍奮闘の愛国活動を続けている。

戦没者を悼み、街宣車に乗り込み、街頭演説し、北方慰霊祈願祭に参加し、敵対団体には大声を張り上げ、右翼団体の重鎮から教えを請う日々。ネット右翼やオルタナ右翼、ヘイト団体とは異なるオールドスクールな活動スタイルであるが、女性ならでは、平成生まれならではの新たな価値観を持ち、一般国民に向かって日の丸を掲げているのだ。

夜はピンクのドレスに身を包み、キャバクラ勤務で活動資金を蓄えている安西氏。すべては、現在の日本を変えるため。美しい日本、強い日本にするためだ。改元まであと半年弱であるが、平成生まれのキャバクラ右翼嬢は、新元号になっても、神様からの恵みと手製の爆弾を抱えながら闘い続ける。日本の未来と皇室の未来は、彼女の未来にも繋がっているのだ。

彼女の活動に対して、正しいか否かは判断できないが、私たちは爆弾を使用しない新時代を望む。

原題:Bombs Away : A Portrait of a Right-Wing Millennial

「LIVING ON THE EDGE」 エクストリームな世界で生きる人々にスポットを当て、歩んで来た道、そしてこれからの道に密着するシリーズ。

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