テニスコーツの植野隆司をホストにお送りしてきたOFF STRINGS 2が、6月3日0時に放送されるAbemaTVで最終回を迎える。ラストを飾るゲストは、なんと加山雄三。今年80歳を迎えるレジェンドが語るギター、音楽についてのディープな話は必見。
中学生の頃に作曲した曲、はじめてギターを手にした日、ピアノを手に入れた際のエピソード、横田基地でのライブ、曲の創り方、編曲、作詞家との関係性、ピアノコンチェルント作曲へのチャレンジ、ギターのファズについて、などなどなど。
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また、〈好奇心旺盛〉をキーワードに、音楽以外の話も大いに語ってくれた。宇宙の話、量子力学、愛について。それが、全て、音楽と結びつくから素晴らしい。
音楽の話は動画で観て頂くとして、ここでは、そんな音楽以外の話をピックアップ。植野を困惑させるほどの、幅広く奥深き世界を、怒涛の勢いで語る姿からは、とてつもないバイタリティーを感じざるを得ない。果たして、この会話が、どう音楽の話と結びつくのか。とくと堪能していただきたい。
エピソード01
植野隆司(以下植野):手すごいですね。ゴツイっていうか。
加山雄三(以下加山):君だって、結構ゴツイじゃんかよ。
植野:いや。
加山:毛が生えてるだけだよ。
植野:海の男みたいじゃないですか?
加山:それは、あるかもしれないですね。ロープばっか握ってるから。こんな太いロープ。
植野:手だけが荒々しい。
加山:すみません。そうかもしれない。
エピソード02
植野:宇宙から受け取るってどういうことですか?
加山:人間は宇宙の一部なんだけど、脳みその中は非常に不思議だって思ってて、マイクロチューブルって知ってる?
植野:へぇ?
加山:マイクロチューブルは、脳みその中にある、粒々のことね。量子力学の量子だけど、素粒子の粒が入ってる入れ物が、一千億個くらいある。段々量子が増えていくと、連携プレイで、そこに意識が生まれるんだって。死ぬとその量子が全部宇宙に飛び散っていって。
植野:ちょっと待ってください。付いていけないです。
加山:いいんだよ。そういうことが、あったってだけでいいの。それが宇宙に飛び散るんだそうだ。
植野:頭から飛び散るんですか?
加山:出ていっても、そのまま粒が存在してるそうだよ。すごく面白いのは、例えば、心肺が停止し、3分くらいで意識が戻る場合だよね。心肺が停止した瞬間に、パアっと飛び散って、3分経って意識が戻ったら、その粒子が脳みそに戻ってきて、また入るんだってさ。今までいた奴らが、連携プレイを出すと意識が戻る。それをテレビで外国の学者が喋るのを観たんだよ。
植野:アインシュタインではないんですね。
加山:違う違う。もしかしたら、全部、宇宙と繋がって思う。全てが宇宙に用意されたもので、方程式とか、E=MC2、マンデルブロ集合、ジュリア集合も、すでに宇宙にあって、それをアインシュタインがキャッチして書いた。そうしたら、その通りに、物事がなっているのがわかる。アインシュタインが発明する以前に、すでに物事は出来てるわけじゃん。何十億年も前から、全て出来てるものを、われわれが紐解いていく。それをキャッチしてるんだ。
エピソード03
植野:愛ですか?
加山:愛は万有引力って思ってるからさ。
植野:はい?
加山:愛は万有引力。恋は電磁気力。
植野:電磁気力ってなんですか?
加山:恋は電磁気力。電気でくっ付いたり、離れたりするのが電磁気力っていうんだけど、簡単に言うと磁石だよね。S極とN極と、バッとくっ付くじゃん。反対にすると離れるじゃん。それが恋。反発が、あるのが電磁気力。
植野:電磁気力の仕組み自体が、よくわからないです。棒があってSとNがあるじゃないですか? 真ん中はなんですか?
加山:中立になってるわけだよ。
植野:真ん中を折るとどうなるんですか?。
加山:折ったところにいく。
植野:そうですよね。ただ理解できないですよ。
加山:どうして? 全部それで繋がってるからさ、どこを折っても、そうなってる。
植野:どう繋げても?
加山:どう繋がっても端だけが、働くわけだよ。
植野:理屈はわかっても、感覚的にわからないんです。
加山:じゃあね。なんで電磁気力が恋かっていうと、早い話が恋だけをしてる奴は別れちゃうんだよ。だけど、愛は普遍性がある。つまり、親子の愛だったり、友人だったり、自然を愛する心であったり。愛っていうのは、斥力がないんだよ。反発力がない。この宇宙は、われわれの世界、太陽系だけだけど、慣性力と引力っていうのは、等価原理で同じだから。
エピソード04
加山:人間も宇宙も、みんな日が暮れれば、また朝がくる。死んだら、また、生まれ変わるだろう。それで、また、生まれたら死ぬだろう。数学的にも保証できるよ。
植野:数学的にですか。でも説明されても、僕絶対わからないです。
加山:死=生って書くんだよ。数学でいうと両辺に同じものを掛けても同じ。だから、両方に1/2を掛けるんだよ。そうすると半死半生って。いいだろう?これ(笑)。半分生きてて、半分死んでるって。
植野:加山さん80歳ですよね。80歳の人から死を語られると重いものがあります。
加山:重いものね。それは間近だからだろうね。
植野:間近ですか? でも全然悲壮感ないじゃないですか?
加山:悲壮感なんて持ったってしょうがない。運命だと思ってる。早い人はもっと早くに亡くなってるし、長い人は長いし、年齢じゃないとは思ってるけどね。自分の気力とか、やる気とか、〈気〉という字が、ものすごく好きでね。元気とか、やる気とか、気力とかさ、本気とかさ、〈気〉という字は、たくさん好きな言葉がある。〈気〉っていうのは、心臓から出てくる気がするんだよ。心臓にも記憶があるって知ってる?アメリカで、奇跡みたいなものが起きたことがあるんだよ。
植野:加山さん科学好きなんですね。
加山:そうだね。好きだね。生きてるってことが好きだから。好奇心旺盛って言ったらいいのかな。なんでも知りたいのさ。
植野:でも、加山さんの趣味をみてたら、一人で出来る物事が好きですよね?
加山:生まれ育った時代が、戦前、戦中、戦後だから。戦中から物がなくなっていき、戦後には食べるものがなくなる。遊ぶところもないから、増してや茅ヶ崎という海岸沿いに住んでいたから、そうすると、他にやることは何もないから、海行って貝殻拾ったり、自分で工夫して遊ぶ。だから中学二年生くらいの時に、たまたま材木屋さんが、すぐそばにあったから、材木屋さんで材木を買ってきて、自分で乗れる船、カヌーを作ったわけだ。そうしたら、ちゃんと乗れて、沖にある島に行けちゃったわけだ。そういう好奇心と、時代背景と環境が、なんでも自分でやるようになったし、楽しい。
エピソード05
加山:フィラデルフィア計画ってあって、電磁波をいっぱい流して軍艦を消そうとしたんだよ。そしたら本当に人間が、鉄の中で、潜り込んでいきかけて、それで電気が止まった瞬間に死んじゃったんだよね。何百人って人が犠牲になったから隠蔽したって話さ。映像が残ってるわけじゃないから、わからないけどね。アインシュタインの理論っていうのは、そういうのも表してるっていうね。好奇心が旺盛だからさ。
植野:広すぎますよ。まさかの展開です。