Art

Behind the MASK 田名網敬一 記憶の集積から生まれる異界.02

現実と虚構、フィクションとノンフィクション、リアルとバーチャルなどとカテゴライズし、どちらかひとつの世界だけで、何かを表現しようとしても、人間も世界も何も捉えきれないのではないか。そんなカテゴライズされた二元論から脱出することで、表現の世界は、あてもなく広がるのではないだろうか?

by Yuichi Abiko
20 March 2019, 12:44am

SPONSORED BY adidas Originals

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田名網敬一の作品を表層的に見ていくと、光線、橋、ドット、波、アメコミ、花、金魚、人間と動物、あるいは人間と虫が融合した妖怪のような生物(adidas Originalsのロゴは蜘蛛がテーマ)が描かれていることがわかる。

また、今回おこなったインタビューと、過去の出版物で、田名網敬一が述べた言葉を紹介することで、田名網作品に込められた真意の一端を紹介したい。まずは、今回のadidas Originalsとの取り組みについては、このように語ってくれた。

「ファッションに作品を載せるということは動き、光による変化、形状のゆらぎ、都市の景観によっても見え方が違ってくるわけでしょう。絵を街中に並べるということは、まずない。あらゆる動きのなかに自分の作品が紛れ込むという意味で、日常、僕が描いてるものとは全く違う世界だから面白い」

まさに、アンディー・ウォーホルに代表されるポップアートの手法、作品が消費社会で流通することによって、より多くの人の目に留まる、大量消費文化に根ざした表現方法として、捉えているのがわかる。

また、田名網敬一が、過去に出版した『幻覚より奇なり』田名網敬一 森永博志著(リトルモア)のなかにも、興味深い一節があったので、ここに抜粋する。

「お前が立ち去るとき
この世は どうなっているのか

現世と未来のあいだに
愛がある

虚像と実像のあいだにも
愛がある」
『幻覚より奇なり』田名網敬一 森永博志著(リトルモア)より

「なにしろ年間五百本以上も(映画を)見ていると、虚構と現実の境界線が滲んでしまって、夢幻の覗き穴から現実を垣間見るといった、虚実入り乱れた混乱に身を置くことになる。できることなら、この居心地のよい闇の中だけで生きられないものかと、真剣に考えたこともあった」
『幻覚より奇なり』田名網敬一 森永博志著(リトルモア)より

田名網敬一の言葉から、現実と虚構の狭間への興味がうかがえる。おそらく、田名網作品にも、この要素は一部として描かれているのだろう。

そんな田名網作品、ならびに田名網敬一の言葉をもとに、〈adicolor by Tanaami〉コレクションと、かつて田名網敬一が制作したお面を用い、ファッションシュートをおこなった。

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次回は、田名網敬一が作品に何を込め描いているのか?その着想はどこからきており、何を発信しようとしているのか? いよいよ、田名網敬一自身に迫るドキュメンタリー動画を公開します。

Creative Director By Yuichi Abiko
Photo By Yusuke Yamatani
Styling By Tatsuya Shimada
Model By Kyohei Mitsune、Manami Usamaru

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