麻薬カルテル
メキシコ麻薬戦争。子供を奪われた母親たちの武器なき闘い
メキシコ中に拡大し終息の兆しすら見えない麻薬戦争。殺人、誘拐、拷問、レイプ──、あらゆる凶悪犯罪が日々繰り返されるなか、東部ベラクルス州で行方不明の息子や娘を捜す母親たちが団結、行動を起こした。代表を務めるルシア・ディアスさん(63)は日本を訪れ、東京、京都、大阪を巡って「戦時下」の一般市民の窮状を訴えた。帰国前日、都内NGOオフィスで開かれた講演の模様をここに記す。
麻薬戦争と闘った南米メタル王の軌跡
1980年代後半のテロ時代、アンティオキア県北部にある県都メデジンは、世界一の殺人都市として知られていた。しかしメデジンはそれだけではない。コロンビアにおいて、ロック、パンク、ヘヴィメタルの中心都市でもあったのだ。それらの文化的な革命が起きていたシーンも、暴力の大混乱のなかに巻き込まれていた。
メキシコを席捲した ロス・セタスという暴力装置
メキシコ麻薬戦争が激化の一途をたどっていた1997年、ゴルフォ・カルテルのボス、オシエル・カルデナス・ギエンは禁断の扉を蹴破った。蹴破られた扉から這い出したのは、パブロ・エスコバルも霞んでしまう、メキシコ史上最狂の「ロス・セタス」という暴力装置だった。
Advertisement