Who Are You?: 松岡理美さん -仮名-(25歳) 会社員

「いいともは普通にお昼にやっていましたが、チャンネルは四つしかありませんでした・更にその内ふたつがNHKで…」

by VICE Japan; photos by SUSIE
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16 juli 2015, 3:11pm

前回の話の続きなのですが、いつも行っているスーパーの店員さんの私服姿を初めて見ましたよ!短髪&メガネくんのしっかり屋さんで、いっつもテキパキとレジ打ってくれるんですが、私服はジャラジャラのヒップホップ系でした。それで何かが変わるわけではないのですが、ちょっとだけ寂しかった。

日々の生活の中で、私たちはたくさんの人たちとすれ違います。でもそんなすれ違った人たちの人生や生活を知る術なんて到底ありません。でも私も、あなたも、すれ違った人たちも、毎日を毎日過ごしています。これまでの毎日、そしてこれからの毎日。なにがあったのかな。なにが起るのかな。なにをしようとしているのかな。…気になりません?そんなすれ違った人たちにお話を聞いて参ります。

松岡理美(まつおか さとみ)さん –仮名−(25歳):会社員

お仕事は何をされているのですか?

雑誌などの編集をやっています。

お!同業ですねー。じゃ、インタビューなどもやられているのですか?

はい。

おおー、こりゃ対決ですね。でもなぜ今回はインタビューを受ける方に?

インタビューされる側の気持ちにもなってみたいと思いました。

なるほどなるほど。お仕事熱心ですね。では根掘り葉掘り聞いちゃいますよ。泣かないでくださいね。早速ですが、ご出身はどちらですか?

福井県です。完全に山ッ!って感じでして、コンビニまで車で15分くらいかかるところです。

へぇー。

雪はたくさん降ります。100メートルとか…あ、すいません!100センチの間違いです…。

あらー可愛い。緊張なさらないでくださいね。でも言っちゃ失礼なんですけど、コンビニまで15分もかかるところで、どんなことをして遊んでいたのですか?山ッ?

いえいえ。結構家が厳しかったんです。それでテレビとかも観せてもらえなくて、友達の家でマンガを読んだりしていたんですけど、小五の頃に父親が病気になったんです。それで母親が父の看病で家を空けることが続きまして、そこから無法地帯に。ゲームとかテレビとかやり放題、見放題です。

失礼ですけど、テレビは何チャンありました?いいともは夕方やっているとか。

いいともは普通にお昼にやっていましたが、チャンネルは四つしかありませんでした。更にその内二つがNHKで…。ずっと「Mステ観たい!!」って思っていました。

ではゲームとテレビ中心の生活に?

いえ他にも。マンガ…特に姉の影響で腐女子系の同人誌に…

え、小学生で?

はい。テニプリ…テニスの王子様のやつで。「ああ、こんな世界もあるんだ」って。

イケませんねぇ。お友達とご一緒に?

はい。友人や姉と一緒にオタオタしていました。

どんなオタオタをしていたのですか?

恥ずかしいのですが、それ系の小説を書いたり。

ホモ小説?

ええ。当時自分のホームページを持つのが流行っていたんです。それで小説とかってプロの人だけが書くものだと思っていたのですが、「あ、私でも書いていいんだ」って気づきまして。

テニプリ以前から、そっちに興味があったのですか?

いいえ、元々そんなのに触れる機会も無かったですから。でもボーイズラブ系の同人誌では、好きな男性キャラクター同士がすっごく仲良くしていて、それが許される世界なのが、素晴らしいなぁって思うようになったんです。

松岡さんはそこに登場したいとは思わないんですか?イケメンにギューッとかされるんですよ。

乙ゲーとかもやっていたんですが…

すいません、なんですか?

あ、すいません!乙女ゲームって言って、女の子が主人公でイケメンたちからチヤホヤされるゲームもやっていたんですけど、「なんか無理してるな」って思ったんです。自分がどうのこうのじゃない、好きな男性キャラ同士がイイ。「ホモがしっくりくる」って、やはり。

ホモがしっくり…ですか。でも小説書くにしても、男同士の交わり…性行為の描写とかも書いていたんですか?

中一の頃はまだわからなかったので、エッチィな描写はなく、純愛みたいな感じで…断然プラトニックでした。

断然プラトニック…あややの曲のタイトルみたいですね。

例えば漫画で、試合前にキャラクター同士が耳打ちしているシーンがあったら、「ハッ!ここで二人は愛を確かめ合ってる!!」って。

…おバカですねぇ。でもステキです。

いや、本当におバカだったと思います。私が住んでいたところは本当に田舎だったので、ショッピングセンターとかに行っても知ってる顔がみんな来ていて嫌だったんですね。それなら、ウチに籠って妄想する方が楽しいと思っていました。

で、やっぱ気になるのが、男同士の愛の交わりを知ったときのことです。

はい、アソコがこうなってこうなる…を知ったときは、「はあああ!そういうことだったんだ!」ってビックリしました。同人誌が教えてくれたんですけど。

どう思いました?

キレイじゃないんだなぁーって思いました。

そうですよ!汁ですよ、汁!ベチョベチョですよ!結局その辺も書いたんですか?ハァハァ。

さすがに書きませんでした。チューしてその後は、点々々…って感じで。さすがにまだ中学生でしたので、18禁のものは書いてはいけないなぁと思っていました。

クラスの男子には興味なかったのですか?

まったくありませんでした。

でもマンガの中の男子は大好きなのにねー。不思議なもんですね。

でも中三か高一の頃にドラマの「ごくせん」が始まったんです。それを観たときに今までマンガの世界でやっていたことを…

まさか…芸能人で…

ええ、悪化しちゃったんです。

更に大妄想しちゃったと!

ええ、ナマモノにハマってしまったんです。

ナマモノって言うんですか!

はい。それで良く良く考えたら、「金八先生に出ていたときも亀梨くん好きだったしなぁ」と思い出しまして、そこからジャニオタに…

おおー!現実世界!卒業おめでとうございます。でも腐女子友達からは何か言われませんでした?

「ええ!抜け駆け?」とか「絶対戻って来て!待ってるから!」なんて言われましたが、結局深くは戻りませんでした。

じゃ、亀梨くんの…KAT-TUNに夢中になったと。

いえ、その後錦戸くんが好きになりまして、関ジャニへ。そこがジャニオタ時代のピークでした。

じゃ、錦戸くんでステキな妄想を?

いえ、それが無くなったんです。更にこじらせるかと思ったんですが、普通にファンとして応援することが出来るようになったんです。あと、コンサートとかに行くじゃないですか。するとファンの女の子たちがきちんと可愛い格好をして来ているんです。それまで私は、服とか見た目とかまったく興味がなかったのですが、こんなダサい私が錦戸くんのウチワを持ってるなんて、大好きな錦戸くんの価値を下げてしまうんじゃないかと思い始めて。それで洋服とかオシャレにも気を使うようになりました。

おお!やるな錦戸くん!じゃ、関ジャニと共に高校生活を過ごした感じですか?

いや、これが高二の終わりころには関ジャニからも離れて…

お、スピードアップしてますね!もっと好きなものが見つかった?

はい。バンドです。ある日ライヴハウスに連れて行ってもらったんですけど、それが衝撃的で。ジャニーズのコンサートだと、会場が広くて良く見えなかったし、なんとなく予定調和に近い盛り上がり方に飽き始めていたんですね。でもライヴハウスだと近くだし、お客さんもそれぞれ自由に楽しんでいる感じが本当にステキだと思ったんです。

どんなバンドが好きだったんですか?

最初はロキノン系から入ったはずなのに、気づいたら…ヴィジュアル系に。

アハハ!やっぱそっちのラインは揺るぎませんねぇ。

腐女子時代に仲良かった子を通してハマったんです。

バンド名を教えてください。

MIYAVI、the GazettE、バロックとかですね。結構腐女子からヴィジュアル系に流れる人、多いんですよ。

ではヴィジュアル系を楽しんで…

いえ、それと並行して…

ゲッ!またですか?ちょっとやり過ぎじゃない?なんですか?

仮面ライダーを…

ククク!またイケメン。いいですねぇ~。

仮面ライダー電王…佐藤健クン…ハマりました。ファンミーティングのために東京まで行ったり…。

佐藤“ナマモノ”健はどうでしたか?

めちゃくちゃカッコ良かったです。ナマで見られるのってすごくイイ!東京スゴイ!って思いました。

腐女子時代の反動でナマモノ喰いっすかねぇ。超楽しそうな高校時代じゃないですか。ちゃんと勉強はしていたんですか?

一応国立大を目指していたんですけど、ご覧の通り遊んでばかりいて、落っこちました。浪人するのも嫌だったので、マスコミ系の学科がある東京の専門学校に行きました。

でも女の子一人でしょ。親御さんは反対しませんでしたか?

すごく反対されました。姉はすごく真面目できちんと国立大学にも入学したんですが、私は大学も落ちて、専門学校、しかも東京。「何考えてんだ!?」って。姉にも言われましたし。でも東京には行きたくて行きたくて。そしたら祖父が応援してくれたんです。「この子の人生なんだから」って。

ああ、おじいちゃん!それで東京に出て来ていかがでしたか?

すっごく楽しい!!って思いました。東京大好き!!って。学校行っても途中で抜けて、カラオケ行ったり、洋服見に行ったり。遊んでばかりいました。

ああ…おじいちゃん……だから言ったのに…。

でもなんか先生のウケが良くて、インターンシップに推薦されたんです。それが音楽雑誌の編集部だったんですね。それで学生の間はそこでバイトして、卒業と同時にそのまま正社員として採用してもらって。

運がいいと言うか、なんと言うか。人徳なのかな。もしかして魔性の女?現在も同じところで働いているのですか?

いえ、その音楽雑誌は廃刊してしまったので、現在は違う編集プロダクションにおります。

お仕事内容を教えてください。

やはり音楽関係もあるのですが、最近は漫画家さんとか俳優さんとかの取材もやっています。

良かったですね。おじいちゃんも喜んでいることでしょう!さてナマモノなんですが、プライベートのナマモノ・ライフはどうでしたか?

……私、全然男の人を見る目が無くて。

フムフム。

超絶だめんず・うぉ~か~です。

フムフム、東京に出て来てから?聞きたいなァ~。

はい。専門学校の入学が四月予定だったんですけど、校舎の改装工事が遅れて、五月入学になったんです。それで一ヶ月やることが無かったので、池袋のゲームセンターとかに入り浸って。

なんか嫌な予感。

はい。そりゃクズな出会いだよ…と今は思うのですが、ひとつ上のフリーターと仲良くなって。知り合って半年くらいで付き合い始めて半同棲みたいな感じになるのですが…

あーあ。またおじいちゃんが浮かびましたよ。

すいません(笑)。それで半同棲を始めたのですが、一緒にいる時間が長くなるにつれて暴力を…

あー出たー…これ大丈夫な話ですか?

はい。でも、当時は「殴られるのは私が悪い。私が彼をわかってあげないと」…みたいになっていました。

うー。

それでいつかのお正月に実家に実家へ帰ったんですけど、東京に戻って来たら、部屋の様子がちょっとおかしくて。私の私物が明らかに少なくなっていたんです。ヴィヴィアンのシガレットケースとか、ちょっとレアなCDとかが無い。で、ゴミ箱みたら買い取り明細が捨ててあって。

うーうー。

で、その買い取り明細見てるときに彼が帰って来て。「これどういうこと!?」ってまくし立てたら速攻で殴られ…

……。

「オレじゃねーよ!」とか言いながら。「いやオマエしかいねぇーよ!」と思いながらも殴られて。それでバイト先の人に助けてもらおうと思って、家から逃げ出したんです。で、相談したら「警察呼ぼう」と。立件はしなかったんですけど、二度と近寄らないみたいな誓約をして。

もう…ねぇ。

でも盗まれたものはそのままだし、貸していたお金も返って来ない。とりあえずお金だけはなんとかしたいと思って、彼の実家に電話したんです。そしたら彼が出て、話している内にお互い思い違いがあったんじゃないかと。

もう!バカ!バカ過ぎ!!なにやっての?そんで!?

会ってしまい、話してしまい…。で、その当時、私が働いていた編集部で人を探していたんですね。彼も音楽はやっていたから詳しいし、暴力沙汰とかも全部社長に話したら、「じゃ、本当に更生したかどうかウチで働いてもらおう」と。それで一緒に働き始めたんです。

…どうなるの?これ。

結構彼も頑張って働いていました。でも、他の編集部員と折り合いが悪くなり、仕事辞めて、また私の家に入り浸り…

その先はイイです。

はい、結局彼で二回警察にお世話になりました。

キツイ話だなぁー。読者さん引いてますよ。

ええ、当時は本当にキツかったんですけど、今では女子会の好評ネタです。みんな食いついて来てくれるんですよ(笑)。

そんなの持たなくてイイの!!

で、そのあとも…

もう満腹なんスけど…

すいません(笑)。さすがに殴られるのは無かったですけど、お金が無い人だとか、女癖悪い人だとか、知らない間にホストになった人だとか…

なんなんだろうね、コレって。集まって来ちゃうとか聞くよね。世話焼いちゃうの?尽くしちゃうの?

うーん…。例えばちゃんと働いてない人って、かまってくれるじゃないですか。時間あるから。あと、私は料理が全然出来ないんですが、一人暮らし経験のある男性は家事もやれちゃうし…。あと、今までジャニーズが好きで、ヴィジュアル系が好きで、俳優も好きで…面食いなんですよね。

知ってる。

やっぱり見た目で入ってしまうんです。友達からは「顔で選び過ぎ」って言われます(笑)

ホストクラブとかはハマらなかったの?

行ったことありますけど、意外とハマりませんでした。普通では出会えないようなイケメンしかいないと思ってましたし、あまり喋れる人もいなかったし。たまたまそういうお店だったのかな。期待し過ぎだったのかもしれません。

逆に接客とか得意な気がするんですが…。

あー、そうですね、これまでのバイトはほとんどが接客でした。初めてのバイトがマンガ喫茶だったんですが、その店にはメイドさんの格好して、お客さんに肩揉みをするサービスがあったんです。

そんなのあるのー!怖くなかった?

大丈夫でした。時給も良かったですし、オタクですからメイドの格好もしてみたかったですし。それぞれのメイドさん目当てのお客さんがいまして、私にもおひとり「付き合ってください」みたいな方がいました。

どうやって断ったのですか?

学生だからまだ考えられないかな…と。そのときはDVと付き合っていたんですけど。

あーまた曖昧な!そんなんだから寄って来ちゃうんでしょ!

なので卒業してバイトを辞めるときに「付き合ってくれるんでしょ!」って言われまして。「ディズニーランド一緒に行ってくれるって言ったじゃん!」…それは絶対に言ってないんですけど(笑)。

それ見たことか!他にはどんなバイトを?

ラーメン屋、高円寺キャバクラ、あ、あと秋葉原のコスプレ雀荘とか。基本は三位あがりじゃないといけないんですけど、勝って怒られてばかりいました。私、麻雀も好きなんです!!ついつい本気になっちゃって。

姉さん、ホント東京を満喫したネ!突撃レポーターとかも出来るんじゃないですか?

ありがとうございます(笑)。

ここまでやったらおじいちゃんも本望でしょう。おじいちゃんはお元気?

あ、ちょうどコスプレ雀荘のときに亡くなりまして…。

ああ~おじいちゃん!!ご愁傷さまです…。

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