OKINAWA 2015 - EPISODE 7 ここに在る戦場

6月23日の慰霊の日が近づくと鬱状態になる人がいる。花火や米軍機の騒音がフラッシュバック(記憶の再体験)の引き金となることもある。

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17 December 2015, 10:04am

沖縄戦を体験したお年寄りに、不眠や不安感、幻覚など、さまざまな精神症状が現れているという。死体の匂いがする。死者の顔が見える。歩けないほど足の裏が熱くなる。夜中に体を触られている気がする。風景がモノクロに見える──。6月23日の慰霊の日が近づくと鬱状態になる人がいる。花火や米軍機の騒音がフラッシュバック(記憶の再体験)の引き金となることもある。

精神科医の蟻塚亮二さんは、こうした沖縄戦のトラウマによるストレス症候群を研究し、心のケアに取り組んでいる。「EPISODE7 ここに在る戦場」では、蟻塚さんを沖縄市の病院に訪ねてインタビューし、診療の様子を撮影した。沖縄のおじいやおばあは蟻塚さんの前で、これまで家族にも打ちあけなかった戦時の忌まわしい体験と、その記憶が引き起こす症状を赤裸々に語る。「戦後70年」という現在も、彼ら彼女らの戦(いくさ)は終わっていない。

カメラは捉えていないが、蟻塚さんのもとを訪れたお年寄りの多くが診察室を出るときには、気が晴れたような、少しはにかんだような表情をしていたことを記しておく。