Who Are You?:酒井麻衣さん(26歳) 映画監督

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Who Are You?:酒井麻衣さん(26歳) 映画監督

「元々エロは挑戦したかったんです。見せちゃうエロじゃなくて、痒い感じの(笑)」

スーパーでお刺身を眺めていたら、中2くらいの女の子に「トシヒコ」と呼ばれました。近くにいたお父さんと間違えていたようなのですが、お父さんを名前で呼んでいるご家庭もあるんだなぁ、それも呼び捨てかぁ、と思いつつ、「トシヒコ」というまったく縁もない名で呼ばれることの新鮮さ、更に中2女子からの「トシヒコ」にモジモジしました。

日々の生活の中で、私たちはたくさんの人たちとすれ違います。でもそんなすれ違った人たちの人生や生活を知る術なんて到底ありません。でも私も、あなたも、すれ違った人たちも、毎日を毎日過ごしています。これまでの毎日、そしてこれからの毎日。なにがあったのかな。なにが起るのかな。なにをしようとしているのかな。…気になりません?そんなすれ違った人たちにお話を聞いて参ります。

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酒井麻衣(さかい まい)さん 26歳:映画監督

この度は、弊社製作の映画『ウィッチ・フウィッチ』の監督を受けてくださって、本当にありがとうございました!

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こちらこそ、貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

VICE PLUSの 「〈ケータイで撮る〉映画シリーズ」なんですが、シリーズ前作である小林勇貴監督『ヘドローバ』はご覧になりましたか?

はい、もちろん観ました。

「うわぁ、こんなシリーズやりたくない」とは思いませんでしたか?

いえいえ、それはありません(笑)。でも、「小林さんの後で、どうやろうか?」 みたいなのは考えましたね。

グチョグチョでしたからねぇ。それでエロをブチ込んだんですか?

そういった面もあります。元々エロは挑戦したかったんです。見せちゃうエロじゃなくて、痒い感じの(笑)。

確かに痒かったです。キュンキュンしちゃうエロでした。

ありがとうございます。

酒井監督も可愛らしくて、キュンキュンしちゃいますね。「え、映画監督をやってるんですか?」なんて、いわれません?

いえいえ、ないですよ。最近は若手の女性監督も増えていますし、私より若い子も多いです。それに、女優から監督になられている子もいます。『ウィッチ・フウィッチ』主演の小川紗良ちゃんも、監督をやっているんですよ。もちろん、商業デビューをしている子は少ないですけど、大学で勉強している子は、〈全員映画監督〉くらいの勢いですね。それこそスマートフォンでも撮れる時代なので。

現在、映画の勉強をしている学生さんって多いんですか?

多いです。芸術大学だと映画学科がありますし、映画サークルもある。様々な映画祭でも、学生映画の特集をやっているくらいです。

酒井監督も、京都造形芸術大学で映画のお勉強を? 映画の勉強ってどんなことをするんですか? それこそ撮り方から何から全部ですか?

そうですね。簡単にいうと、準備から撮影、仕上げまでの行程があるじゃないですか。そこで、それぞれどういうことをやるか? というのをまず学びます。それこそ最初は、「ロケハンってなんだ? 」「ロケーションハンティングの略だ」みたいなところから始まって。入学当初には料理もやりました。映画と料理は似ているといわれていたので、各グループに分かれて料理するんです。

映画と料理は、似ているんですか?

まず、料理の材料集めはシナハンと似ていて…あ、すいません、シナリオハンティングのことです。シナリオを書く前に、その内容を集めなくてはならない。それがまず料理の材料集めに似ています。そして、どこでつくるのか? それがロケハンですね。さらに、料理をしているときが撮影にあたります。分担してやらないと手際良くできません。そして最終的に本当に美味しくなったのか? これらの行程を料理に見立ててやるんです。それが1年生の始めの授業でした。

ちなみに何をつくったんですか?

チゲです(笑)。

監督はチゲ好き?

担当の先生が高橋伴明監督だったんです。

ああ、高橋惠子さんの旦那さま。お綺麗ですよね。

伴明さん行きつけの料亭があって、そこのチゲが美味しいと。ですから、チゲは伴明さんの好みからですね(笑)。皆でそこに行って、料亭からチゲの素をもらってつくりました。

チゲの素! シナハンをちょっとズルしたんですね。

いえいえ、まあ(笑)。でもチゲは美味しかったです(笑)。

でしょうね、素があるんですから。で、チゲは映画に役立ちましたか?

ぶっちゃけ、よくわかりませんでした(笑)。でも1年は基礎とか、先輩の下でお手伝いをしながら学びました。

で、2年になると…

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はい。本格的に映画をつくる授業が始まります。自分なりの作品をつくったんですが、それこそ伴明さんだったり、他の先生たちに「君のは映画じゃない」なんていわれて。合評会があるんですけど、私は毎年皆の前で泣いてました。批判がすごいんですよ。

どんな作品をつくられたんですか?

VICE PLUSさんの特集にも入っているんですけど、『棒つきキャンディー』っていう短編とか。青春映画で、漫画家の女の人と編集者の人がネームを元に、この話はこうじゃない、ああじゃないって喋って。その漫画は、高校生の物語なんですけど、漫画と同じ登場人物が現実にいて、そっちはそっちで動く二重構造になっているんです。結局、ふたりの過去の話を喋っているだけだった、っていう話です。でもこの作品は、映画祭に入選したり、賞もいただきました。

『ウィッチ・フウィッチ』の撮影は大変でしたか? スケジュールもタイトだったと聞いています。

はい、大変でした(笑)。だいたい10日間くらいだったんですけど、母校の京都造形芸術大学を借りてやっていたので、1日のスケジュールが決まっていたんです。朝9時に大学が開いて、準備をして、10時から撮影を始めて、20時には完全撤収。サラリーマンみたいな10日間でした(笑)。

ステキなパイセン監督に、生徒さんたちも刺激を受けたんじゃないですか?

そうですね、みんな楽しそうにしていて。毎日、毎日、スタッフも増えちゃって。

生徒さんたちがスタッフになっちゃう?

はい。観に来て、そのままスタッフになっちゃう(笑)。でも、後輩たちにも現場を見てもらいたかったので、とても良かったと思います。スマートフォンでも撮り方次第、アイデア次第で撮れるんだよ、っていうのもありましたし。

生徒さんたちとは打ち上げをしたり?

はい。「学生の分は奢るね」っていったら、いっぱい来ちゃって、それが大変でした(笑)行きつけの店で、ひとり2千円くらいでお願いしたんですけど、人数が増えちゃったから「ヤバい」みたいな。

現在、絶賛編集中と聞きましたが、仕上がり具合はいかがですか?

そうですね。映画館だったり、倉庫とかに眠っていて、何かの拍子に出て来たフィルムが何かの拍子に出てきたみたいな。そんな雰囲気が出ているんじゃないかと。

その雰囲気は、最初から意図されていたんですか?

はい。今回はスマートフォンでしたが、フィルムのように撮影しました。内容はファンタジーだし、普通じゃあり得ないような話なので、それをそのまま撮ってしまうと、すごく嘘臭くなっちゃうと思ったんです。撮影監督の伊集さんのご提案でフィルムの味がでるものになりました。

スマホで撮ることに関して、違和感はありませんでしたか?

それはなかったですね。これまでにも使ったことありましたし、何で撮るか? というより、何を撮るか? の方が大事ですから。でも、いつもと勝手が違うので少し大変でした。

『ウィッチ・フウィッチ』は、物凄くキュンキュンするファンタジー映画です。さらにこれまでのVampilliaをフィーチャーした『いいにおいのする映画』、原菜乃華ちゃん主演の『はらはらなのか。』も、キュンキュンジュワジュワする映画でした。それに『はらはらなのか。』は中学校、『いいにおいのする映画』は高校、『ウィッチ・フウィッチ』は大学が舞台じゃないですか。

あ、今気付きました(笑)。

実際の酒井監督は、これまでの学校生活で、どんだけキュンジュワしてきたのか教えてください。えっと、まずご出身からお願いします。

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長野県の千曲市です。

長野っていうと、キュンジュワの名作『白線流し』を思い出します。

あれは松本ですね。千曲は、映画館がないような田舎です。

では、まず小学生時代のキュンジュワからお願いします。

小学生ですから、そんなにありません(笑)6歳下の妹が大好きだったので、彼女を飽きさせないためにも、すごく試行錯誤しながら遊んでいました。とにかく母親よりも、私のことを好きになって欲しくて。小さい子ってお母さんの方が好きじゃないですか。だから、お人形劇とかでも毎回違う話をして、飽きられないストーリーラインでやったりとか。

ああ、すでにシナリオづくりを。

それで結構鍛えられた気がします(笑)。

どんなシナリオだったかは覚えていますか?

妹が魔法使いの設定で。

もう今と一緒じゃないですか!

それこそスマホじゃないですけど、ガラケーで撮っていたんです。3歳の妹に「私は魔法使いよ。出てこいステッキ」っていわせて、カメラを止めて、ステッキを持たせて「出てきた」って(笑)。あとは、デカいぬいぐるみをカーテンレールと壁の合間に挟んで、そこにマントみたいなのをつけて、超巨人みたいに見えるようにして、戦ったりしていました。

可愛い監督デビューですね! じゃあ中学は? 部活とか入りました?

田舎の学校だったので、部活の種類もそんなにいっぱいあるわけではないんです。さらに私は、ボール運動が苦手、団体競技も苦手だったので、見学に行ったときに剣道が性に合ってるんじゃないかと。

じゃあメーン! メーン! ばかり?

あとは絵ですね。ずっと絵は描いていました。

魔法使いの絵ですか?

いえ、別に(笑)。でも絵画教室に通ってもいましたし、美術館に行ったり、絵の資料を見たりするのも好きでした。ちょっと地域の賞を取るくらい描いていたんですよ。当時の将来の夢は画家だったので。あとは漫画を描いたり、小説を書いたり。物語と絵に対しては、ずっと興味はありましたね。

あ、キュンジュワのことを忘れていました。どうです、中学のときは?

えっと、中2の終わり頃から、幼馴染の男の子と初めてお付き合いをしました。告白をしようとしていたわけではなく、お互い何となく好き同士だなってわかっているなかで、好きな人の当てっこゲームをしてたら、そりゃあ行き着くだろうみたいな。それでお付き合いをするようになったんですけど、中学校の恋なんて、一緒に帰るのが精一杯なんですよ。まぁ、短く説明すると、修学旅行でフラれてしまいましたけど(笑)。

では高校行きますか!

はい、地元の高校に入学しました。

剣道は中学までだったんですよね? 高校ではなにかほかのことを?

高校時代は、生徒会を頑張っていました。

生徒会! 『はらはらなのか。』のお姉ちゃんも生徒会長ですよね。可愛いですよね、あの子。

吉田凜音ちゃんですね。私は副会長だったんですけど。

真面目だったんですか? 学校を仕切る!みたいな。

いえ、全然真面目じゃないです。一応、進学校だったんですけど、ちょっとやんちゃな子たちとつるんでました。

ちなみに生徒会は、何をやるんですか?

文化祭の準備がありました。とにかく文化祭を楽しくやりたくて。これまでは、田舎の学校なんで、どうしても固いやつになっちゃうんですよ。

文化の祭りとは?

いろんなものを展示して、静かに親が見にくるみたいな。

あー、書道とか、茶道とかー。

そういうのはやりたくなかったので、色々企画を考えたんです。例えば、〈クラス対抗パフォーマンス大会〉とか。

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どんなんですか?

各クラス全員でパフォーマンスをするっていう。演劇とか、ミュージカルとか、歌とか、青春映画にありそうなことですね。〈ありがとうの鈴〉というのもありました。鈴を全員に5個渡して、テグスに付けて。好きな人とか、感謝している人にそれをあげるという。各学年男女で色を変えて。そしたら皆、違う色を欲しがるから、先輩か後輩か異性に絶対渡すじゃないですか。それで交流を深めるっていう。「○○先輩にあげなよ~!」みたいな(笑)。

甘酸っぱいことを考える生徒会ですね! 高校生活はキュンキュン充実していたと。

でも、なぜか寂しかったりもしましたけどね。何かありませんでした? 虚無感というか、その歳ならではの。

うーん、高校男子はバカだからなぁ。どんな虚無が襲ってきたのですか?

そうですね、本当はもっと芸術をやりたかったんですけど、普通高校だったし、さらに芸術大学に行きたいけど親からは反対されて。本当に好きなものに没頭できていなかったから、それが虚無感だったのかもしれませんね。

でも結局はそちら方面に進みました。お父さん、お母さんを説得したんですか?

はい。すごく説得しました。その後、大学の学科の見学に行ったときに、映画に惹かれたんです。最終的に高3の秋に映画監督になりたいと思い、映画学科の進学を決めました。

それまでも映画は好きだったんですか?

すごく観ていたわけではありません。それに偏っていて。今もそうなんですけど、ティム・バートン、ジブリ、スティーブン・スピルバーグなど、超メジャーなものばかりです。あとはやっぱりディズニーですね。『アラジン』とか『リトル・マーメイド』、最近だと『アナと雪の女王』も。ディズニー映画、ディズニーアニメーション、実写のディズニードラマも好きでしたね。

その辺の影響から魔法使いとかファンタジーがお好きになったのでしょうか?

それもあるんですけど、親の育て方もあると思います(笑)。

厳しいお母さんの?

厳しいんですけど、〈清く・正しく・美しく〉みたいな厳しさで、夢も見させてくれたんですよ。「妖精さんいるよ」みたいな。「絵本の世界とか、映画の世界は本当にあるんだよ」っていわれていました。

でも妖精さんの世界を教えてもらっても、映画の世界は反対されますよね? ご両親はなんて?

それまで、ずっと画家になりたいといってたんですが、それはすごく反対されていたんです。「画家なんて、なれる職業じゃないのよ」って。でも映画学科といったら、「マスコミ系とかに仕事があるんじゃないか?」と。それで親からOKが出て、進学することができました。

京都造形芸術大学を卒業されてからはどうしたんですか?

大学院に行きたかったんですが、落ちてしまったので、そのまま京都で就職しました。

どんな会社に就職したんですか?

映像制作会社です。暗黒時代です(笑)。忙しかったですね。大きい会社ではなく、社長と私を含めて3人しかいない会社だったんですけど、レギュラーのテレビ番組が2本、更にCMとかもつくらなきゃならない。私は何も知らないのに、1本番組を任されていました(笑)。でも土日もなかったですし、帰宅も朝の5時、6時になったり。空いている時間に、脚本とかを書いてはいたんですが、それでも時間は、まったく足りなかったですね。でも、そのときに転機が訪れました。大学4年のときに、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に行ったんですが、そのときに出会ったプロデューサーさんから、「企画を出してみませんか?」って連絡がきたんですよ。Facebookで。

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Facebookって、本当に便利ですね。

〈MOOSIC LAB2015〉っていうプロジェクトへの企画だったんですけど、これは若い映像作家と、ミュージシャンによる、映画と音楽を掛け合わせた映画祭なんです。そのプロデューサーさんに、「私はこういう音楽が好きなんですけど、これに近い音楽性のミュージシャンの方はいませんか?」って質問したら、いくつかのグループのなかにVampilliaさんがいまして。それで一聴き惚れして、ライブを観に東京へ行ったんです。本当にボロボロで、夢も希望もない感じで社会人生活をやってたんですが、Vampilliaのライブを観たら号泣しちゃいまして。「魔界の住人たちがステージにいる!」みたいな。物凄くファンタジーを感じたんです。この人たちで映画を撮りたい、そのときの体感を表現したいと思ったんです。それで会社を辞め、東京に出てきてつくったのが『いいにおいのする映画』なんです。

Vampilliaが、監督本格始動のきっかけだったんですね。でもVampilliaのみなさんにも交渉しないといけないですよね? あんな怖そうな人達に。

ええ(笑)。『いいにおいのする映画』で、主役のレイちゃんが、急に「照明をやらせてください」って、ライブハウスでお願いして、「は?」みたいなシーンあるんですけど、あれと一緒でしたね。「映画を撮らせてください」っていったら、リーダー、モンゴロイドさん、ミッチーさん、吉田さんとか、みんなが「誰、この子?」みたいな(笑)。

そりゃそうでしょう(笑)。

でも一応、ある方を通して事前にアポは取っていたので、「ああ、そんな話聞いていた気がする」って。

それですぐOKになったんですか?

流れでOKになりました(笑)。

でも、お金もありませんよね。どうしたんですか?

貯金と、クラウドファンディングです。150万円くらい集まりました。Vampilliaさん、そして主演の金子理江ちゃんの人気に助けられました。もちろん、物凄くプロモーションはしましたけど。

映画が完成して、Vampilliaのみなさんは、なんていってましたか?

Vampilliaの世界は私にとっては、すごく大きなファンタジーの世界なんですが、メンバーのみなさんは、「お前は、Vampilliaの世界観をこういう風に見てたのか!」って(笑)。

そして、『いいにおいのする映画』は、〈MOOSIC LAB2015〉で、グランプリを受賞。さらに史上最多の6部門での受賞をされました。やっぱ、「うおー! やったー!!」ってなりました? 「伴明、どうだー!」って。

いえ、そういう感じはなかったです。もっと頑張らなきゃって。

そして、昨年の『はらはらなのか。』で、商業デビューですよね?どんな形で、商業デビューの話は来るんですか?

『いいにおいのする映画』でグランプリを獲ったあと、たまたま映画祭主催の方から、「原菜乃華ちゃんで映画企画どうですか?」って話が来たんです。原菜乃華ちゃんは、2015年に『まっ透明なAsoべんきょ~』という舞台の主演をやっていて、それをプロデューサーさんが観に行ってたんです。その話が、ジブリの『魔女の宅急便』みたいだったので、少女だし、ファンタジーだし、私に会うんじゃないか、ということで話がきました。正直「これはチャンスだ!」って思いましたね(笑)。

商業映画はいかがでしたか? これまでと勝手が違うでしょ。自分の思い通りにできましたか?

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はい、できました。スタッフさんに恵まれていましたし、準備の期間も、稽古の時間もあったので。おそらく周りの方々が、商業デビュー作だからって気を遣ってくださったと思います。

で、この作品にも、Vampilliaは参加されています。楽曲提供、さらにミッチーさんは出演もされています。脅されているんですか?

いえいえ(笑)。

ミッチーさんは、『ウィッチ・フウィッチ』にも出演されていますね。

ミッチーさんの演技力は半端なくすごいんです。『はらはらなのか。』でも、今回の『ウィッチ・フウィッチ』でも、プロのスタッフさんだったり、俳優さんたちもいるなかで、「あの人は誰? どこの事務所の人? 何の人?」って、皆がザワつくんですよ。ミッチーさんがいることによって、現場も明るくなりますし、俳優としてのスター性も私は感じています。

じゃあ、今後もミッチーさんは出てくると?

出てほしいですね。

ずっとメイクしっぱなしじゃないですか? あれもずっと?

一応、少しずつ取ってはいるんですよ。『いいにおいのする映画』では白塗りに黒いやつ、『はらはらなのか。』では黒だけ、『ウィッチ・フウィッチ』ではちょっとだけ、幅を狭くしています。どこかのタイミングで取れるでしょう…まあ、最終形態でもアイラインくらいは引くかもしれないですけどね(笑)。

ちなみに現在は、監督業1本でやられているんですか?

はい。運良くここ最近はお仕事をいただいておりますので。でも、ちょっと前まではバイトをしていました。

何のバイトをやっていたんですか?

『はらはらなのか。』みたいな純喫茶で、深夜にバイトしていました。

今はバイトしなくてもよくなった?

ギリギリです(笑)。3月以降から暇になりそうだから、ちょっと頑張らなきゃ。

『ウィッチ・フウィッチ』後のご予定も決まっているんですか?

今は、企画段階なんですけど、いろいろ動いています。やっぱり、ファンタジー要素は入っていますね。

本当にファンタジーがお好きなんですね。

私は田舎で育ったので、夢を見たいと思ったとき、実写のファンタジー映画に救われてきたんです。ですから、子供たちに同じことをしたいと考えています。あと有名になる映画を撮らないと、田舎の子たちに届かないので、日本のファンタジーを幅広い方に観てもらえるように頑張っていきたいんです。

でも『ウィッチ・フウィッチ』は、ちょっとエッチだから、お子さんには…。

これは振り切りましたので、お子さんはダメです(笑)。というか、両親にも見せられないかもしれない。でも上映はたくさんやりたいですね!

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