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大麻農園主に訊く、CBDオイルのつくりかた

万能薬としてあらゆる商品に使用され、さまざまな病状への効能が謳われているCBDオイル。大麻農園を訪ね、オイルがつくられるまでの過程を説明してもらった。

by Rajul Punjabi
01 December 2019, 8:00am

Rajul Punjabi

2018年10月、私はCBD(カンナビジオール)オイルがどのようにつくられているかを調べるため、ケンタッキー州の大麻農園を訪れた。

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青々としたかぐわしい大麻草のなかを駆け回り、葉を優しく撫でるのは、まさに天に昇るような体験だった。しかし、このヘンプ(hemp)と呼ばれる植物自体には、THC(テトラヒドロカンナビノール:大麻に含まれるハイになる成分)はほとんど含まれない。

もう少し詳しく説明しよう。この〈カンナビス・サティバ(cannabis sativa)〉という学名の植物には、ヘンプ、カンナビス、ウィードなど、複数の呼び名がある。ヘンプ製品の分析を専門とする実験施設〈Steep Hill Arkansas〉の科学者/責任者のブレンダ・ガノン(Brenda Gannon)によると、もしTHC含有率が0.3%以下ならヘンプ、それ以上ならマリファナと呼ばれるという。

私は、つぼみをいくつか摘みとってバックパックに押しこみ、ニューヨークの家に帰りたいという欲求に駆られたが、それは農園スタッフの言葉を借りれば、「運輸保安局に連行される、地球上でもっとも愚かな理由」だという。

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THCは、CBDオイルを精製するために、大麻草を異種交配させることでつくられる。このオイルは、万能薬としてあらゆる商品に使用され、Amazonからニューヨークの私の家の近所にある家族経営の小さな食料品店まで、あらゆる場所で販売されている。様々なかたち、サイズの茶色の小瓶が、不安症から関節痛、炎症まで、複数の病状への効能を謳っている。

まるで魔法の特効薬のようだが、専門家たちは、主張を裏付ける充分な研究がないとして、この流行に便乗するのをためらっている。今のところ、科学的な根拠はないのだ。それでもガノンは、CBDオイルの効能を主張する。「CBDは、滅多にみられない、重篤な小児てんかんの2つの症状に効き目があるとして、もっとも期待できる治療法とされています」

てんかん以外にも、様々な病状の治療法として、CBDに頼っているひとは決して少なくない。しかも彼らは、そのオイルの中身も精製場所も知らず、地元の売人から買う大麻から吸い出すオイルとの違いも理解していない。そこで私は、この農園(とCBDオイルのブランドEvercure)の共同オーナーであるリー・ハイシンガー(Lee Hysinger)と、CBDとマヌカハニーを使ったスキンケア製品のブランドCannukaの創立者、マイケル・バムガーナー(Michael Bumgarner)とともに、夢のようなヘンプ畑を訪ねた。バムガーナーは、ローション、せっけん、バームなどの自社製品の原料を、ハイシンガーの農園から仕入れているという。

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近年の大麻ブームにハマりこんでいるひとや、CBDがボトルに詰められたり、せっけんに加えられるまでの工程を知らないひとのために、ハイシンガーと彼のチームに、この農園でCBDオイルがつくられるまでの過程を説明してもらった。

植え付け
まず最初に、温室で育てられた大麻草からクローン株を切り取る。クローン株は、タネに比べて成分量を調整しやすい(この農園の場合は、CBD含有率が高く、THC含有率が低い品種)。届いたクローン株は、1週間ほどこの土地の気候に慣らしてから土に植えかえる。

栽培
手作業で株を植えたあと、5〜10月のシーズン中は、かんがい設備によって水をやり、ビニールシートで雑草の繁殖を防ぐ。シーズン中は、土に含まれる水分量によって与える水の量を調節し、土の酸性度にも注意する。

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収穫
10月、ケンタッキー州農務省から許可が下りしだい(すべての作物に州の検査が義務付けられている)、収穫を始める。米麻薬取締局は、今はもうCBDを〈中毒性が高い〉成分とみなしてはいないが、南部でヘンプ栽培の許可を得るには様々な手続きが必要だ(ケンタッキー州の農園が使用できるのは、研究施設から提供されるタネかクローン株のみで、THC含有率の低い品種に限られる)。雨が降り、充分に成長したら、土から引き抜かれる。

乾燥
収穫したヘンプは納屋に運ばれ、そこで保管、空気乾燥される。菌やカビを避けるため、充分に換気し、乾燥した状態を保つ。3〜4週間ほど置いたあと、今度は逆さに吊るして保管する。ここでは、温室栽培で使用される、つるを巻きつけるための格子状ネットを使う。吊るされたヘンプは、まるで優美なつぼみのカーテンのようだ。

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花の加工
完全に乾燥したら、ネットから取り外し、花を摘み取る。この花は、ケンタッキー州パリスの処理施設に輸送される(残った部分は廃棄されるか、根を使用する企業に売られる)。この施設で、花はコーヒーの粉ほどの大きさにすり潰される。花の粉末はメタノールに浸され、メタノール抽出によって不要なテルペン(麻に含まれる、独特の香りをもつ有機化合物)を取り除く。その後、脱ろう処理によって冷却し、脂肪酸や油分などを除去する(脂肪分がオイルの化学成分を変えてしまう可能性があるため)。

精製
最後にオイルを抽出する。先ほどの混合物を温めると、未加工のオイルができあがる。もういちど抽出プロセスを繰り返すことで、必要なテルペンを保ちつつ混入物質が取り除かれ、オイルが澄んだ色に変わる。

この時点で、企業とは無関係の研究所がオイルの質と濃度を分析したあと、このオイルは、口当たりを良くするためのキャリアオイルといっしょに瓶詰めされるか、せっけん、ローション、筋肉用バーム、アイブロウジェルなど、あらゆる製品に加えられる。

これでCBDオイルの正体はわかってもらえただろう。効能を信じるかどうかはあなた次第だ。

This article originally appeared on VICE US.

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